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ヒッタイト帝国と鉄器について学んでいて疑問に思ったことが2点ありますので、どなたか詳しい方、回答くださると幸いです。

1.なぜ鉄器の方が青銅器よりもすぐれていると言われているのか

2.それぞれの古代文明圏のどこに、青銅器の原料となる銅の鉱山があったのか。

1については、
「鉄の方が硬度が高い」「銅に比べて、鉄鉱石の方が入手しやすい」が答えかと思っているのですが、青銅の「さびにくい」「融点が低く加工が容易」という視点に立つと、決して鉄に劣らない金属だと思えてしまいます。

2については、
四大文明の近辺に銅鉱やすず鉱があったのか疑問に思いました。例えば、古代エジプト文明周辺の銅鉱・すず鉱は地図帳を見る限り、アナトリア半島の奥地やザンビア・コンゴのカッパーベルトにしか見つかりません。

A 回答 (6件)

現代人にとって鉄なんて何も珍しくも無いし、原料に鉄鉱石が使える事を知っていますが、もしも知らなかったらと考えてください。



人類が製鉄を発明するまでは自然界に存在した鉄は隕鉄のみです。隕鉄なんて地球外から飛来するものですから、黄金などよりもずっと希少性の高い金属でした。

金銀銅鉛錫などは地殻含有率がどうであろうと、科学技術を持たなかった人類にとっては発見しやすいマテリアルであって、そもそも金属として存在しない鉄鉱石など“存在していないのと等価”です。


ところで1について、優劣の基準が示されて無いので答えようがありませんけど、基準は一体なんですか?

2については私は知りませんが、近くに鉱山がある必要が無いのは冒頭に書いた通りです。

それから蛇足かもしれませんが、現在日本の大規模製鉄ではオーストラリア産鉄鉱石などを用いていますが、たたら製鉄で用いる原料は磁鉄鉱です。鉄は赤い鉄鉱石から作ると思いこんでいるのも常識の落とし穴です。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

1の質問の仕方が悪かったですね。申し訳ありません。
自分が聞きたかったのは、
「四大文明を初めとする古代文明の金属器利用の変遷が、なぜ青銅器→鉄器の順なのか。鉄器の方が生活や統治にとってすぐれているとすれば、それはどんな点なのか。」
ということです。
高校世界史の教科書を参考にする限り、これら文明圏がすべて青銅器→鉄器の順に変遷しているので、疑問に思ったのです。

もしご存知ならば、ご回答くださるとありがたいです。

補足日時:2006/03/19 18:53
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一方が相手の鎧を貫く槍を持っているのに、相手側の槍が敵の鎧をつらぬけなかったら戦いはどうなったでしょう?



一方的な戦いになってしまうと思います。
また、青銅は、鉄に比べ柔らかな金属ですから、農作業などでも磨耗が早かったり、木を切るにしても、効率がだんぜん違ってきます。

アッシリアが古代において大帝国を作りえたのは、攻城兵器の量産が可能であった事も理由です。
木を切り、攻城櫓を組んだり、投石器などを素早く造る事ができたのも、鉄器の使用によるところです。

また、akkun_febさんご指摘のとうり、銅やスズは、産出場所が限られ、どこでも生産するわけにはいきません。
それに対し鉄は、はるかに入手が簡単であるため、製鉄の技術さえあれば、多量の兵器や工具を造れる事も利点となっています。

産地は知りませんが、銅の場合、緑色の石に微量に含まれていますから、それらを精錬して取り出していたと思えます。
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この回答へのお礼

なるほど。戦争においては武器防具の硬度の差が、そのまま戦力の差につながるわけですね。
また、木材の伐採によって攻城兵器を充実させることができることは、気づきませんでした。

ありがとうございます。

お礼日時:2006/03/19 19:02

1については「銅に比べて、鉄鉱石の方が入手しやすい」でしょう。


初期の鉄器は青銅器に比べても質がいいとはいえないものでした。つまり質ではなく量、コストの問題です。実際、戦国末期、秦の青銅武具は他国の鉄製の武具に劣ったものではなかったといわれています。
青銅器時代は、金属製の武具をそろえられるのは基本的に一握りのエリートだけでした。それ以外の、今まで金属製の武具を使えなかった歩兵たちにも鉄器が行き渡った軍隊が、それ以前の軍隊に比べて強いというのは容易に想像できると思います。

2については1にも関連するのですが、しばしば自国の勢力外にしか銅・錫の鉱脈がないため、交易に頼らざるを得ず入手が不安定だった、という面も青銅から鉄へと移行する要因の一つではなかったかと思います。
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この回答へのお礼

なるほど。
質より量と考えると、鉄器文明が強大だった理由や青銅が鉄に取って代った説明がつきますね。

古代の製鉄法でつくった鉄は鋼でなく銑鉄の状態なんで、青銅よりももろいんじゃないかな~と思ってました。
質より量の論理で考えれば、その欠点をカバーして余りある価値があることが分かる気がします。

ありがとうございました。

お礼日時:2006/03/21 23:04

最初の質問文では加工性が価値基準のように書かれていましたが、そのようなフツーの基準なのですね?



古代人にとって鉄は現代人にとってのプラチナのような融点の壁を持っています。
鋳鉄であっても鉄が融けるのは1250℃辺りですので、炉を使わずに1000℃も出すのは困難で、融点が800℃台の青銅でないと鋳造が不可能だった。
隕鉄しか知らなかった人類にとって、鉄の価値を知りながら鉄を作るなんて事は“錬金術”だったのです。(蛇足ですが、先に書いた通り、製鉄の無い時代の鉄は金よりもはるかに鉄の方が希少性が高く貴重なものだった)
そして、まぁ、人の業なわけですが、夢の素材『鉄』がとっても欲しくてたまらない人類は錬金術を発明するのです。最初は融点まで加熱する方法がわからず、融かさずに叩いて鉄を作っていたので質も生産性も実用面では先行技術である青銅に追いつけなかった。それでも夢の素材『鉄』を手に入れるためにあらゆる改良や発明を繰り返し、鉄の品質や生産性を高めて行ったのです。

なぜ鉄器が優れているのかとの問いですが、そのような場合の見るべき価値というものはそこにあった鉄器その物の品質ではなくて、それを作った人々の文化文明です。
その鉄を作り出す事の出来る(出来た)文明が優れているという事です。金銀はそれこそ天然に金属で産出しますが、鉄は人類がはじめて金属でない原料から作り出す事に成功した金属素材であって、鉄前・鉄後は狩猟採集時代から畜産・農業を手に入れたのと同じ程のインパクトのある進歩なのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
製鉄法の重要性を感じることができるご回答でした。
金よりも鉄の方が高価だった時代があったんですね…勉強になりました。

お礼日時:2006/03/21 23:12

 青銅器って、鋳造でしょう? 古代中国の巨大な青銅器の製作を再現する様子や、あるいは日本の寺の鐘を造る様子をTVで見たことがあるけど、それは大変な作業でしたよ。

まず最初に鋳型を造らなければならないから。

 鉄の最大の利点は鍛造ができることだと思いますよ。輸出するにしても、青銅だと鉱石のままかあるいは製品でないと出来ないけど、鉄はそんなことありませんからね。

 さらに青銅は鋳物なので、銅を溶かすために1100度の熱が必要ですが、鉄の場合は溶解しなくても7~800度の熱で可鍛鉄を得さえすれば、後は熱して鍛造できます。武器のように細長くて鋭利なものを作るにはこちらの方が適しています。折れても接合したり付け足したりが可能ですから。ちなみに鉄の溶解には1525度が必要です。

 というわけで、単純に必要な温度という点から見れば、青銅よりも鉄の発見の方が早くても不思議ではないわけですが、古代のある天才的な人が鉄の発見以前に銅とすずの合金の最適な比率(があったと思う)を発見したために、それがまたたく間に広まってしまったというわけです。
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この回答へのお礼

なるほど。
鋳造か鍛造かの違いですか。
簡単に高温をつくりだせない古代にあって、低い温度で加工・修復ができることは、重要な要素ですよね。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/03/21 22:58

1.青銅器の堅さは軟鉄の堅さとほぼ同じです。

鋼鉄はこれよりもさらに堅くすることができます。青銅は錫の量を多くすると堅くなりますが、脆くなります。しかし鋼鉄は堅くかつ粘さも持たせることができます。これらのことは鋼鉄が熱処理によって幅広い特性を持たせることができるからです。素材としては鋼鉄のほうが格段に利用価値が高いのです。また、No.5さんの言われる鍛接できるという点も大きな魅力です。
 さびの問題は残りますが、黒皮による防食や日頃の手入れである程度は克服できます。青銅もさびない訳ではありませんから似たようなものといえそうな気もします。

2.銅の鉱山は四大文明発祥地の比較的近くにあります。エジプトはシナイ半島、メソポタミアはイランやトルコなど。錫はまだ謎に包まれているようです。トルコにある貧弱な錫鉱脈を利用していたとか、初期の頃にはアフガニスタンからではないかとか言われています。

http://www.kuzuha-tc.jp/~archmetal/
このサイトがある程度参考になると思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
銅山が近くにあったのですね。
鉄の解説についてもありがとうございました。どうやら古代でも鋼鉄は作れたようですね。ずっと古代の鉄=銑鉄だと思ってました…

お礼日時:2006/03/23 21:15

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