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楽典をみているのですが

赤の線で引いたんですけど属和音の音としてGから算出するとってどういう意味ですか?

「楽典をみているのですが 赤の線で引いたん」の質問画像

A 回答 (2件)

これは、純正律による長音階の各音の振動数比の算出について書いているものです。


詳しい算出法は一般的な楽典の守備範囲外なので書かれていないようで、
そのせいでかえってわかりにくい解説になっているようです。

自然倍音の振動数は、基音の整数倍です。
ト音記号の下第1線(加線)上の「ド」を倍音の基音とし、その振動数比を「1」とすると、
そのオクターブ上の「ド」の振動数比は2倍になります。
つまり、基音の「ド」とその1オクターブ上の「ド」の音程は「完全8度」で、2つの音の振動数比は1 : 2になります。

基音「ド」の3倍の振動数の音は、その1オクターブ+5度上の「ソ」です。
基音の1オクターブ上の「ド」(=振動数比2)と、この「ソ」の音程が「完全5度」になるので、完全5度音程の振動数比は2 : 3です。

基音「ド」の4倍の振動数の音は、2オクターブ上の「ド」です。
これと、そのすぐ下にある3倍の振動数比の「ソ」との間の音程は「完全4度」で、この音程の振動数比は3 : 4になります。

基音「ド」の5倍の振動数の音は、これのすぐ上の「ミ」ですので、「ド」と「ミ」の音程、つまり「長3度」の振動数比は4 : 5です。

基音「ド」の6倍の振動数の音はさらにその上の「ソ」ですので、「ミ」と「ソ」の音程、「短3度」の振動数比は5 : 6です。

この最後の3つの音が「ドミソ」と並んでいるので、「長3和音」の3つの音の振動数比は4 : 5 : 6ということになります。

この振動数比を元に、「ドレミファソラシド」というハ長調の音階の各音の高さを割り出します。
始まりの「ド」が振動数比1で、終わりの「ド」の振動数比が2です。
音階のすべての音が、この1オクターブ内に位置するように算出しなければいけません。

「ソ」は基音「ド」の3倍の振動数ですが、これは、音階の終わりの「ド」より5度上にあるので、
音階のオクターブの音域に入れるためには1オクターブ下げなければなりません。
振動数比3の「ソ」を1オクターブ下げると、振動数は半分になるので3/2です。

「ミ」は基音「ド」の5倍の振動数ですが、基音の2オクターブよりもっと上にあるので、
音階の音域に入れるには2オクターブ下げなければなりませんから、振動数はその半分の半分、5/4になります。

以上の計算の結果、「ド」の振動数比は1、「ミ」の振動数比は5/4、「ソ」の振動数比は3/2になりますが、
これは長3和音の三つの音の振動数比4 : 5 : 6と一致します。

長3和音「ドミソ」 1 : 5/4 : 3/2 = 4 : 5 : 6

純正律は、音階上に表れる「長3和音」が純正な音程で美しく響くようにする調律法なので、音階音はすべてこれをもとに算出します。
ハ長調の音階上には、長3和音が3つあります。一つは主和音の「ドミソ」、それから、「属音」、つまり主音の5度上の音「ソ」の上に形成される属和音「ソシレ」、
そして、「下属音」、つまり主音の完全5度下の音「ファ」の上に形成される下属和音「ファラド」、この3つです。
これらの長3和音はすべて、構成音の振動数比が4 : 5 : 6になります。

音階上の「ファ」と「ラ」は、長3和音「ファラド」をもとに算出します。
たとえば、「ファ」と「ラ」を音階のオクターブ内に収めるために、音階の終わりの「ド」が一番上にくるようにすると算出できます。
この「ド」の振動数比は「2」とわかっているので、そこから「ファ」と「ラ」を算出します。

4 : 5 : 6(長3和音の振動数比)= x : y : 2 = 4/3 : 5/3 : 2(ファラド)
ファ= 4/3 ラ= 5/3

あるいは、自然倍音列の第3~5音が「ソドミ」という長3和音の第2転回形の順で並んでいるので、
音階の始まりの「ド」の上に形成される長3和音の第2転回形「ドファラ」を同じ比率で割り出すこともできます。

3 : 4 : 5(長3和音の第2転回形の振動比率)= 1 : x : y = 1 : 4/3 : 5/3(ドファラ)
ファ= 4/3 ラ= 5/3

ここまで算出したものが譜例2で、「ドミファソラド」の6音があります。足りないのは「レ」と「シ」です。
この残りの音の振動数比を算出するときも、「長3和音」で考えます。
「レ」と「シ」の2音を含む長3和音は、属音「ソ(G)」の上の「ソシレ」という和音です。
このうち、「ソ」の音だけはここまでの計算で振動数比が出ているので、これをもとに「シ」と「レ」が算出できます。
赤線を引いた、「属和音の音としてGから算出する」という文はそういう意味です。

「ソシレ」という長3和音の構成音の振動数比も4 : 5 : 6ですが、
これだと「レ」が音階のオクターブの上に飛び出てしまうので、あとで下げる必要が出ます。

4 : 5 : 6(長3和音の振動数比)= 3/2 : x : y = 3/2 : 15/8 : 9/4(ソシレ)
シ= 15/8 「レ」は1オクターブ下げるので 9/8

あるいは、先ほどと同じように第2転回形の比率を使って、

3 :4 : 5 = x : 3/2 : y = 9/8 : 3/2 : 15/8(レソシ)
シ= 15/8 レ= 9/8

これで全部の音階音がそろい、譜例3の数値と一致します。

ド= 1
レ= 9/8
ミ= 5/4
ファ= 4/3
ソ= 3/2
ラ= 5/3
シ= 15/8
ド= 2
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ハ長調(C-dur)の「主和音」は「ドミソ」で、ここに戻ろうとする「ソシレ」を「属和音」と呼びます。


「ドミソ」→「ソシレ」→「ドミソ」で、ハ長調がおさまりよく終止します。そのための「主和音に付属した和音」として「属和音」と呼びます。
(ちなみに、ハ長調(C-dur)の主要3和音のもう一つ「ファラド」は「下属和音」と呼びます)

つまり、ハ長調(C-dur)の「属和音:ソシレ」の基音「ソ(G)」に対する協和音程として「D」「H」を選ぶということです。
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