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ペットの動物は冬眠しなくても大丈夫?など冬眠のメカニズムについて動物園に聞いてみた

ペットの動物は冬眠しなくても大丈夫?など冬眠のメカニズムについて動物園に聞いてみた今年の冬は世界的に暖冬と言われており、冬眠をしなかったクマが町にやってきて農作物を荒らしたり、人と遭遇してトラブルになったりしている。冬眠というのは自然界の生物にとっては生命維持のために不可欠なメカニズムだと思うのだが、冬眠をする動物、しない動物の差は何なのだろうか? また本来冬眠するはずの生物、例えばリスやカエルなどを人がペットとして飼うことで、冬眠をしなくなることに問題はないのだろうか? 気になったので名古屋にある東山動植物園に聞いてみることにした。

■冬眠の目的は生命維持


「冬眠の役割は、『エサの確保が困難な冬場に、できるだけ身体の活動を抑えエネルギー消費を節約することにより生命の維持をはかる』ということです。冬眠する動物は、外気温や日照時間の減少から、本能的に冬の訪れを察知します。ある動物は栄養補給、ある動物は冬用の食べ物を確保・貯蔵、その他の動物は、一冬過ごせる安全な場所探しに精をだすことになります」(東山動植物園)

冬眠とは、厳しい環境で生き伸びるための動物の本能といえる。では、どんな動物が冬眠するのだろう?

「熱帯、亜熱帯の生物を除き、哺乳類、爬虫(はちゅう)類、両生類、昆虫の一部がいわゆる『冬眠』をします。鳥類は暖かいところに『渡り』を行う種類が多いため、あえて冬眠をする必要はありませんが、唯一ヨタカ(夜鷹)の仲間で冬眠を行う種類がいることが確認されています」(東山動植物園)

その他、哺乳類ではクマやシマリス、コウモリ、爬虫類ではヘビやトカゲ、両生類ではカエルなどが冬眠をするとのこと。続いて動物の種類による冬眠の違いについて教えてもらった。

■冬眠のスタイルも動物によって様々


「爬虫類、両生類、昆虫のような変温動物は、気温が20℃を切ると活動が鈍くなり、10℃以下になると活動が停止するため、自動的に仮死状態のような冬眠に入ります。昆虫は種類によって成虫、蛹(さなぎ)、幼虫、卵などいろいろな形態で越冬します」(東山動植物園)

気温が下がると自動的に活動を停止する変温動物の冬眠は、いわゆる「冬越し」と呼ばれるものだ。これに対し、恒温動物の冬眠はどうなのだろうか。

「恒温動物の冬眠は、動物の種類によって違いがあります。一定温度まで体温が下がるシマリスやヤマネは、ドングリなどの木の実を巣穴に持ち込んで消費しながら、冬眠中に熟睡と覚醒を繰り返し春の訪れを待ちます。クマは、冬眠前にたらふく栄養のある食物を摂取して、体脂肪として体内に栄養を貯め込んで冬眠に入ります。あまり体温自体は下がらず、わずかな音や臭いなどの刺激にも目を覚ます『クマ型冬眠』と呼ばれる、非常に浅い眠りを行います。日本にも生息するツキノワグマやヒグマの場合、冬眠といった言い方をせず、『冬ごもり』と言われる場合が多いようです。ちなみに、ホッキョクグマのメスも同じように冬ごもりを行います」(東山動植物園)

哺乳類のような恒温動物の場合、寒冷地の動物であっても全てが冬眠するわけではないとのこと。実際、シカやノウサギ、キツネなどは寒い中エサを求めて冬中動き回っているようだ。ところで、自然では冬眠するはずの動物をペットで飼っている場合、暖かい部屋では通常冬眠しないが、それによって動物の体に何か影響はないのだろうか。

■健康上問題はないといえるが……


「冬眠の目的から考えれば、毎日きちんとエサを与えてさえいれば健康上は何も問題がおこらないといえるでしょう。しかし、冬眠を生活リズムの一部としている動物にとっては、繁殖生理上や老化といった観点から考えると、『何も影響がない』と軽々しく断言できません」(東山動植物園)

考えてみれば、自然の中で生きる動物を飼うということ自体が普通ではないのかもしれない。動物をペットとして飼う場合は、ぜひ心に留めておきたいところである。

なお、「教えて!goo」では、「もし、人間も冬眠するとしたら?」 ということでみんなの意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:東山動植物園
愛知県名古屋市千種区の東山公園内にある市営動植物園。1937年(昭和12年)に開園。2010年の年間入場者数は、日本国内で上野動物園に次ぐ約218万人を記録。2015年、イケメンすぎるゴリラのシャバーニが話題になった。

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