質問No.1065924から続き、改めてご質問させて頂きます。
お茶(烏龍茶)の新規事業で重金属分析業務を行うことになりましたが、私はほとんど使用経験がないため、現在勉強中です。原子吸光分析装置自体の扱いは、簡単との事ですが、前処理が非常に難しいとの事。そこでこれらの重金属の分析前処理について情報をお教えください。
Pb,As,Sn,Cdを原子吸光分析する予定です。
1、前処理の方法について情報(本、ホームページなど)
2、具体的な方法をご存知でしたら、お教えください。
3、その他 お茶で測定すべき重金属類がございましたら、お教えください。
よろしくお願いします。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
マイクロウェーブ(以下MW)に付いてメリットとデメリットを少々追加しておきます。
MWのメリットは#1さんのお礼で仰るとおり条件さえ決まってしまえば前処理が簡単で安全に行える事です。(masia1225さんの場合もルーチンなりそうですのでメリットが非常にありそうですね)
デメリットはイニシャルコストがかかる。ランコスも部品代として稼働率にもよりますがある程度は覚悟するべきです(機種にもよりますが、現在の職場では9検体処理できるMWを1日5~6回これを月~金毎日稼動で部品代で3~5万円くらいかかりました)
それからどうしてもMWに入れられるサンプル量が0.1~どんなに頑張っても0.5グラム程度しか入れられません。サンプルがあまり均一でないときや、微量な元素を測定する場合にはどうしても大量のサンプルを分解する必要が生じますがその点では制限が生じます。
最後にMWの容器の汚染の問題です。
シビアな分析を行うためにはどうしても前に分解したサンプルの影響(メモリー)を無視することが出来ません。そのような場合にはサンプルを分解する前に洗浄工程(サンプルを入れずに酸だけを入れてマイクロウェーブをかける)を行う必要があります。
となると前処理に要する時間は単純に倍になってしまいます。(一般的に分解に要する時間は1時間冷却に30~40分洗浄工程を入れると単純に2倍ですからMW1サイクルで約3時間強の時間が必要になります。)
MWの処理能力を上げる為にはMWを増設するしかありませんが、単純な湿式酸分解であれば分解用のビーカーを増やすと言う小額の投資である程度は処理能力を上げる事が出来ます。
MW導入直後は分析時間の短縮や汚染の問題に悩まされましたが安全性と簡便性に付いては非常に有利な機械で、現在では無機分析の前処理に付いては現在ほとんどのサンプルをMWに頼っているのが現状です。
最後に下記のURLあたりが手ごろなMWではないかと思います。
参考URL:http://www.uniflex.co.jp/
XZ400さん 本当にありがとうございます。
内情を申しますと、フレームレス方式の原子吸光装置と水素化合物発生装置で予算が組まれていて、さらにMWを追加するのは困難な状況です。
月曜日にコンサルタントと相談を行い、分析方法については マニュアル化し、誰でも分析が行えることを前提に会社へ指導してほしいとお願いしました。その一環で、素人分析者へ分析のルーチン化が効果大ということで、MWの購入を検討してもらうように会社へ働きかけるつもりです。効果について専門家からも確認が取れれば、会社も対応を考えてくれるかと思います。
XZ400さんの親切なご指導、助言には本当に感謝しております。これから原子吸光とGC-MSの購入に向け たびたび質問させて頂きますが、ぜひ引き続きご指導をお願い申し上げます。
No.7
- 回答日時:
>ひょうてん法 氷点法ですか?
異なります。「標準添加法」内3文字を使って「標添法」です。
値付けされた重金属含有生体試料(米国では存在します)が日本では存在しません。
ですから.かいかによるきさん量を測定する為に.既知の重金属を試料に添加して.かいかし.測定する方法です。
回帰線では.Y切片を使って濃度を求めるという方法を使います。
ただ.既知試料が1つあれば.方程式を使うことで.精度を策定する方法があります。
幼児.父親.母親の3人がいて.
幼児+父親+母親
幼児+父親
幼児+母親
父親+母親
幼児
父親
母親
の測定で体重計の誤差が測定できる方法(厳密な意味では.1つの体重について.値付けが必要。乳児を5kg標準分銅と置き換えて下さい)です。
この方法は.にっかんきょうか.けいかんきょう(計量管理教会)あたりで表彰された方法なので.探せば出てくるでしょう。
edogawaranpoさん、情報ありがとうございます。
「標準添加法」わかりました。試料中濃度を算出する方法で聞いたことがありましたが、かなり煩雑だったような気がします。
しかし難しいですね。私のキャパを越えていますが、がんばって勉強してみようと思います。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
茶葉そのものですか・・・
となると湿式酸分解ですね。
因みに湿式酸分解とは硝酸や硫酸を初めとする鉱酸とサンプルを接触させて場合によっては(ほとんどの場合そうですが)ホットプレートのような熱板上で加熱して、サンプルを溶解する方法の総称が湿式酸分解です(マイクロウェーブ法の湿式酸分解の一種です)。
サンプルが有機物の場合には硝酸や過酸化水素のよう加熱によって酸化力生じる酸を利用して有機物を最終的にNOxとCO2、H2Oなどまで分解する手法です。ただ砒素(As)の場合には一般的に塩酸存在下で還元状態になると気散する性質がありますので、そのようにならないように、硫酸+硝酸で有機物を充分に分解します(具体的には硫酸白煙が出て暫く還流させます)その後、硝酸を加熱して完全に抜き(硝酸が残っていると、水素化砒素の発生を阻害するので)塩酸に臭化カリを加えて予備還元をした後に水素化物発生装置に導入して、(=塩酸と水素化ホウ素ナトリウムとサンプルを混合させて)水素化砒素として原子吸光に導入する事になります。そうしないと、通常のサンプルの導入方法で分析してもAsは感度が上がらない為です。そのような訳で、Asの前処理とその他の金属の前処理とでは前処理方法と原子吸光への導入方法が異なります。但しこれらの方法をとっても100%の回収は難しいのでサンプルに機知の量のAsのスタンダードを添加して回収率を把握する必要があります。後はCdとPbとSn(錫)ですね、となると硝酸、過酸化水素系の分解になりますが、Snが大量にサンプル中に存在していると厄介ですね。Snはコンクの硝酸には溶解しませんので前処理にコツが必要になります。
尚これらの前処理は爆弾の爆発と原理的には非常に似通っていて、それを瞬間的に酸化させるか、制御して長時間掛けてユックリ酸化させるかの違いですので、制御出来なくなったときに爆発となります。私の以前の職場では開業から約30年間で通算3度の爆発事故がありましたし、つい最近では有機汚泥を分解していて、腕を無くした分析者の方がおられたと聞いています。
充分にご注意下さい。
XZ400さん、たくさんのご指導ありがとうございます。
素人のチームで分析を行うことになるので、知識もさることながら安全も考えて。また将来的にはかなりの分析頻度が発生するかと思うので、会社がマイクロウェーブに300万ほど投資ができないか、もう一度稟議にかけてみようかと思います。
来週の月曜日に、コンサルタントと話し合いをもつことになりましたので、XZ400さんからご指摘、ご指導頂いたことを頭に入れながら、今後の方針を決めていきたいと思います。
それとは別にGS-MSを使った、残留農薬の件もあるんですよ。頭が痛い・・・。
No.4
- 回答日時:
まず、分析の対象は茶葉でしょうか?それとも、飲み物のお茶でしょうか、それによって前処理方法は異なってきます。
また、マイクロウェーブは確かに便利ですが抽出したお茶の前処理には前処理に使用できるサンプル量が限られてしまいますので、定量下限をとるのが厳しいです。精度はそれほど必要でないなら単純にそのまま原子吸光で分析すると言う方法もあります(Asは恐らく排水の分析方法でOK)厳密に分析するなら湿式酸分解方ですね。硝酸や過酸化水素を使用して有機物を酸化分解します。但しこの方法は有害なガス(NOx)などが発生しますし、なにより有機物の量と酸の量によっては爆発の危険性がありますので、必ず経験者の指導のもと作業を行う事が必要です。さて問題は茶葉の前処理ですが、基本的にはマイクロウェーブ法がやはりお勧めです。食品程度の前処理であれば問題無く前処理できると思いますがイニシャルコストは安価なものでも300万円以上かかると思います。マイクロウェーブを使用しないとなるとやはり湿式酸分解になります。茶葉と前記のような酸を混ぜ合わせビーカーに入れて過熱します。この場合のお茶な場合よりも有機物量は格段に多くなりますので有毒ガスの発生量や爆発の危険も大きくなります。文献だけの調査での前処理は絶対に行うべきではありません。必ず経験者の指導の元で行いべきです。近所の環境研究所、工業試験所には経験者がいるはずですから、指導を仰ぐべきだと思います。
XZ400さん、たびたびのアドバイスありがとうございます。
マイクロウェーブの件は、予算の関係で却下されました。使用頻度もそれほどないようですので、仕方ありませんね・・・。
分析の対象ですが、茶葉の予定です。その場合でも湿式酸分解方とう方法をとればよいのでしょうか。
XZ400さんのご指摘のように、文献だけでは分析ができなきだけでなく、危険が伴うということで、県立の工業試験場に問い合わせを行ったところ、講習をしてくださるようになりました。ただあくまでも、原子吸光装置の取り扱いについての講習が主になり、茶葉の前処理等の方法をマニュアル化するような 相談にはなかなか答えてくれそうな雰囲気ではありません。
このように情報をいただけると、それを元に調べ いろいろな機関へお願いができるので、助かります。
まったくわからず初歩的な質問をしてしまいますが、ASの測定で水素化物発生法と湿式酸分解法の場合、どのような点が違うのでしょうか。
よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
お茶というのは茶葉でしょうか?だとしましたらNo.1さんのおっしゃるようにMW酸分解をお薦めします。
分解条件さえ決まればルーチンでの作業が簡便です。ない場合は非効率的ですが湿式酸分解か乾式灰化が妥当かとおもわれます。分析操作はJIS(K0102など)や解説本を参考にされるとよいと思いますがどうでしょうか。Asは水素化物発生法で、Pb,Cd,SnはAAS-FLだと感度がよいかと思われます。
yukinyaさん、ありがとうございます。
お茶は茶葉で行う予定です。早速マイクロウエーブの話を上司にしたところ、予算的に厳しいとのこと。
さらに検体は週に5~6個ぐらいの予定なので、効率は求める必要がないとのことでした。
そこで、
>Asは水素化物発生法で、Pb,Cd,SnはAAS-FLだと感度がよいかと思われます。
水素化物発生装置も購入予定に含まれていたようです。これを基本路線に、分析方法を検討していきたいと思います。ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
1.「残留農薬の分析」のような雰囲気の本のどこかに.果物中のじう金属分析の内容あり。
底質分析とほぼ同じだから.にっかんきょうあたりをさまよえば大体見当つくでしょう。2-3.お茶の分析をしたことなし。よって回答不能。
原子休校の注意点は.きれいな作業環境.きれいな水.きれいな容器.徹底した洗浄です。
水道水中のコロイド状鉄に注意して下さい。重金属で鉄と重なるピークがあったような気がしますから。
蒸留機やイオン交換きのしょりゅうをすてる子とを忘れずに。
粉砕にコーヒーメーカーを使う人がいますが.鉄の汚染を受けやすいので.ピークが重なる場合には注意して下さい。
医学系や法科系の人ですと高温かいかをしてしまいます。Pbで90-95%以上飛んでしまう場合がありますので.鉛以下の低沸点成分を分析するときには.低温回かで。
逆に高沸点成分の場合溶けなくて苦しむ場合があります。
すくなくとも1回は.他の前処理方法で処理して.差を見てください。前処理で桁が1つか2つ変化するときがありますから。
edogawaranpoさん ありがとうございます。
>にっかんきょうあたり・・・ 日本環境協会でいいのでしょうか?底質分析の言葉すら知らない状態なので、なかなか見つかりませんでしが、底質分析からほかのサイトで探すことができました。ありがとうございます。
そのほかにも、実践的なアドバイスありがとうございます。前処理の方法選択は難しいですね。実地の際には、教えて頂いたアドバイスを忘れぬよう、努めたいと思います。
No.1
- 回答日時:
確かに前処理が難しいですね。
特にAsは空気中に飛んでしまったりするので。前処理の方法は、最近はマイクロウェーブ(電子レンジみたいなもの)が流行です。
参考URLは醤油中のAsをICPで測定した例です。
測定すべき重金属は、問題になりそうなものとしてHg,Crなどでしょうか。
原子吸光のメーカーに問い合わせれば、前処理法を教えてくれますよ(売り込まれる?)。
参考URL:http://www.city.wakayama.wakayama.jp/menu_1/gyou …
nobusiさん アドバイスありがとうございます。
マイクロウェーブについて、少し調べてみました。前処理の時間が短く、カンタンになるという 夢?のような機器ですね。
原子吸光については導入が決まっていますが、とあるメーカーの上海支店から購入するため、日本の支店に問い合わせをしても、そっけない対応でした。そうかと言って中国語はわかりませんし。私はぜんぜん知識がありませんし、困りました。。。
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