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アントラキノン類などのキノン類にアルカリを入れると深色効果により色が濃くなると習いました。

塩を作ることにより二重結合の数が変わり、共役が長くなるためだと聞きましたが、なぜ塩を作ると共役が長くなるのかわかりません。

どのような原理なのでしょうか?よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

図を簡単にするためキノンで説明します。



キノンでは、共鳴はカルボニルの立ち上がり(C=O → +C-O-)が起点になります。
この場合、一旦左側の炭素に正電荷を置くと、連続した形で右側の炭素に正電荷を
移動させることができません(→一旦、元のカルボニル炭素上に正電荷を移動させて
からでないと、右側の二重結合の炭素に正電荷を置いた共鳴式を描くことができない)。
このことは、左右のC-C二重結合が共役していないことを意味します。

  O
 ||  (ケト型)
/\
||   ||
\/
  ||
  O

  ↑
  ↓

  O^-
+|
/\
||   ||
\/
  ||
  O

  ↑
  ↓

  O^-
 |   (エノール型)
//\
|  ||
+\/
  || 
  O

一方、キノンにアルカリを作用させた場合は、一方のカルボニルの酸素が負電荷
を帯び、他の炭素が正電荷を帯びた状態が、共鳴の起点となります。
この結果、左側の炭素から右側の炭素へ、連続した共鳴式を描いて正電荷を
移動させることができます。
つまり、この場合は、左右の炭素が共役していることになり、キノンの場合に比べ
共役系が伸びていることになります。
(並べる順序が変わるだけなので、式は省略)


アルカリを作用させる前のキノンでも、同じ式は描けますが、重要なのは、
『ケト-エノール互変異性の平衡は大きくケト型に偏っている』ということです。
このため、通常のキノンでは、エノール型は共鳴の起点とならないわけです。
一方、アルカリを添加した場合にはエノール型が生じることにより、
それを起点とした共鳴(→共役系の延長)の寄与が大きくなり、
結果として深色効果が現れることになります。


*厳密には、共鳴に「ケト-エノール」の語を使うのはふさわしくないと思いますが、
 便宜的に使わせていただいています。
(なお、平衡については「ケト-エノール」で問題ありません。ややこしくてすみませんが)
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この回答へのお礼

図を使い丁寧な解説ありがとうございます。

ケトンの左右のC-C二重結合は普段は共役していなくて、アルカリを添加すると共役できるようになるんですね。わかりました^^

どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/12/27 00:40

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