最近の小説でよく引用される小説を教えてください。
例えば、東野圭吾の『幻夜』に「スカーレット・オハラのような女性」というくだりがあります。『風と共に去りぬ』についてまったく知らなかったため、読みながらずーっと引っ掛かりを覚えました。
あるいは、瀬名秀明の『BRAIN VALLEY』では、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』の考えが重要なスパイスになっていて、これを読んでいるかどうかで感動の深さが変わると思います。『利己的な遺伝子』は近年本当によく引用されているという印象です。
ただ名作として名高いというのではなく、最近の小説を読む上で読んでおいた方がよいと感じる小説を教えてください。理由も添えていただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
No.4です。
>「フランソワーズ・サガンのインタビュー集」をぜひ読んでみたいと思います。具体的にこれという本を示して頂けると嬉しいです。もしお分かりでしたら、よしもとばなな、瀬戸内寂聴、山田詠美がどこで触れていたのかも教えてください。
書名は『愛と同じくらい孤独』
続編が『愛という名の孤独』
邦題より、フランス語の原題だという「回答」とか「即答」のほうが内容的には合っていると思います。
サバサバして小気味良い。
新潮文庫で出ていたのですが、今は売ってないかもしれません。
古本なら入手可能。
作家の人たちがどこで言っていたのかは忘れてしまいました、ごめんなさい。
>『カラマーゾフの兄弟』はいつかは読もうと思っていた作品ですので、さっそく読んでみます。村上春樹のどの小説にこれは出てきたのでしょうか?
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』だったと思います。
その後、HP掲載のエッセイや読者との対話をまとめた「村上朝日堂・夢のサーフシティ」などでも言及されています。
サーフシティーのほうは、まさに『カラ兄』を読んでからでないと分からない話です(内輪の笑い話みたいな感じで)。
『世界の終わりと・・・』には、ちょっとタイトルが出てくるぐらいだからストーリーには直接関係はないのですが。
『カラマーゾフの兄弟』は岩波文庫でも出てますが、個人的には、新潮文庫のほうが訳やフォントが新しくて読みやすいと思いました。
『世界の・・・』既読ですね...。『カラ兄』に触れられていたのかは記憶にないですが、それもあって私の「読みたいリスト」にリストアップされているのでしょう。
ご紹介頂いた新潮文庫の『カラ兄』を読んでから、『世界の・・・』を読み直してみたいと思います。
『村上朝日堂・夢のサーフシティ』は変わった本ですね。もっと村上春樹を読んでからのほうが楽しめるかな? 様子を見て入手しようと思います。
ありがとうございます。
No.7
- 回答日時:
『カラマーゾフの兄弟』が出ていて気が付いたのですが、最近の(最近に限らないとは思いますけれど)ミステリー系作家の小説はドフトエフスキーの『罪と罰』をモチーフにした作品が多いように思います。
例えば・・・東野圭吾の『手紙』。『容疑者Xの献身』や現在ドラマ化されている『白夜行』なんかもそんな感じがします。
伊坂幸太郎の『重力ピエロ』、『グラスホッパー』はもっと直球で『罪と罰』が出てきますね。
他にも真保裕一の『繋がれた明日』、貴志祐介の『青の炎』、貫井徳郎の『神のふたつの貌』なんかもきっと作者は『罪と罰』読んでいるんだろうな思います。
そういえば映画「ローレライ」の冒頭でいきなり『罪と罰』の解釈をやりとりするシーンがありましたけれど、福井晴敏の原作『終戦のローレライ』にそのシーンがあったかどうか覚えていなくてちょっと気になっています。
既読だと思いますが、村上春樹の『海辺のカフカ』には文字通りカフカの作品『城』『審判』『変身』『流刑地にて』が出てきて主人公の「僕・カフカ」と大島さんがカフカ論を展開する場面がありましたね。
村上春樹自身が既に「村上チルドレン」と呼ばれる若手作家達(作家名はあえて伏せます、検索すれば出てきますので)に大きな影響を与える存在になっているみたいですけれど。
また、村上春樹の『羊をめぐる冒険』があのハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの『長い別れ』をヒントに創作されたことは有名ですね。チャンドラーの同シリーズ『大いなる眠り』はハンフリー・ボガート主演で映画化されヒットしました(邦題『三つ数えろ』)。
ドフトエフスキーやカフカと同じくらい邦人作家の小説に出てくるのがカミュの『異邦人』という印象があるのだけれど、今、思いつくのは片山恭一の『ジョン・レノンを信じるな』くらいかな・・・。
カミュで面白いなあと思ったのは、山田詠美の『ぼくは勉強ができない』の中でカミュのことを「お酒の種類じゃなかたっけ・・・」とかカミュのどの作品が好きかと聞かれた友人が足を骨折していたせいで「シーシーシュポシュポシュポ・・・」とどもってしまって「なんだ、汽車ポッポか」とバカにされる場面がありました。山田詠美は作品の中でそれ以上触れていないのがかっこいいなあと思った記憶があります。おそらく『シーシュポスの神話』のことで思わずニヤリとしてしまいました。
最近の若手作家、特に女性作家は太宰治の影響というか太宰の文体をうまく昇華しているのかなとも思います。綿矢りさの芥川賞受賞作『蹴りたい背中』の中で、キモオタクの「にな川」について、いきなり「ちょっと死相でてた。」なんて表現がでてきて『人間失格』を連想させられドキッとしました。
大変丁寧な回答ありがとうございます。
『海辺のカフカ』は良かったです。その影響でカフカ『変身』を読みました。本から離れてしまいますが、イサム・ノグチ展でもカフカに関連した作品があり感動しました。ただ『変身』があまりに名作で、一気に読み終えてしまったのですが、グロくて吐き気を催し・・、次の作品に手を出せずにいます。ご紹介頂いた作品を読んでみたいと思います。
『青の炎』も既読です。ただ『罪と罰』は未読です。『青の炎』はかなり感動したのですが、きっとtachan28gooさんは感動できて僕には分からない部分があっただろうと思うと残念でなりません。これは早急に読まなければいけませんね。
『人間失格』も『蹴りたい背中』も既読ですが、「ちょっと死相でてた。」でドキリとはなりませんでいした。悔しい。
丁寧な回答本当にありがとうございます。感激しました。ご紹介頂いた本を早速読み漁りたいと思います。
No.5
- 回答日時:
No.3です。
>小説化したような読みやすいシェイクスピアの本
というわけでこれなんかいかがでしょうか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4001145 …
有名どころが一通りそろってるんでいいと思いますよ。
ご紹介頂きありがとうございます。
「原典のたいせつな表現を生かしながら書き下ろした物語。」というまさに僕の望んでいるものです。こういう回答を頂けると質問して本当によかったと思います。ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
回答にはなりませんが、
読んでいる小説の中に出てきた時点で、「それってどんな話?」と元の本を読んでみると、読書範囲が広がります。
そのときそのときで出会うごとに読んでいけばいいと、私は考えています。
私は村上春樹の小説の中に出てきた影響で、『カラマーゾフの兄弟』を読みました。
それと、小説の作者の傾向にもよりますよね。
作者が好きな作家を出してくるでしょうから。。
小説でなくて対談やエッセイでですが、よしもとばななと瀬戸内寂聴と山田詠美がそれぞれ別のところでフランソワーズ・サガンのインタビュー集のことを言っていて、「おお、みんな読んでるんだ、あれ」と思いました。
自分が(たとえば、10940さんが)好きな世界を追求していくと、どこかで重なるというのもあるみたいですよ。
私は臨床心理士の河合隼雄先生が好きで、それとまた別に、村上春樹さんとと中沢新一さんとよしもとばななさんが好きだったら、いつの間にやら、それぞれの人が河合先生と対談本を出していた(笑)
つながってるんだなあ、と思いました。
回答ありがとうございます。
まさにafter_8さんのおっしゃる広がりを求めています。地道に広げていくのはもちろん、人に聞いちゃうともっと広い世界を得られると思って質問させて頂きました。
「フランソワーズ・サガンのインタビュー集」をぜひ読んでみたいと思います。具体的にこれという本を示して頂けると嬉しいです。もしお分かりでしたら、よしもとばなな、瀬戸内寂聴、山田詠美がどこで触れていたのかも教えてください。
『カラマーゾフの兄弟』はいつかは読もうと思っていた作品ですので、さっそく読んでみます。村上春樹のどの小説にこれは出てきたのでしょうか?村上春樹も好きなので知らずに先に読んでしまうよりは、『カラマーゾフの兄弟』を読んでからその小説を読みたいと思います。そのほうが深く共感できると思うのです。
No.3
- 回答日時:
小説ではないですが、戯曲なんかも結構引用されますよね。
シェイクスピアなんか特に(笑)。
戯曲は読みにくいので実は読んでいないのですが、あらすじ程度は知っておくようにしてます。
メーテルリンクの『青い鳥』だって原文が戯曲らしいですが、実際に読んだことはないですし。
回答ありがとうございます。
シェイクスピアは僕も何度も挫折しました。ほぼセリフだけというのが馴染みません。いつかは原文の翻訳を読みたいと思っています。
とっかかりに小説化したような読みやすいシェイクスピアの本をご存知の方紹介していただけると嬉しいです。(あらすじなら百科事典を引けばすむので、(あらすじではなくあくまで全部を読みたいです)
No.1
- 回答日時:
一番引用が多い物語は「旧約聖書」「新約聖書」でしょうね。
小説、戯曲を問わず最もよく登場します。その状況を比喩するときに多く用いられます。罪を犯した人を「カイン」と呼んだり、性的なものを「禁断の果実」と呼んだり。
というわけで、別に私はキリスト教徒じゃありませんが、「聖書物語」とか「旧約聖書を知っていますか」などの聖書入門書をおすすめします。聖書のストーリーを理解すると美術品なども理解できて楽しいですよ。
回答ありがとうございます。
確かにそうですね。いま読み終えた『 左手に告げるなかれ 』(渡辺容子)でも聖書の一節が引用されていました。特に西欧文学、美術においてはギリシャ神話、シェークスピアよりも重要な基本中の基本ですね。
『新約聖書』
http://www.cozoh.org/denmo/
こちらはだいたい読みました。
『旧約聖書』もこの手のもの、つまり原文の翻訳かそれに近いものを探しています。ご存知の方おりませんか?
旧約はかなりの量があるそうなので、部分的に原文の翻訳があり、残りはあらすじという本が理想かもしれません。
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