2月に84歳で亡くなった父のことについてお伺いします。昨年の11月に嘔吐、這うこともできなくなり、最初の病院で「万が一のことも考えておいた方が…」と言われ、その日のうちに以前心筋梗塞のカテーテル手術を受けた大学病院へ転送。主治医から、筋力・免疫力の低下、食道カンジダ「一週間から10日(で退院)だね」と言われ、前の病院と大きな違い。直後に重い誤嚥性肺炎、一時危篤状態になり多量の痰。万が一のときの気管内捜管を執拗に迫る。なんとか持ち直したものの、脳幹を主に何カ所も脳梗塞。(誤嚥性肺炎とともに入院前に発症?)完全に飲み込めなくなり、言葉(舌)が不自由で複雑な話は無理。自力の寝返りも打てず。無気肺で右肺下部が潰れて、そこに心臓が移動。最大限の酸素。残った右肺も相当部分が真っ白で、肺がんの可能性もあり。左も肺炎。MRSAに感染プラス3。問題は約二か月半の大学病院入院中、脳梗塞・無気肺・肺がんの可能性・MRSA・15枚のレントゲン写真など重要なことがすべて隠され、転院先の老人病院で知ったということです。入院後39日目まで説明に応じてもらえず、しかも嚥下困難の原因については「特発性」の一言だけ、肺炎の見通しは聞いても答えず、無気肺のレントゲン写真は見せず、軽い肺炎のものにすり替えて一枚だけ見せる。説明が一切ないままIVH。7~8人の白衣を着た人による付け替えが難航し、父は「三時間も腹の中を掻き回された」と泣いて私に訴え、ひどい痛みのため精神に異常を来しました。意識のしっかりしていた父は人工栄養を強硬に拒み、末梢点滴・抗生剤・鎮静剤のみ。家族も同じ考えのため尊厳死を選択したかたちになり、病院と対立しました。質問は、父の病状でIVHと経管栄養を拒否したことの是非と病院の対応について、些細なことでも結構ですので、できるだけ多くの方の意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
要するに全身ボロボロだったんでしょう。
明るい材料が何も無いようです。これ以上頑張らせる方が酷ですよ。人間の最後はそういうものですよ。一般の方は一生に一度のことでよく理解できないこともあるでしょうが、毎度毎度付き合う医療者からみたら不毛極まりない。最初からそう思うわけではありません。何度も何度も頑張ってみてやっと分かるんです。正直、僕も悪性脳腫瘍の最終末期患者に三日間付っきりで400万使った事もあります。何をやっても結局本人を苦しめるだけです。こういう状態に対する治療を医学的無益と言います。日本では困った事に法律家でも安楽死と混同する傾向がありますが全く似て非なるものです。こういう状態に対する無益な治療は行うにしても保険適応外にすべきだと思います。現状は7割以上保険が利いています。平均寿命以上の天寿を全うして、立派にお子さんも育て上げて、最期に家族も一緒に居て、幸せな人生以外の何者でもないじゃないですか。人はいつか死ぬ。それは釈迦牟尼の昔から変わらない人間の業なんです。
参考URLの記事をみて思うところが有られたら補足してください。
この問題は質問者に限らず普遍性の有る重要な問題だと思って長文でご返事しました
参考URL:http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n26 …
この回答への補足
inogeさん回答ありがとうございます。
専門家の見立てもやはりボロボロですか。一つはそれを確認したかったのです。私も「父の内蔵はボロボロだった」という表現をよくつかいます。
質問の前に「OKWeb」上の過去の関連項目もかなり読んでみたのですが、尊厳死のような問題は、患者・家族の数だけ疑問と答えがあって、医療技術の発展に伴って線引きの線の位置がずれるだけで永久に続くと思いました。ですから父の病状を最大限盛り込んで個別の判定を仰ぎたかったのです。
こういう問題は患者・家族にとってはまさに「一生に一度」なのですが、父の入院した循環器内科病棟では日常的な光景と思われます。ところが主治医に「延命治療の差し控え・中止」を訴えると、「そんな要望は初めてだ」というような反応で、なかなか認めてもらえないのです。(もちろん「そんな要望は…」と口にしたわけではなく、全体の印象です)今日も全国で患者・家族が死ぬような思いをして「不毛な」やりとりが行われているのでしょうか。
もう一つの疑問は重要な情報を患者・家族に隠してまで治療を続けようとする病院側の意図です。病院側の強引とも思える延命治療に対して、医学的に誠実なものではなく、意図が別のところにあると感じてしまったのです。(私の性格の良くないところかもしれません)
参考URLはどこからかのリンクで最近読んだことがありますが、読み直してとても参考になりました。私は「尊厳死」という言葉を遣いにくく感じていたのですが、「医学的無益」「延命治療の差し控え・中止」はとてもしっくりきます。
全体にかみ合わない補足になってしまい申し訳ありません。
No.5
- 回答日時:
KAAZ先生のご意見に賛成です。
経過をまとめてみました。84才、男性
既往症:心筋梗塞
昨年の11月に嘔吐、這うこともできなくなり近医受診、紹介で大学病院に入院。
入院時診断:筋力・免疫力の低下、食道カンジダ
直後に重い誤嚥性肺炎、一時危篤状態になり多量の痰。右無気肺、左肺炎、MRSA感染合併
*1:万が一のときの気管内捜管を執拗に迫る。
多発性脳幹梗塞の合併
完全に飲み込めなくなり、言葉(舌)が不自由で複雑な話は無理。
*2:問題は約二か月半の大学病院入院中、脳梗塞・無気肺・肺がんの可能性・MRSA・15枚のレントゲン写真など重要なことがすべて隠され、転院先の老人病院で知ったということです。
*3:しかも嚥下困難の原因については「特発性」
*4:意識のしっかりしていた父は人工栄養を強硬に拒み、末梢点滴・抗生剤・鎮静剤のみ。
*5:家族も同じ考えのため尊厳死を選択したかたちになり、病院と対立しました。質問は、父の病状でIVHと経管栄養を拒否したことの是非と病院の対応について
==========
まずはお父様のご冥福をお祈りいたします。
詳細がないため推測がどうしても混じってしまいますがご了承ください。本文の経過の途中につけたしるしにそって私なりの判断を書きたいと思います。
*1:肺炎の場合、重篤になると呼吸が出来ません。気管内挿管ができないと「窒息」することになります。急激な発症の(誤嚥性)肺炎の場合は、挿管しないと逆に問題になる可能性があります。挿管や気管切開をしないということは、「いつでも急に窒息していいです」ということに等しいと思います。「いいです」、といわれても「窒息」は10分もかかりませんから、ご臨終にご家族がお会いできないことが多いので、とても難しい選択です。
*2:検査結果や経過についてはご本人、ご家族が知る権利があり、医師側には説明する義務があると思います。疑問点がありましたら担当医師にご確認いただいてはいかがでしょうか?
*3:高齢の場合の嚥下困難は突発性の場合が確かにあります。また多発性の脳幹梗塞を起こしている場合は、やはり嚥下困難が出てくる場合があります。
*4:ご本人の強い希望ですので、医療行為の中止もやむをえないでしょう。
*5:「尊厳死」といえるかどうかは分かりません。ただ、この状況ではKAAZ先生のおっしゃるように末梢の点滴だけでは栄養が不十分ではありませんから、IVHや経管栄養の拒否は、「餓死」を選択された事になると思います。大学病院は、「現状を回復させる」というのが病院としての大きな方向性だと思います。死生観のちがいとは思いますが、医療サイドとしてはかなり厳しい選択だと思います。
最終的に、ご家族とご本人が同じ意見で同じ終末期を迎えられたのはとてもよかったのではないでしょうか。皆様方の心の平成が一日も早く訪れることを願っております。
この回答への補足
>…ご臨終にご家族がお会いできないことが多いので、とても難しい選択です。
私は何十年もずっと良い親子関係で、今回の入院中も家族が交代で毎日病院へ泊まり、24時間父についていた日も相当あって、私自身は病院と家が半々の感じでした。病院には相当迷惑をかけたと思います。ですから臨終に立ち会う立ち会えないなどと考えたことはありませんでした。呼吸器をつけているということは意識がないのだろうし…。それよりも、天寿を全うした高齢者の最期に、呼吸器をつけることに驚きを感じてしまいます。こういう思いは個人差が大きいのでしょうね。
>疑問点がありましたら担当医師にご確認いただいてはいかがでしょうか?
長文の手紙で具体的に指摘したのですが、エライ人の連名で数行の返事があり「今後注意する」とだけありました。
>…死生観のちがいとは思いますが、医療サイドとしてはかなり厳しい選択だと思います。
この問題はそれぞれの死生観が非常に大きく関係している、と分かったことが大きな収穫です。
見ず知らずの私のために貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。
juns777さん、回答だけでなく整理までしていただき感謝いたします。
KAAZさんのところで説明させていただいたような訳で出直そうかと思います。いろいろとご心配いただきありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
先ずは御父様のご冥福をお祈り致します。
さて、医師―患者間の契約というのは、民事でいうところの単なる「有償の準委任契約」です。
患者さんや御家族から委任された医師(&その医師の補助者としての看護師等)が、本人達の代りとして、専門技能や知識を用いて、医療サービスを提供する契約に過ぎません。
ですから、「本人やその後見的立場の方が充分考えた上で拒んでいる医療行為」を強引におこなう事は、たとえ医師であっても許されるものではなく、それは傷害罪を構成する犯罪行為です。
救急等の際に、この患者さんは助かりたい・良くなりたいと思っているに違いない という解釈のもとでおこなわれる医療行為と本件は趣を異にします。急を要するが本人に同意の確認が取れない場合は、命や健康状態という「護るべきもの」を医療的に守るために、患者さんから推定的同意を得たことにする という解釈をします。
ただし、これはあくまで、本人や後見人が合理的判断をおこなえない状態であることが明らか(裁判所から予め禁治産者である証明が出されている等)とか、時間的に考える時間が無い場合に限定されます。
お馬鹿な医師は、医療行為を行うかどうかは医療側が判断するものだと思っていますが、医療というのはサービス業のひとつに過ぎません。依頼者である患者サイドの希望を無視して勝手に身体的侵襲行為をすることは出来ません。
次に、経管栄養とIVHを拒否したことについてです。
末梢血管からの栄養だけですと、充分な栄養量を補給出来ませんので、次第に身体は「枯れて」いきます。
栄養が足りないまま命を失うことは、すなわち「餓死する」という事です。
確かに延命処置を拒む権利を患者さんは持っていますが、医療従事者としては、見ていて耐えられません。
最高の療養環境が整っていたとしても、どんな良い薬を用いたとしても、生き続けるためのエネルギーである「栄養」が不充分では、「絶対に」全身状態は改善しません。
私としては、
患者さんに軟らかく煮たゴハンを全介助で食べさせて差し上げる行為と、管を用いて胃や腸に流動食を流し込んであげる行為とのあいだに、これといった違いを見出せません。
人工栄養に対峙する「自然な栄養」というものの定義は、ゴハンを自分の手で口に運び、自前の歯で咀嚼して、唾液も充分混ざって嚥下され、自分の分泌する酵素によって消化され、腸が快調に機能して 吸収・蠕動・排泄すべて薬に頼らないでおこなうことなのでしょうか?
それぞれの患者さんにはそれぞれの生き方があって、考え方も千差万別なのは承知しているつもりなのですが…
延命のための「栄養」を殆ど拒みながらも、酸素や薬の療法を否定しないという考え方は、今のところ私には理解出来ません。
たとえ治る可能性が僅かだったとしても、その可能性に賭けて 最大限の応援をするのが医療に携わる者としての努めだと思っています。
本件のような医療処置拒絶事例については、「御本人&御家族に充分理解して貰えるよう説明出来ない自分の無能さ」が嫌でたまりません。
御父様は2月にお亡くなりになられた とのことですので、貴方が既に精神的安定を取り戻している という解釈のもとに私見を書き込ませて頂きました。もし不快に思われる点がございましたらお許しください。
御本人をはじめ皆様が熟考して導き出した結論というのは「正しい選択」に他なりません。病院の対応には腹立たしい点も多いですが、故人と貴方を含む御家族が一丸となって、同じ方向性の中で終期を迎えられました事は、本当にヨカッタ!と思います。
この回答への補足
遅くなりましたが、これからもこのQ&Aを読まれる方がいるかもしれないので補足させていただきます。
>「本人やその後見的立場の方が充分考えた上で拒んでいる医療行為」を強引におこなう事は、たとえ医師であっても許されるものではなく、それは傷害罪を構成する犯罪行為です。
そうですね。父が受けたIVHの場合、拒むとか拒まないという以前に知らされないという問題がありました。つまり、知らないものは拒みようがない、ということです。
一度目の付け替えで相当痛い目に遭ったことを訴えたのですが、二度目で限界を超える痛みを与えられた父は、ちょっとしたことにも「痛いよう痛いよう」と異常に怯え、子供みたいになってしまいました。
二度目の後、主治医は病室にきて「血管が細くて入らなかった」と言うのですが、それでも私たちは中心静脈栄養(IVH)という言葉自体も知らされず、主治医が点滴だと言うので普通の点滴だと思っていました。そのくらい説明がおろそかにされていました。それは、おろそかというよりも意図的に隠して行った、としか思えないのです。
IVHを高齢者に行うことを問題視する専門家は少なくありません。
延命の方向であれば、説明をせずになにをやっても許されるのか、という憤りを病院には感じます。
>私としては、患者さんに軟らかく煮たゴハンを全介助で食べさせて差し上げる行為と、管を用いて胃や腸に流動食を流し込んであげる行為とのあいだに、これといった違いを見出せません。
大きな違いの一つは苦痛の有無だと思います。父は鼻からの痰の吸引は手で払いのけて拒否してしまうので経鼻経管栄養はまったく現実的ではありません。経験者(五十歳代)の話も聞きましたが、思い出すのもいやだと言っていました。とくに排痰時に耐え難い苦痛があるそうです。痰の吸引が欠かせない父にこれを行ったら拷問以外のなにものでもないと思いました。胃婁の問題点も専門家の方がよくご存じだと思います。
もちろん私はそれらを全て否定つもりはなく、父のような先のないボロボロの高齢者に行うことを問題にしています。
>延命のための「栄養」を殆ど拒みながらも、酸素や薬の療法を否定しないという考え方は、今のところ私には理解出来ません。
おっしゃるとおりです。専門家による同様の指摘をWeb上で複数読んだことがあります。この不自然さは父の枕元に座っていれば、肌身で感じます。病院への手紙でも書きました。しかし主治医と治療方針をめぐって対立(冷戦状態)してるような状態では、相談や要求がとてもむずかしいのです。いくら不自然と思われる治療でもそれを拒否すると、病院側を怒らせてしまいます。
IVHを拒否してからは末梢点滴を行うかどうかが大きな問題だと思ったので、主治医に尋ねたのですが「点滴をまったく行わないと脱水症状を起こし飢餓状態になって苦しむ」と言われました。しかしこれは間違いで「経口的摂取が不能になり体内の水分が不足して脱水状態になると、肺などの体内の浮腫が軽減されて、点滴などを実施するよりはるかに苦痛が少なく楽に死ねる」というのが最新の説のようです。(額田勲 『いのち織りなす家族』97頁、103頁)
>本件のような医療処置拒絶事例については、「御本人&御家族に充分理解して貰えるよう説明出来ない自分の無能さ」が嫌でたまりません。
もともと説明のつかないものかもしれません。
私はあのとき父に対して経鼻経管栄養を行おうとしていた医師や看護師には憎しみの感情を押さえられませんでした。それをもっとも積極的にやろうとしていた看護師は、態度や眼差しが厳しく、私たちの選択に相当な不満を持っているようでした。それは家族の一致した見方です。
逆に父にとくに優しく接してくれる看護師さんが何人かいらっしゃったのですが、その方たちは決して経鼻経管栄養を勧めたりはしないのです。
つまり単純化すれば、父に冷たい人は(治療をして)父を救う(?)方向にあって、父に優しい人は(治療をせずに)父を死なせる(?)方向にある、ということになります。
この辺にこの問題を考えるヒントがあるような気がします。
KAAZさん回答ありがとうございます。尊厳死のような問題は、患者・家族の数だけ疑問と答えがある、と書いたのですが、けっきょく「延命治療の差し控え・中止」を認めて欲しいと思ったら、そのような医師の元へ行くしかないのか、と考えるようになりました。少なくとも大学病院はやめた方がよい、と思います。私の質問の立て方が悪くてご迷惑をおかけしました。
たとえば…
>末梢血管からの栄養だけですと、充分な栄養量を補給出来ませんので、次第に身体は「枯れて」いきます。
栄養が足りないまま命を失うことは、すなわち「餓死する」という事です。
確かに延命処置を拒む権利を患者さんは持っていますが、医療従事者としては、見ていて耐えられません。
これに対して…
……不可逆的に経口摂取不能に陥った状態」が存在する。
この状態では,生存のためには補液や人工栄養が不可欠で,それが施されなければ老衰死=脱水死を迎えることになる。脱水死は苦痛が少なく,体の醜い変化も伴わず,ある意味で理想的な死に方である。
こんなものが検索すると出てきます。しかし素人の私が、これをどうだ、とやっても意味がないように思います。
いずれ質問の形を変えて挑戦してみたいと考えています。親切に答えていただきありがとうございました。
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