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普通、光学異性体と言ったら不斉炭素原子を持つものという風に高校で習ったのですが、不斉炭素原子を持たなくても光学異性体になるものがあると最近聞きました。どのような場合にそうなるのか教えてください。

A 回答 (3件)

ようは、鏡に映って右手と左手の関係(決して重なり合わない関係)になれば、すべて光学活性体なのです。



不斉炭素原子を持つということは、一つの十分条件でしかありません。

不斉炭素原子を持つこと以外では、軸不斉中心を持つことや、面不斉中心を持つことが、光学活性体の十分条件になります。軸不斉中心や面不斉中心を持つ化合物の例は、w-palace さんや DexMachina さんの示されている通りです。

折角ですので、これまでの過去ログにほとんど登場していなかった、別の光学活性体についても紹介します。

それは「反転対称心を持たない磁石」です。鏡映面を持っていても構いません。

磁石という物質は、鏡に映すとN極とS極が入れ替わります。信じがたいかもしれませんが、鏡の中の世界では、右ねじの法則が左ねじの法則になり、ローレンツ左手の法則がローレンツ右手の法則になることと似た現象だと理解してください。

鏡によって極性が反転し、構造が反転できない場合、右手と左手の決して重なり合わない関係になります。よって光学活性体です。

なお、このような光学活性体は「磁気光学活性体」と言います。対して前者は「自然光学活性体」と言います。
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置換基がそれぞれ異なる二級又は三級アミンも光学異性体になりますし、金属錯体(特にキレート)などにも光学異性体のものがありますね。


(単純に、不斉炭素の炭素の位置に、窒素原子や金属原子が入ったと思ってもらえば理解しやすいかと)

また面白い(?)ところでは、ベンゼン環が螺旋状(バネ状)に縮合環を形成したヘリセン(helicene)というのもあります。

以下、絵だけ眺めてもらえばOK(失礼)
http://www.wakayama-u.ac.jp/~osuga/helicene.html
http://www.geocities.jp/junk2515/omosiro/omosi_0 …
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よく知られた例としては、立体障害などの影響で単結合が回転できない場合(アトロプ異性)があります。


たとえば、2001年にノーベル化学賞を受賞された野依良治先生が開発されたBINAPと呼ばれる化合物(配位子)において、2個のナフタレン環をつなぐC-C結合が回転できないために、光学異性体が存在します。
このことを利用して、種々の有用物質の合成が可能になったことが評価されました。

http://www.kochi-u.ac.jp/~tatukawa/edu/semc3/200 …
http://www.chem-station.com/yukitopics/noyori.htm

それ以外にも置換アレン(R-CH=C=CH-R)や、2個の環状構造が1個の炭素を共有する構造の化合物(スピロ化合物)等があります。
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