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統計力学と熱力学って
どんな本を開いても(多少の違いはあれど)同じようなことが書かれていますが
何がちがうんでしょう?
中には「統計熱力学」としてまとめているものも多いです

ついでに、お勧めの統計熱力学の本などございましたら
紹介してください
購入の際の参考にさせていただきます

A 回答 (4件)

前の御二方が仰るように、


・熱力学…マクロスコピックな系に対する現象論的な経験則
・統計力学…力学から出発して定式化

統計力学は、様々な観測量同士の関係式である熱力学を、力学法則から基礎付けようと云う発想から生まれました。

・熱力学は、 10^23 個程度の多粒子系を全体として捉え、そのマクロ量を対象にした関係式を展開しますが、
・統計力学は、系を構成している 10^23 個の個々の粒子の運動から熱力学を再現することが目的であると言っても良いでしょう。

従って、
熱力学で扱う物理量は、
統計力学では、系の Hamiltonian (エネルギー演算子)から出発して、系の熱平衡状態における様々な物理量の期待値として計算します。

但し、統計力学は熱力学を完全には再現できず、逆に統計力学の正当性が熱力学に矛盾しないこととされています。


物理学の本ですが、私が好きな本を挙げます;
熱力学;
「新物理学シリーズ32. 熱力学 -現代的な視点から」 田崎晴明 培風館
「熱力学入門」 佐々真一 共立出版
統計力学;
「統計力学入門 -愚問からのアプローチ」 高橋康 講談社
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この回答へのお礼

多くの本をご紹介くださいましてありがとうございました
さらに演習書まで紹介していたいただけるとはうれしい限りです
さっそく図書館で読みあさってきます

お礼日時:-0001/11/30 00:00

下の「回答」の補足です;



だからと言って、統計力学の価値はいささかも下がりませんし、
物理学の現場では熱力学関係式は統計力学のコンテキストで使っています。
夏力学関係式だけで済む場合も有りますが。

熱力学を前提として統計力学を使っていると云うことで、
「熱統計力学」、「統計熱力学」などの名前も使われるんですね。

人によっては、統計力学は熱力学を完全に再現すると云う人もいますが、
その基礎方程式が一般の場合に量子力学から厳密に証明されていないので、非平衡系の統計力学の分野が活発に研究されています。

物理学の演習書を挙げておきます。ご参考にして頂ければ幸いです;
演習書;
・持っていると箔がつくバイブル的本;
「大学演習 熱学・統計力学」 久保亮五編 裳華房
・解説が丁寧で標準的な演習書;
「基礎物理学選書18 熱学演習 -熱力学」 原島鮮 裳華房
「基礎物理学選書19 熱学演習 -統計力学」 市村浩 裳華房
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懐かしい響きです。


さんざん統計力学を勉強していた頃を思い出します。

簡単に言うと、統計力学(統計熱力学も含む)は原子分子のミクロな性質から、マクロな原子分子が集団でいるときの特性を導き出す学問です。
それに対して熱力学ではあくまで全体としての性質しか扱いません。
たとえば、熱力学上の定積比熱Cvは熱力学ではそのまま与えられる量として使いますが、統計力学ではその数値がこの物質の場合幾つになるのかと言うことを原子、分子の性質から導き出します。

違いはそんなところです。統計力学は数多くの分野に応用されています。ので、どの分野について知りたい化によって望ましい本も変わると思います。
私が使っていたのは、「基礎と応用 統計力学」(森北出版 小暮陽三著)でした。

では。
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この回答へのお礼

なるほど、確かに「統計力学」と「熱力学」の本を読み比べると、確かに話の進め方がそのようになっていました

お礼日時:-0001/11/30 00:00

熱力学とは、経験的に得られた状態方程式を使って、物質の巨視的な性質を現象論的に記述する理論であり、統計力学は原子論的・微視的な物質の理論と巨視的な熱力学とを結びつける理論です。

統計力学では、熱力学では扱えなかった熱平衡状態の性質を扱うことができます。


以上のことは、グライナー物理テキストシリーズ「熱力学・統計力学」W.グライナー他著(シュプリンガー・フェアラーク東京)に書いてあったのをまとめただけですが・・・
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:-0001/11/30 00:00

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