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伏見稲荷に参拝しに行った際、黒い大きな狐(犬)が見えたのですが、伏見稲荷にまつわる黒い狐についての話は何かあるのでしょうか?

A 回答 (2件)

伏見稲荷と黒狐は、大いに関係ありますよ。



伏見稲荷大社はいろんな信仰が合わさって建立された大きな神社ですが、主祭神は稲の精霊です。伏見エリアは古代から稲作が盛んでした。

今のように科学技術が発達していなかった古代の稲作においては、四季の移ろいを正確に知るために、とくに星巡りに注意を払っていました。

とくに北半球では北極星が最高神のような扱いになります。
古くはその星を「妙見」と呼んだりしました。
妙見とは「優れた視力」という意味です。
北極星は少し暗めの星なので、いつでも北極星をハッキリ見ることが出来る人は視力がいい人だけです。それで「妙見」と呼ばれていました。北極星を神格化する古い素朴な信仰をひっくるめて「妙見信仰」と言ったりもしますね。

その大事な妙見星⁼北極星をパッと見つけることが出来ない人でも、北斗七星は簡単に見つけることができますね。たいていの人は、北極星を探したいとき、まず北斗七星を見つけて、そこから視線をずらして北極星(妙見)を見つける。という順番になります。

つまり北斗七星は、最高神である北極星(妙見)の眷属(導き役、従者、護衛)のような役目を担ってくれている星座といえます。ありがたい存在です。

そして、北極星の眷属のような北斗七星の化身を古代中国や古代日本では「黒狐」としていました。

何で黒狐になるのかというと、それは陰陽五行説に関係しています。

細かい部分は諸説あるので、興味があったらご自身で調べて頂く方が良いですが、陰陽五行では、黄色は土の色でもあるので、特に農業にとっては重要で尊い色なのです。そして中国や日本に多く生息する狐はだいたい黄色い体毛に覆われており、それは豊かに実る稲穂の色にそっくりでもありますね。そういったことから、狐は特に稲作の繁栄と結びつけられたと考えられます。

また北斗七星の形を素直に見た場合、水を汲む柄杓にそっくりですね。
五行説において、水は黒色と結びつきます。
方位としても北は黒であらわされる方位です。

それらの要素を融合して、稲作における北斗七星は特に「黒い狐」として神格化されていったと思われます。

でも伏見稲荷の公式(?)眷属は、黒狐ではなくて白狐ですね。

これにも、いろんな考え方がありえるのですが、五行説の考え方では、とくに白い狐は「土生金(土が金を生む)」という意味にもなります。だから白狐の場合はお金の神様や鍛冶の神様にもなりえるので、純粋に稲作における北斗七星を意味する黒狐よりも、白狐の方が色々と御利益が多そう、汎用性が高いということで、白狐の方が祀られやすくなっていった、と考えるのが歴史的に見て、ありそうな流れかなとは思います。

しかし他にも白狐には信仰上のいろいろな意味があるので、それだけでも説明できませんけどね。

ゴチャゴチャ書きましたが、伏見稲荷における黒狐は、そういうわけなので、べつに邪悪なわけではないですよ。むしろかなり本格派というか正統派というか、いま眷属として普及している白狐の御先祖様みたいな存在が黒狐なので、その姿をちょっとでも見れたなら、ラッキーだったんじゃないでしょうか。
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この回答へのお礼

目から鱗な話を書いていただきましてありがとうございます。
黒色は肥えた大地を意味すると聞きますので、本来は吉兆だったのかもしれないと思いました。
回答者様の言われるように、白狐がお稲荷様に商売繁盛の権能を付けるために変容された姿だと仮定すれば本当に拝むべき神は誰か考えさせられるお話でした。

お礼日時:2022/08/13 03:50

伏見に住んでるものですが、あそこの狐は白狐だけのはず


あまりいいものではないかと考えます。
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