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素朴なことを訊きます。
物理の教科書に現れる微分方程式は偏微分方程式を含め殆ど全てが2階微分の範囲に納まっていますね。
まーこれは良いことには違いないので喜ぶべきことなんでしょーねきっと。
しかし以前から不思議に思ってたことですが、なぜなんだろーって。
それで納得していーんだろーかって。

A 回答 (9件)

正確にいうと、時間に関する2階微分のことだと思いますが、どうでしょうか。

これは、例えばなぜ光速は不変なのかという質問と同じレベルで、そんなに自明ではなく、人類が長い間の試行錯誤の結果突き止めてきた結果なのです。そして、その答えは、そのうように出来ているのがこの宇宙の個性、すなわちこの宇宙の基本的な性質なのだということです。それをいかに噛み砕いて説明します。

例えば、人間の頭では、光速が不変でない、いわゆるガリレオの相対性理論が成り立つものとして、数学的に完全に無矛盾な宇宙を考えることもできます。しかしその宇宙は我々とは無関係な宇宙であり、だから架空な宇宙なのです。そして、光速不変というのがこの宇宙の個性であることは、アインシュタインが出るま解らなかったのです。

さらに、座標と運動量を掛けて得られる物理的な単位を作用の単位と言いますが、頭の中ではその作用変数が任意に小さい値を取れると仮定して、数学的に完全な力学体系を作ることができます。しかし。それも我々の埋め込まれた宇宙とは無関係な架空の宇宙であり、我々の宇宙では作用変数にプランク定数と呼ばれる最小値があります。そして、それより小さな作用変数がありません。なぜそうなのかと言うのではなく、それがこの宇宙の個性なのだと理解されているのです。事実、プランク定数が発見されて量子力学が生まれました。しかし、作用変数に最小値があるのがこの宇宙の個性であることは、プランクが出るまで解らなかったのです。

そのような認識の発見から、この宇宙には個々の現象に無関係に、この宇宙の個性を特徴付ける不変的な定数が存在していることに気がつかれるようになった。その定数のことを宇宙定数と呼びます。光速 cやプランク定数hがその宇宙定数の例です。他には電子の電荷の値eは宇宙定数の例です。

そのような発展で、次のような問いが生まれてきました。この宇宙の個性を特徴付ける事柄はいくつあるのかという問いです。その問いの1つとして、互いに独立な宇宙定数自身がいくつあるのかという問いかけがあります。しかし、もっと深い問いかけも意識されるようになった。それは、この宇宙での与えられた任意の運動の状態を決めるのにいくつの独立な変数がいるのかという問いです。

実は、その問いはすでにガリレオの時から意識されており、ガリレオは運動の状態を決めるにはその物体の位置と速度と言う2つの独立な変数が決まれば定まるということに気づいていました。その後、天体の運動に関するケプラーの法則の定式化を試みたニュートンによって、このガリレオの考え方が踏襲され、結局、物体に働く力が加速度に比例するとすれば、すなわちニュートンの法則が成り立っていると仮定すれば、あらゆる運動が位置と速度の2つだけの独立な変数によって完全に決まってしまうことが明らかにされました。

その定式化過程で、ニュートンは微積分の概念を発見し、速度が位置の時間に関する1階の微分で定義され、加速度が位置の時間に関する2階の微分で定義されるという事実と、彼が発見したニュートンの法則、すなわち時間に関する2階の微分方程式を解くには、必ず微分の回数(この場合2)の数だけの積分定数が必要であることがわかるようになった。そしてこの2つの積分定数を決めるために、位置と速度という2つの変数が必要であることがわかるようになった。

その後さらに力学の概念が発達して行きました。そして、力学の問題を解くには位置と速度の2つの組みで論じるよりも、位置と運動量の2つの組で論じたほうがより見通しが良くなることが解るようになってきた。例えば、位置とは長さで測られる。しかし同じ力学変数でも角度には物理的な次元がなく、単なる数です。そこで、角度の時間変化を計算するときには、その相棒として位置に対する運動量に対応しているような量を導入しておくと、微分方程式を解くのに見通しが立て易いことが経験的に解ってきた。そこで角度に対する相棒の運動量もどきを、角度に対応する一般化された運動量と呼ぶことにして、それを別な文脈の理由から作用変数とも呼ぶことにした。そうすると複雑な問題がいろいろ整理されて、問題が解きやすくなった。

その作用変数の物理的単位は、通常の位置の単位と運動量の単位を掛けたものになっています。だから作用変数の単位は、位置の単位と運動量の単位を掛けたものです。このことが、なんで物理学の基本方程式が時間に関する2回の微分方程式で表されてしまうのかに関して、後で重要になってきます。

さらにもっと複雑な問題を解いて行くと、位置でもない角度でもないもっと複雑な変数に関する力学の微分方程式を解くには、その複雑な力学変数の相棒としてその力学変数に対応した一般化運動量を導入すればうまく行くことが解るようになってきた。ただし、その一般化運動量を導入するには統一された規則があります。それは、その一般化運動量の単位とその相棒としての複雑な力学変数の単位の積が、必ず上で述べた作用変数の単位と同じになっていなくてはならないという規則です。

そのことから、このう宇宙の力学を記述するには、2つの相棒の対でできた変数の組を考えれば良いことが解るようになってきた。そしてその対の物理的な単位の積は必ず作用変数の単位を持っていなくてはならない。そこでこの対のことを物理学者は正準変数の組みと呼ぶようになり、そして、その変数自身を正準変数と呼ぶようになりました。そして、正準変数の組みの数が必ず2つで対をなす、すなわち3つや4つでなくて、必ず2つの組で出来上がってることがこの宇宙の特徴、すなわちこの宇宙の個性であることが解るようになってきた。そして、これが2つだけであり、それ以上でもそれ以下でもないことという特徴から、物理学の基本法則が必ず時間に関する2階の微分方程式になっていることの根拠を与えていることが解ってきた。

この事実の認識はとても重要な認識です。実際、その後、上で説明したプランクによる作用変数には最小な大きさがあることの発見と相まって、正準変数の間に特別な関係式があることに着目して、量子力学が発見されたのです。事実、量子力学の基本方程式はハイゼンベルグの正準方程式と名付けられています。

ですから、なぜこの宇宙の基本方程式が時間に関する2階の微分方程式で表されているのかは自明なことではなく、ガリレオ以降300年に渡る物理学者の苦しみぬいた努力の結果解るようになって来たのです。

それに対して、物理の応用分野や工学では時間に関する2階以上の項を含む微分方程式がしばしば出て来ます。しかし、これらは物理学の基本方程式ではなくて、その基本方程式からいろいろ重要でない項を落として得られた近似された経験的な方程式です。それを物理学の基本方程式と区別するために、物理学者は現象論的な方程式と呼んでいます。

物理学では、多くの現象論的な方程式が知られていますが、その方程式を物理学の基本方程式の近似からどのようにして導き出されるのかに関して、まだまだ未解決な問題が残されています。ですから、そのような現象論的な方程式を力学の原理から如何に正当化できるかという問題は、物理学の中心問題の1つになっています。
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No.4 です。

その後よく考えてみたら,いわゆる 2 次元あるいは 1 次元モデルにするから微係数の階数が上がっているとも考えられます。任意のシェルの場合はさらにユークリッド幾何じゃなくなるらしいし(とは受け売り)。さて非線形性に言及なさったご回答もありました。梁の場合は,とても美しいモデルが構築可能で,解析的な解が三つの基本的な問題では求められております。エラスティカで検索ください。なお,梁といっても伸びが厳密に無い梁です。ただ,伸びを厳密にゼロにしたもしなくても,支配方程式は六つの未知関数の六つの連立一階非線形微分方程式で表すことができます。上述のエラスティカ以外の支配方程式に名前は無いと思います。構造力学の教科書を見れば線形理論はどんな分野のものでも載っています。非線形のやつは・・・論文かなぁ。動的な場合は,空間は4階で時間は2階です。
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>物理の教科書に現れる微分方程式は偏微分方程式を含め殆ど全てが2階微分の範囲に納まっていますね。


物質の運動の基本は力です。力=mx加速度、加速度=∂²r/∂²tだからですな。
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微分の階数よりも、線形かどうかのほうが重要だろう。

梁の曲げだって、微小変形のうちは線形近似で済んでも、大変形になると非線形になって解析的には手に負えない。
 ちうわけでご質問に対する答は、何らかの現象を微分方程式でモデル化する際に、高階微分の項まで考慮する以前に非線形項の方が大変になっちゃうことが多いから、それ以前で打ち切って線形近似あるいはさほど難しくない非線形方程式で済ませるために、そうやってこしらえた方程式には高階微分はそうそう出てこない、ということじゃないかな。
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無限階微分をありにしてしまうと、無限に小さな時間内に有限距離からの影響があることになって、物理現象の局所性に反します。


逆に言えば、過去の記憶を持っている系とか、有限距離離れた点の変化がいきなり効いてくるような系なら、無限階微分もありえます。
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No.3 です。

梁や板の曲げ振動問題を対象にしたいなら,時間を入れてもいいですよ。入れたら,Newton 力学ですから時間微分に関しては加速度の2階微分です。粘性のようなエネルギ散逸が入ると1階の微係数も現れるでしょうがね。また z が入ったシェルのような場合も同じです。No.3 のポストでは Airy の応力関数を例にしたので,平面問題(これを説明するのが面倒だったから)なので z が無いだけでぇーす。
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この回答へのお礼

>梁や板の曲げ振動問題を対象にしたいなら,時間を入れてもいいですよ。

すると梁や板の曲げ振動問題は、2階時間微分、4階空間微分の波動方程式になるんでしょーか?
なんと呼ばれてますか?
どこにありますか?

お礼日時:2019/02/15 18:00

No.1 です。

方程式の名前??? 「梁と板の曲げについての微分方程式」です。梁の場合は

 - EI u''''(x) + q = 0

です。u(x) が梁のたわみで,q は分布外力です。EI は,ま,ある係数です。板の場合は

 - D ∇^4 u(x,y) + q = 0

です。∇はナブラです。おぉー,そうだ。弾性論(弾性材料でできた領域における力学問題)は,応力関数 U(x,y) を用いて解くことができます。なぜ z が無いかは長くなるので省略。そして,この応力関数は

 ∇^4 U = C ∇^2 V

で支配されます。V は外力についてのポテンシャルです。ですから,外力が存在しない問題の場合の U(x,y) は重調和関数になりますね。
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この回答へのお礼

時間tが入ってないから動きなしってことだ。
だから4階の微分方程式でも簡単に解けるって例だね。
しかしzが入ってないのは納得できないね。

お礼日時:2019/02/15 16:13

色々あるようです。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%AA …

多分、簡単なものが研究されたり、議論されているのではないですか。
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あ,いえ,梁(細長い棒のことです)や板を曲げる物理現象の支配方程式は4階の微分方程式になります。

興味深いのは,なぜ最高階が偶数なのか・・・かもしれませんね。
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この回答へのお礼

その微分方程式の名前はなに?

お礼日時:2019/02/15 15:19

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