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ケトンやアルデヒドからアセタールを生成させるときに酸を触媒として用いるのはなぜですか?塩基ではだめですか?

A 回答 (4件)

>塩基性条件下では、O-H結合の切断が優先されるのが普通で、求核剤の攻撃によってSN2的に-OHが脱離するというのは、極めて異例なように思いますがいかがでしょうか。



確かにそうですね。
実際にアセタール生成を塩基触媒で行ったという話を聞かないですから、どこかで反応が進まなくなる、そのどこかとはよく考えていくと上の部分ということになるんでしょうね。
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yukimin387さんが、塩基性条件のことを議論して下さっていますので、少しコメントを追加させて下さい。


yukimin387さんのご提案の反応機構はかなりの部分で納得できます。
ただ、現実に塩基性条件でアセタール化が進まない理由は、ご提案の機構の中の(3)にあると思います。
つまり、アルコールのC-O結合が切れるためには、通常、酸触媒や加熱が必要です。塩基性条件下では、O-H結合の切断が優先されるのが普通で、求核剤の攻撃によってSN2的に-OHが脱離するというのは、極めて異例なように思いますがいかがでしょうか。
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#1さんの回答では、塩基ではダメという理由についてわからないと思うので、追加します。



http://www.geocities.jp/junk2515/chem2/chem2_24. …
このページによると、アセタール化の類似反応である水和反応は酸触媒でも塩基触媒でも進むと書いてあります。
酸触媒での反応機構は#1さんの書いたのと同様ですが、塩基触媒としてアルカリ金属の水酸化物などを使った場合、そのURLにも書いてあるように水酸化物イオンがカルボニル炭素を攻撃して二重結合のπ電子が酸素上にきてアニオンとなり、そこへ水素イオンが付加して完結します。

では、アセタール化ではどうか。
酸触媒では#1さんが書かれたのでほぼ合っていると思います。
塩基触媒では、まず塩基として何を使うかが問題になってくるのではないかと思います。
アルカリ金属水酸化物などを使うか、アセタールに対応するアルコールのアルコキシドを使うか、あるいは全く関係ないピリジンのようなアミン系などを使うか。
とりあえず反応機構を考えてみると、
1)カルボニル炭素をアルコキシドが攻撃し、二重結合のπ電子が酸素上に移動しアニオンになる。
2)その酸素にプロトンが付加する(水などがあればそこからプロトンを奪ってそちらをアニオン化する)
3)SN2の要領でアルコキシドがカルボニル炭素を攻撃し水酸化物イオンが脱離する。

塩基としてアルカリ金属水酸化物を使う場合、水とアルコールではアルコールの方が弱い酸なので、アルコキシドは生成しにくいです。
塩基としてアルコキシドを使った場合は、2)のところで溶媒のアルコールとプロトン交換すれば進むように思います。
アミンを使った場合は、アミン自体に求核性があれば、それがカルボニルを攻撃してしまうのでややこしくなりますが、求核性がないものを使えば、まずアミンがアルコールのプロトンを奪い、1)の反応が起こる、2)のところではアミンに配位したプロトンかアルコールとのプロトン交換、ということで一応説明はできます。

一般にアセタール化で酸触媒を使うのは、酸なら普通の無機の鉱酸を使えば問題ないが、塩基触媒では塩基の種類や副反応などを考慮しないといけないからということではないでしょうか。
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塩基ではダメです。


酸による触媒作用の概略は以下の通りです。
詳細は有機化学の教科書などを参照して下さい。
*H+がカルボニル酸素と結合し、カルボニル炭素上に正電荷が生じる。
*その正電荷に対し、アルコールの酸素が求核攻撃し、C-O結合を形成し、アルコール酸素がオキソニウムの形になる。
*その、オキソニウムから、H+がとれ、ヘミアセタールとなる。
*ヘミアセタールの-OHの酸素が、酸触媒によってプロトン化され、-OH2+となる。
*これから、水がとれて、炭素上に正電荷が生じる。
*この正電荷をアルコールが攻撃し、再度、オキソニウムの形になる。
*オキソニウムからH+がとれて、アセタールのできあがり。

・・・というわけで、上のことを式に書いてみればわかると思います。酸触媒の役割は、1)プロトン化によるカルボニル基の活性化、2)ヘミアセタールの-OHをプロトン化して、C-O結合の切断を促す。といったところでしょうか。
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