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一部の恐竜は人間と同じように二足歩行をしていました。
しかし、恐竜の手はあまり器用だったとも思えません。
T・レックスの手などは退化しているように思えます。
どうして人間の手は器用に進化して、恐竜のそれはしなかったのでしょうか?
二足歩行して手が自由になれば、当然それを使うように進化すると思うのですが。

よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

こんにちは。


確かに恐竜は人間と同じように「二足歩行」獲得しました。ですが、人類が獲得したのは厳密には「直立二足歩行」です。
人間が手を使えるようになったのは、「二足歩行」で手が自由になったことと、「直立歩行」で脳を大きくすることが可能になったからです。手が自由になっても、脳が発達しなければそれを使うことはできません。
人間が手を使えるようになった理由に就いては、ほとんどの生物の教科書でこのように説明されているはずです。これと比較しますと、恐竜は手を使えるまでに脳が発達しなかったというのが大きな理由として挙げられます。

ヒトは、真直ぐに立って歩き始めた頃から急速に脳を発達させました。脳が発達するということは、脳が重たくなるということです。この重さに耐えるためには、背骨や頚椎などで脳を真直ぐ上に支えなければなりません。人間は直立することによって、脳を大きくすることが可能になったんですね。

真直ぐに立てた棒の上にはある程度重たいものを乗せることはできますが、横にした棒の先に重たいものをくっ付ければ、それは下に傾いてしまいます。
恐竜の骨格は、二本足で上半身を上に支えるというものではなく、身体の中心で全体重をを支えるというものです。ですから、恐竜は走るとき、前半身と後半身でバランスを執らなければなりませんでした。恐竜の巨大な尾は、そのためのウェイトです。この恐竜に重たい脳みそを持たせると、前につんのめってしまいます。

このような理由から、恐竜はヒトのように脳を大きくすることができませんでした。ですから、手が自由になっても、それを器用に使うことができなかったんですね。もともと、恐竜の脳は他の動物に比べて小さいものです。動物の脳の大きさは、その体重と比例します。ですから、恐竜にヒトと同じ比率の脳を付けようとすると、それはたいへん大きなものになってしまいます。恐竜にゾウのような脳みそを持たせたら、重たくて、上手く歩けなくなってしまうかも知れませんね。
と、ここまでは一般的な説明です。

>二足歩行して手が自由になれば、当然それを使うように進化すると思うのですが。
>どうして人間の手は器用に進化して、恐竜のそれはしなかったのでしょうか?

先の説明で、ヒトは脳が発達したので手が使えるようになったと申し上げましたが、厳密には、手が「より器用に使えるようになった」と解釈すべきなんです。
猿人からホモサピエンスという人類の短い歴史の中で、手そのものはそれほど大きな進化を遂げていないはずです。それ以前に、人類の祖先はそれまでの樹上生活で、手、即ち前足をかなり発達させていました。なんたって、木登りをしていたんですからね。もちろん、脳の容量比でも恐竜より遥かに賢かったんです。木の実をもぎ取って口に運ぶなんてことは、既にお茶の子さいさいだったんではないでしょうか。二足歩行で手が自由になったとはいえ、恐竜とは出発点が全然違いますよね。
くどいようですが、ヒトは手が使えるように進化したのではありません。飽くまで、ヒトは脳を大きくするという進化を遂げました。
例えば、翼が生えてくれば空を飛ぶことができます。それは、その動物が進化によって空を飛ぶという新しい能力を獲得したことになります。ですが、翼というのは空を飛ぶという目的のための道具でしかありません。
脳の進化というのはこれと少し違います。脳ももちろん道具ですが、それはコンピューター・メモリーという入れ物です。ですから、まさかいきなり空を飛ぶということはできませんが、脳が発達すると、ある日突然色々なことができるようになります。例えば、手が上手く使えるようになるとか、上手に歩けるようになるとか、言葉を話せるようになるとかです。これは、実際に手や足が進化したというわけではありません。飽くまで、進化したのは脳の方です。
このように、脳が発達することによって様々な能力を獲得することを「創発」といい、進化とは別物です。ですから、ヒトが手を器用に使えるようになったのは、脳の進化の副産物ということになります。
ヒトは短期間で急速な進化を遂げたように見えますが、実は、急速に進化したのは脳だけだったんですね。その脳の進化も、どうやら20万年前からは止まってしまっているそうです。

>T・レックスの手などは退化しているように思えます。

そうですね、現在の生物学では「退化」という言葉はあまり使われません。
T・レックスの前足は、体重を支えるという使命から開放されました。ですから、無駄に丈夫である必要はありません。退化したというよりは、効率の良い方に進化したと表現することができます。
何れにしても、あまり便利そうではありませんよね。あれが器用に使えるならば、生存競争には有利になりますから、発達してはいけないという理由は全くありません。ですが、T・レックスは獲物を採るためにもっと優れた能力をたくさん持っていましたから、その必要がなかったのかも知れませんね。
ただひとつ残念なのは、獲物を食い殺したあと口の周りを手で拭うことができないので、口臭がたいへん酷かったということでしょうか(そんな、アホな)。
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進化論的な考えがあっているのか?という疑問もある


のですが、恐竜の手が充分に発達していない理由の
1つは、脳の進化が人間に比べて遥かに
遅れていたことが挙げられます。

>二足歩行して手が自由になれば、当然それを使うように進化すると思うのですが。

 使う必要性、有利度といったところが関係して
います。

 例えば、人間の赤ちゃんは生まれてしばらく
自分ひとりでは歩くことも食べることも
できませんから、親が手を使って子供の
面倒を見る必要があります。
 淘汰説という考え方で言うと、人間や
猿の先祖で、手が自由に使えなかった
種は、子供がうまく育てられず滅んで
いったはずです。これを自然淘汰といいます。

 人間の赤ちゃんが自分で歩けないという、
言わば生物として不完全な状態で生まれて来るのは、
完全な状態まで成長するには、人間の
お母さんの体があまりにも小さすぎるためです。

 人間の祖先が進化して、脳の大きさが
大きくなってきた段階で、赤ちゃんは
体のほうの成長がより不十分な状態で
生まれてくるようになり、その分
親の手を使った子育てが重要になったわけです。
手を自由に使えないと、子供が充分に育てられず
滅ぶしかなかったわけです。

 一方、恐竜は卵から生まれてきますから、
恐竜のお母さんは卵を守れる体力が
あればよかったわけで、手が自由に
使えなくても、子孫を作って生き残る
上で不利にはならなかった。
つまり、手が自由に使えることが
特に有利ではなかったので、必ず
しも高度に進化しなかったわけです。

 ただ、それは今現在見つかっている
化石だけの話で、数は少なくても
今の人間のように自由に手が使えた
恐竜もいたかもしれないんです。

 興味があったら、大学で研究してみると、
非常に面白い課題かもしれませんよ。


 
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一口に二足歩行と言っても、


人間の二足歩行と、恐竜の二足歩行は根本的に違うんですね。
人間の場合、二本の足があって骨盤があって
その上に上半身が載っていますが、
恐竜の場合、足の上に、シッポと上半身がバランスを取って乗っかってます。

ということは、恐竜は、
上半身とシッポでバランスを常に取ってないといけないわけです。
手が発達して、あちこち動いてしまうと、
バランスが取れなくなってしまいます。

恐竜の子孫と言われている鳥の場合でも、
飛べない鳥の上肢は退化したままで、
せいぜい走行のバランス取りにしか役に立っていません。
では飛べる鳥の翼の場合はというと、揚力を生み出すことで
バランスの問題を解決できます。

恐竜的な体型を取った時点で、手の発達はムリになってしまったのではないでしょうか。
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