許せない心理テスト

民法に関する基本書や司法書士資格試験受験書等に

~を自動債権として相殺することはできる
~を受動債権として相殺することはできない

という文章が「相殺」のところで説明されています。

例えば不法行為に基づく損害賠償権を受動債権とする相殺の禁止(不法行為の加害者側からの相殺は認められない)、不法行為に基づく損害賠償権を自動債権とする相殺は許される(被害者側からの相殺は認められる)

同じように差押禁止債権(扶養料、賃金、恩給、扶助料等)を受動債権とする相殺は禁止だが、自動債権としての相殺は許される(賃金を受けるべき者からの相殺は許される)と具体例が挙がっているものは理解できます。

ただ一つだけイメージが出来ず、理解できないものがあります。 それは下記のような内容のものです。

「自動債権に抗弁権が付着している場合は相殺できない。相手方の抗弁権を一方的に奪ってしまうことになるからである。 これに対し、受動債権に抗弁権が付着していても、債務者は抗弁権を放棄できるから、相殺は可能である」

自動債権と受動債権の違いは分かりますので具体的に例を挙げて説明して頂けると助かります。

お手数ですが、ご回答のほど宜しくお願い致します。

A 回答 (2件)

#1の方の説明に補足します。



 まず、ご質問者は、「自働債権」と「受働債権」という概念は、相殺をする側から見たものなのだというところでひっかかっておられるのではないか、と思います。(相殺をする人の「自分」の債権が、「自」働債権です。)
 それと、「相殺」には「する」側と「される」側があり、おっしゃってる記述における「相殺できない」というのは、「する」側が相殺できないということを意味します。ただし、どちらからも「相殺できない」債権債務もあります。

 #1さんの事例の場合、Aが相殺しようとするとき、Aの有する売買代金債権は自働債権ですが、Bが相殺をしようとするときは、Bの有する貸金債権が自働債権となります。
 Aの有する売買代金債権に対して、Bは売買目的物の引渡しとの同時履行の抗弁権を有している(つまりAの債権には同時履行の抗弁権が付着している)ので、Aの側から、AのBに対する売買代金債権とBのAに対する貸金債権を相殺することは出来ません。相殺をすることは、その債権を強制的に回収することと同じなので、Bにしてみれば、同時履行の抗弁権のついている債務なのに、無理やり支払わせられたのと同じになります。Bには、商品を受け取れない危険が生じます。
 これに対して、Bが相殺をしようとするときは、Bの有する貸金債権が自働債権となり、Aの代金債権が受働債権となります。Aの代金債権=受働債権(Bの債務)についてBは同時履行の抗弁権を有していますが、これはAがBに対して負っている目的物引渡債務の履行を促し、Bにとっては商品を受け取れない危険を回避する
大切な役割をしているものですが、それらはもっぱら財産上の利益なので、Bが放棄してもいいと思うのなら放棄は可能です。したがって、Bの側から相殺することは出来ます(同時履行の抗弁権の放棄の意思は、それ自体独立して表示することは必要なく、相殺の意思表示をすれば、そのなかに黙示にふくまれているものとされます。)
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この回答へのお礼

確かに「自働債権」と「受働債権」という概念は、相殺をする側から見たものなのだというところで引っ掛かっていました。 貴方の説明で理解する事が出来ました。 どうも有難うございました。

お礼日時:2005/06/17 07:44

たとえば、AはBに代金債権を持っています。

(Aが売主でBが買主です)

そして、Aはまだ売買の目的物を引き渡していないので、代金債権には同時履行の抗弁権がついていたとします。

他方、BはAに対して貸金債権を持っていたとします。


このとき、Aが相殺することはできません。
なぜなら、Bはその代金債権を支払うことを拒むことができるはずですが、相殺を認めるとBは否応なく支払いを強制されることと同じになるからです。

他方、Bは相殺できます。
なぜなら、Bは自らの有する抗弁権を放棄して、Aに支払うことができる以上、Bが相殺することは任意に弁済するのと同じだからです。

よく、相殺の意義として
自働債権については、支払いを強制するのと同じ。
受働債権については、任意に弁済するのと同じ。

といわれています。
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この回答へのお礼

早速のご回答有難うございました。 参考にさせて頂きます。

お礼日時:2005/06/17 07:40

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