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コペンハーゲン解釈の「波束の収束」という概念にはびっくりします。 有名な二重スリット実験の結果を知ればそう解釈せざるを得ないのかな? という納得というか諦めもつきますが、「波束の収束」という概念は1961年の二重スリット実験よりもずっと前からあります。 こんな奇妙な解釈がまかり通るようになった経緯と当時(1930年以前)の代表的な実験を教えてください。

A 回答 (1件)

質問では「波束の収束」とありますが、多分「波束の収縮」の入力ミスだと思われるので、


「波束の収縮」に関して説明したいと思います(^^)

「波束の収縮」は二重スリット実験の結果から言えることでは無く、
量子力学が抱え込んでいる難問の一つです。
量子力学は、まず、シュレーディンガーによる、いわゆる波動力学から発展してゆきます。
ここでは、分かりやすいように、測定されるものが粒子の位置であるとして説明します。
測定前は、粒子の位置を表す波動関数は広がりを持っており、いろいろな場所で粒子が見つかる可能性を表しています。
しかし、測定したとたんに、波動関数は鋭い針のような形の波が1点にピント立っているって状態になり、その場所でのみ粒子は観測されます・・・これが「波束の収縮」です。
もし、こんな風に波動関数が変化しないならば、粒子を観測した別の点でも粒子が観測される(存在する)という奇妙な事になってしまいます。
で、針のような”波(波動関数)”が立っている状態になると言ったのですが、そのように変化することが量子力学の計算から出てくるわけではなく、
量子力学の解釈の上では、そうなっていないとダメだよね・・・って話なんです(^^;)

ただ、注意しておかないといけないことは、波動関数は物理的実在でもなく、また物理的な意味も持たないとされている事です。
まあ、”いや、そんな事はない、物理的存在だ!”って考えている人がいないとは言えませんが・・・(^^A)
つまり、波動関数とは、粒子が観測される位置を確率的に求める数学的”道具”なんです(位置だけでなく、状態を計算するための道具)。
言い換えると、粒子の波動性を数学的に表したものでしかなく、水面に生じる波のように”実在する”波を表したものではありません。
・・・まあ、これが波動関数の解釈の多数派ですね。
ですから、数学的”道具”でしかない波動関数が、一瞬のうちに収縮しても、べつに構わないって事です。

じゃあ、さっき「量子力学が抱え込んでいる難問の一つです」って書いたのですが(実は、正確ではありません)、どういう事かというと、
量子力学の計算では、どーしても、粒子が観測されるような”形”に波動関数を書き直せないって事なんです。
量子力学では、粒子の位置を表すと
(点Aにいる状態)+(点Aと点Bにいる状態)+(点Aと点Cにいる状態)+・・・・
という奇妙な状態として書かれてしまいます(これは、誤解を生みかねない言い方ですが、とりあえず、分かりやすさを優先させました)
しかし、実際に観測されるためには
(点Aにいる状態)+(点Bにいる状態)+(点Cにいる状態)+・・・
と書かれないといけないわけですね・・・(^^)
ところが、最初に書いた”奇妙な状態”をいくら数学的にいじっても、観測されるための後に書いた状態に書き直すことができないんです。
これが、量子力学が抱え込んでいる難問で、「観測問題」と普通呼ばれています。

ちなみに、フォン・ノイマンという天才数学者は、これを研究して、”できねぇ~じゃん!”ってさじを投げています(^^;)
で、現在でも、未だ解決に至っていません(^^A)

面倒くさい話ですが、参考になれば幸いです(^^)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。 二点有用な情報を得られました。
①波束の収束は二重スリット実験結果から言えることではない。
②波動関数は物理的実在を表しているのではない。
 
本当ですか? ①に関しては数式をそのように解釈せざるを得ない現象が観測されたからなのだと想像しており、その代表例が二重スリット実験結果と考えてました(時代があわないが)。 また、②は衝撃でした。 疑問の前提が狂いはじめました。 もう一度文献を読み直して見ます。

 新たに(頭を整理して)質問するかもしれません。 その際はよろしくお願いいたします。

お礼日時:2017/03/07 22:18

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