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硫酸を触媒としてイソペンチルアルコールと酢酸を160℃で45分間加熱して酢酸イソペンチルを作ったのですが加熱後の溶液が濃い赤紫色になりました。この色の原因は何なのでしょうか。精製する過程で赤紫は水層のほうに残りました。エステル化の裏で、アルコールに濃硫酸が作用して脱水が起こりエーテルやアルケンができたとしたらそれが関係してるのでしょうか。

それと、イソペンチルアルコールは塩化ナトリウムと化合物を作って水層に分離するのでしょうか。

A 回答 (4件)

> エーテルやアルケンができたとしたらそれが関係してるのでしょうか。



原因物質の特定はできませんが、関係している可能性は高いと思います。
ただ、単純にエーテルやアルケンになっただけでは発色はしないので、それらや原料がさらに反応して共役鎖が延びるか、電荷移動錯体を形成しているのではないでしょうか。

> イソペンチルアルコールは塩化ナトリウムと化合物を作って水層に分離

分液の際に使用する塩化ナトリウムは、塩析効果によって油層と水層を分離させやすくするために添加しています。アルコールと塩化ナトリウムは、通常は反応しません。
ところで、使用したイソペンチルアルコールは、酢酸よりも少ないモル数ではありませんでしたか?
そうだとすれば、酢酸が過剰にしたことで、イソペンチルアルコールの残量ごく少量だと思います。(であれば、大部分は水層に溶け、油層には殆ど残っていないと考えられます)
なお、過剰の酢酸は、水に易溶ですので、水層に分離します。
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この回答へのお礼

DexMachinaさんのおっしゃるとおり、酢酸は過剰量でした。
塩化カルシウムとエタノールが化合物を作って水層に分離するという似たような事例があったので、それと同じ効果だと思ったのですが…。
共役鎖、電荷移動錯体、初めて聞きました。もっと勉強しなくては。

お礼日時:2005/10/22 22:57

No.1です。



すみません、赤紫色の原因ですが、共役鎖の延長という意味では、酢酸の寄与が大きい可能性があります。
つまり、酢酸のメチル基の炭素が、カルボキシル基の炭素に求核攻撃を行って、酢酸分子が連なっていく、という反応です。

 2CH3CO2H → CH3C(OH)2-CH2CO2H → CH3C(OH)=CHCO2H + H2O
 CH3C(OH)=CHCO2H + CH3CO2H → CH3C(OH)=CHC(OH)2-CH2CO2H → CH3C(OH)=CHC(OH)=CHCO2H + H2O

このような物質であれば、共役鎖(単結合と多重結合が交互にある鎖)の長い化合物ができるので、着色の原因となる可能性があります。
また、カルボキシル基を持つので、水層に移るのにも納得できます。
但し、それ以外のものができている可能性も考えられますので、特定はやはり難しいと思います。
(上の反応が実際に起きるかどうかは、酢酸と硫酸だけで加熱する実験をしてみれば確認できると思いますが)
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この回答へのお礼

詳しい説明ありがとうございます。
反応後の溶液に炭酸ナトリウム水溶液を加えたら赤紫色が水層に残ったのですが分離後、色が薄くなってました。弱酸遊離反応で酢酸の共役鎖が切れたと考えるべきでしょうか。

お礼日時:2005/10/22 23:11

No.1,2です。



> 塩化カルシウムとエタノールが化合物を作って水層に分離

そうですね、カルシウム塩の場合は、アルコールなどと錯体をつくるので、アルコールの分離に使用しますね。
ただ、ナトリウム塩はそういうことはないので、この場合はあくまで水層と油層が分離しやすくするために使います。


> 分離後、色が薄くなってました。

着色原因が共役によるものであれば、その切断によるものと考えていいと思います。
ただ、着色の原因をそれと断定できないので、その消色の理由が本当に正しいのかとなると、さらに・・・(汗)
(比較的短い共役分子(→可視光吸収なし)が電子受容体となって、電荷移動錯体を形成して着色、という可能性も考えられますので)

・・・不確かな回答ですみません。


なお、「共役系の切断」は、「単結合と多重結合の交互配列」が崩れればいい、つまり途中の多重結合の1ヶ所が単結合になればいいので、必ずしも酢酸にまで再分解される必要はありません。
(一旦生成したC-C単結合は、それほど簡単に切れるものではないので)
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この回答へのお礼

何度もありがとうございます。とても参考になります。
酢酸と濃硫酸だけで加熱する実験をしてみたいのですがなかなか機会がありません。先生にお願いしてみようと思います。

お礼日時:2005/10/23 12:58

回答になっていないかもしれませんが、ルイス酸、プロトン酸に関わらず、基質に酸を加えたときに着色することはよくあります。


温度を高くしたり反応時間を長くするとなおさら起こりやすくなります。酸の場合には、今回のように赤紫とか、赤とか、青っぽい色になることが多いように思います。もちろん、例外はあるでしょうが・・

それならば、原因物質は何かというと、「わからない」ということになりますし、「気にしない」というのがお約束のようなものです。
すなわち、着色の原因物質は極めて微量のことが多く、構造を明らかにしたり、生成過程を突き止めるのが困難であると思われるからです。

そう言うわけで、ここから先は想像の世界です。
まず、1つの可能性として、不安定な中間体の可能性があります。つまり、カチオン性、あるいはラジカル性の中間体が生じていると、その着色が見えることがあります。
ただし、これらが原因であれば、反応溶液に水を加えたりしたときの消失する可能性が高いので、すくなくとも重要な要因ではないように思います。

ご指摘のように、濃硫酸によるアルコールのプロトン化は起こりうることだと思います。特にこのような高温では、アルケンなどを生じる可能性も否定できません。
しかし、アルケンにしろエーテルにしろ無色でしょうから、着色の説明にはなりません。

根拠は乏しいですが、仮にアルコールがプロトン化され、アルケンの生成や、それに対するアルコールや硫酸の付加、環化、空気酸化等を経由して酸素を含むヘテロ環化合物でもできているのではないかという気がします。オキソニウム構造をもつものであれば、着色や水溶性についても説明できると思います。
まあ、極めてわずかしか起こらない副反応であり、生成過程は不明なものでので、根拠もないに近いようなものです。

いろいろと書きましたが、着色に関してはあまり気にしない方がよいと思います。好奇心に水を差すようで申し訳ありませんが、種々の有機化学反応において起こることで、気にしすぎると先に進めなくなってしまいます。
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この回答へのお礼

色々な可能性を考察してくださってありがとうございます。
まだまだ化学の初心者で、もっと単純なことだと思っていたのですが色々と複雑な副反応が起りうるものなのですね。そのことが分かっただけでもよかったと思います。
実際にちゃんとエステルの同定はできたわけですし、おっしゃる通り気にしすぎると重要な部分の考察ができなくなってしまいそうです。
全部終わったあとにもうちょっと調べてみます。

お礼日時:2005/10/24 12:37

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