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核融合のトカマク型とレーザー方式って、どう違うんですか?

A 回答 (4件)

トカマク型は、高温核融合炉の実現に向けた技術の一つで、超高温のプラズマを閉じ込める磁気閉じ込め方式の一つです。

トカマク型とレーザー方式の主な違いは以下の通りです。

トカマク型:

磁気閉じ込め方式: トカマク型は、プラズマを強力な磁場で閉じ込める方式です。プラズマの周りに電磁石を配置し、磁場によってプラズマをドーナツ状の真空容器内に閉じ込めます。

磁場の構造: トカマクでは、トロイダル方向(ドーナツの大円周方向)とポロイダル方向(ドーナツの小円周方向)の磁場を生成します。これにより、プラズマが長時間安定して保持されます。

主な装置: トカマク型は、多くの核融合実験装置や国際熱核融合実験炉 ITER(イーター)でも採用されています。


レーザー方式:

慣性核融合方式: レーザー核融合は、核融合燃料を瞬間的に高温高密度に圧縮し、燃料自身の重さ(慣性力)で燃焼を維持させる方式です。レーザー核融合がこの方式の代表です。

磁場核融合方式との対比: レーザー方式は、磁場を使用せず、慣性力によってプラズマを閉じ込めます。


簡潔に言えば、トカマク型は磁場を利用してプラズマを閉じ込め、レーザー方式は慣性力を利用してプラズマを圧縮する方法です。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、みなさん、ありがとうございました!

お礼日時:2024/05/07 21:03

#3補足;反応回数は密度の2乗と反応時間(閉じ込め時間)と書きましたが、当然のことですが体積にも比例します。

そのため、密度と反応時間の積(密度の2乗ではなく)が一定値よりも大きいという条件になります。
「密度と反応時間の積」が一定値以上というのを「ローソン条件」と言います。
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どちらの方式も温度は同じ、密度と反応時間の積は同じ。

違いは密度にあり、そのために必要な反応時間が大きく違うのです。
詳しくは以下。
核融合を発電に使うためには、重水素や三重水素の原子核同士をぶつけなければなりません。
(1)原子核は+の電荷を持っているので反発力に打ち勝ってぶつけるためには高速であることが必要です。加速器を使えば高速にできるのですがそれでは加速に使うエネルギーの方が核融合で発生するエネルギーよりも少ないので、エネルギー源としては使えません。ところが物質を加熱すると分子は激しく飛び回るようになります。その時の速度は様々ですが運動エネルギーの平均が温度です。つまり高温にして激しく飛び回る原子の中でも運動エネルギーの大きな少数の原子を使うと発生エネルギーの方が加熱に使ったエネルギーよりも大きくできます。水爆や核融合発電での核融合を「熱核融合」というのはこのためです。
熱核融合を起こすために必要な温度は、磁場閉じ込め方式で代表される「トカマク」でも慣性閉じ込め方式で代表される「レーザー方式」でも大体同じです。約10keV(1億度)以上です。
(2)核融合反応は原子核同士がぶつかる必要があります。衝突総数が同じであれば同じだけエネルギーが発生します。衝突総数は化学反応でも同じですが、「密度」の積ですから、全部が同じ種類の原子であれば「密度の2乗(n^2)」と「反応時間(τ)」の積に比例します。閉じ込め方式によらず「密度と反応時間の積(nτ)」は一定の値(1e16 cm^3 s)以上が要求されます。
磁場閉じ込め方式で磁場閉じ込め方式で代表される「トカマク」では、磁気圧で高温電離ガス(プラズマ)を閉じ込めますが発生できる磁気圧には限度があります。プラズマの圧力は「密度と温度の積(nT)」に比例するので、密度を下げざるを得ません(原子数にして大気の1万から10万分の1)。そのために長い時間ひじする必要があります。
一方の慣性閉じ込め方式で代表される「レーザー方式」では、レーザーあるいはレーザーで作った軟X線を燃料球の周り四方八方から照射して、アブレーションを起こしその反作用であるロケット効果で燃料を固体密度の100倍程度まで「爆縮」します。つまり密度を固体の100倍以上にまで圧縮します。すると極めて短い時間でも十分な衝突回数を得る事ができます。つまりミクロンスケールの水爆です。
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トカマク方式:燃料ガスを高温にしてプラズマを円環状になるように発生させて電磁石の磁場で閉じ込め高圧状態にする。

連続的に核融合が発生する。プラズマ中に生じる電流がまた磁場を生じるので、プラズマが非常にややっこしい挙動をして、その動態の力学や制御方法がイマヒトツよく分かっていないから難しい。
レーザー爆縮方式:燃料を冷やして凝固させて作った粒を落下させ、多方向から強力なパルスレーザを照射すると、粒の表面が急加熱されて吹き飛ぶ反作用で粒の中心部が圧縮され、高温高圧になる。だから一粒ごとに核融合が発生する。多数のレーザビームを正確に当てるのはなかなか難しい。
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