SN1反応は、以下の基質RXのイオン化と中間体カルボかチンの求核種Nu-の2段階反応として表されますが、1、(RX⇔R+ +X- )速度定数:右K1、左K-1 :
2、(R+ + Nu- →RNu ) 速度定数:K2
そのときの反応速度は
速度= K1K2{RX}{Nu-} / ( K-1{X-} + K2{Nu-})
で、表されますが、この式でK2{Nu-}の示す意味を教えてください。
(普通は、{X-} は十分ちいさいので、分母の第1項が無視でき、一次反応となり、
速度= K1{RX} で表されますよね。
よろしくお願いします。
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
質問の内容だけではあなたがどこまで理解しているのか、どの程度のレベルの回答が求められているのか解りません(何処が解らないかを正確に説明するのはしばしば困難な場合がありますね)。
詳しい説明は学部生対象の有機化学や物理化学の教科書に載っていると思いますのでそちらを参照にしてください。以下、簡単の為に電荷表記を省きます。Xを遊離基、Nuを求核剤とします。
RX ⇔ R + X (1)
R + Nu → RNu (2)
式1の正方向の速度定数をk1、逆方向の速度定数をk-1とし、式2の速度定数をk2としましょう。
RNu の生成速度は
Rate(RNu)= k2[R][Nu] (3)
と書くことが出来ます。さらに中間体 R 濃度が常に小さく、その濃度変化を無視できる(=0)と仮定すると
d[R]/dt= k1[RX] - k-1[R][X] - k2[R][Nu] = 0 (4)
式4から[R]= k1[RX]/{k-1[X] + k2[Nu]}、これを式3に代入して
Rate(RNu)= k2k1[RX][Nu]/{k-1[X] + k2[Nu]} (5)
分母分子をそれぞれk2[Nu]で除して
Rate(RNu)= k1[RX]/{k-1[X]/k2[Nu] + 1} (6)
式6において、反応始終 k-1[X]/k2[Nu]が1よりも遥かに小さい値であれば、これを0に置き換えてもRate(RNu)はほとんど影響を受けませんね。すなわち Rate(RNu)= k1[RX]/{0 + 1} = k1[RX] となるのです。
さて、ここで悩んでおられるものと思います。問題とすべきなのはk2[Nu]そのものよりも《k-1[X]とk2[Nu]の相対比》なのですが解るでしょうか?
いろいろな説明があると思いますが今回は以下のように説明します。この系はまず最初にRXからXが遊離してRが発生します。次にRに対して求核攻撃が起きます。このときRとNuが反応して生成物RNuを与える反応と遊離基Xと再結合して原料RXが生じる反応が競争して起こります。これらの反応速度は以下のようにかけます。
Rate(R&Nu)= k2[Nu][R] (7)
Rate(R&X) = k-1[X][R] (8)
そして二つの式で表した値の比こそが《k-1[X]とk2[Nu]の相対比》なのです。
すなわち式7で示した速度が式8の値よりも遥かに大きい場合に限り、Rate(RNu)= k1[RX] となるのです。逆に反応途中でk-1[X]/k2[Nu]が無視できないほどに大きくなった場合には Rate(RNu)= k1[RX] とはならないわけです。
以上のことが教科書にはもっと解りやすく書いてあると思いますよ。教科書の種類によって説明のレベルや量がまちまちですのでなるべく多くの本を参照すべきだと思います。他にも様々な説明の仕方があると思います。
お返事有難うございます。返信が大変遅くなり申し訳ございませんでした。いろいろ教科書調べやはり、この議論で説明されているもの多かったです。
有難うございました。
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