No.6ベストアンサー
- 回答日時:
ケースバイケースですので、一概にどうとは言えませんし、税制の改正や、財産の価額の変動、財産そのものの変動等によって、変わってくるものでもありますし。
ただ、税制も、財産の価額も、財産そのものも何の異動もなく、全く同じ条件で2回に渡って相続されると考えれば、一般的には、ご質問文の前半の方法による方が相続税の全体の負担は少なくなるものと思います。
その理由は、ひとつは他の既に書かれていますが、遺産にかかる基礎控除額が2回目の相続の方が1人減る、という事がありますし、それに加えて、相続税は所得税等と同様に超過累進税率により課税されますので、1回あたりの課税される財産の価額が少なければ少ないほど、税率も低くなるためです。
仮に、全く同じ条件として、遺産総額(課税価格の合計額)が2億円、子供が2人と仮定します。
1回目の相続時に、法定相続分で相続する方法を【A】として、1回目の相続時に全額を配偶者が相続する方法を【B】として、それぞれ計算してみます。
【A】
1回目(父が被相続人)
1.課税価格の合計額 2億円
2.遺産に係る基礎控除額 5千万円+1千万円×3(法定相続人の数)=8千万円
3.課税遺産総額 1-2=1億2千万円
4.相続税の総額
(1)妻 1億2千万円×1/2=6千万円
6千万円×30%-700万円=1100万円
(2)子A 1億2千万円×1/2×1/2=3千万円
3千万円×15%-50万円=400万円
(3)子B (子Aと同様の計算) 400万円
(4)合計 (1)+(2)+(3)=1900万円
http://www.taxanswer.nta.go.jp/4155.htm
5.各人の算出税額
(1)妻 1900万円×1/2=950万円
(2)子A 1900万円×1/2×1/2=475万円
(3)子B (子Aと同様の計算) 475万円
6.配偶者の税額軽減
妻 2億円×1/2=1億円<1億6千万円 ∴1億6千万円
1900万円×1億円(注)/2億円=950万円
(注)1億6千万円>1億円 ∴1億円
http://www.taxanswer.nta.go.jp/4158.htm
7.申告納税額
(1)妻 950万円-950万円=0円
(2)子A 475万円
(3)子B 475万円
(4)合計 (1)+(2)+(3)=950万円
2回目(母が被相続人)
1.課税価格の合計額 1億円
2.遺産に係る基礎控除額 5千万円+1千万円×2(法定相続人の数)=7千万円
3.課税遺産総額 1-2=3千万円
4.相続税の総額
(1)子A 3千万円×1/2=1500万円
1500万円×15%-50万円=175万円
(2)子B (子Aと同様の計算) 175万円
(3)合計 (1)+(2)=350万円
5.各人の算出税額
(1)子A 350万円×1/2=175万円
(2)子B (子Aと同様の計算) 175万円
6.配偶者の税額軽減
なし
7.申告納税額
(1)子A 175万円
(2)子B 175万円
(3)合計 (1)+(2)=350万円
1回目と2回目の相続税負担合計額 950万円+350万円=1300万円
【B】
1回目(父が被相続人)
1.課税価格の合計額 2億円
2.遺産に係る基礎控除額 5千万円+1千万円×3(法定相続人の数)=8千万円
3.課税遺産総額 1-2=1億2千万円
4.相続税の総額
(1)妻 1億2千万円×1/2=6千万円
6千万円×30%-700万円=1100万円
(2)子A 1億2千万円×1/2×1/2=3千万円
3千万円×15%-50万円=400万円
(3)子B (子Aと同様の計算) 400万円
(4)合計 (1)+(2)+(3)=1900万円
5.各人の算出税額
(1)妻 1900万円(全額相続のため)
(2)子A 0円(相続なし)
(3)子B 0円(相続なし)
6.配偶者の税額軽減
妻 2億円×1/2=1億円<1億6千万円 ∴1億6千万円
1900万円×1億6千万円(注)/2億円=1520万円
(注)1億6千万円<2億円 ∴1億6千万円
7.申告納税額
(1)妻 1900万円-1520万円=380万円
(2)子A 0円
(3)子B 0円
(4)合計 (1)+(2)+(3)=380万円
2回目(母が被相続人)
1.課税価格の合計額 2億円
2.遺産に係る基礎控除額 5千万円+1千万円×2(法定相続人の数)=7千万円
3.課税遺産総額 1-2=1億3千万円
4.相続税の総額
(1)子A 1億3千万円×1/2=6500万円
6500万円×30%-700万円=1250万円
(2)子B (子Aと同様の計算) 1250万円
(3)合計 (1)+(2)=2500万円
5.各人の算出税額
(1)子A 2500万円×1/2=1250万円
(2)子B (子Aと同様の計算) 1250万円
6.配偶者の税額軽減
なし
7.申告納税額
(1)子A 1250万円
(2)子B 1250万円
(3)合計 (1)+(2)=2500万円
1回目と2回目の相続税負担合計額 380万円+2500万円=2880万円
以上により、このケースでは、圧倒的にAの方法の方が、税負担が少なくて済む事となります。
もちろん実際はケースバイケースですので、この通りになるとは限りませんが、最初に書いた二つの理由(基礎控除額の1人減と超過累進税率)、とりわけ超過累進税率の影響により、一般的にはAの方法の方が税負担が少なくて済む結果とはなります。
(その度合いは、課税財産の総額や配偶者の税額軽減との絡みで、それぞれケースによって違いが出るものとは思いますが)
はぁぁ、具体的な例をありがとうございます。
それもこんなに詳しく(^^;)
理解できてきました。
あとはもう少し予備知識をつけて、再度じっくり
拝読させていただきたいとおもいます。
質問させていただいた事の答えもみつかり感謝です。
No.10
- 回答日時:
配偶者の相続税減額の特例があります。
これを使うと今回の相続での相続税は、質問者が人もうらやむセレブでない前提では、ゼロになるでしょう。参考URL見て下さい。No7さんの計算結果を流用すると、資産インフレ、資産デフレが無いとすると
【母がすべて相続】相続税額=0
このあと母が死亡したときは、
課税対象額 =1 億-(5千万+1千万×3) = 2千万円
相続税額 = 2千万×10% = 200万円
合計相続税額200万円
【法定どおり相続】相続税額 = 1千万×10% = 100万円
ただし母親分=0だから50万円
このあと母が死亡したときは、
課税対象額 =5千万-(5千万+1千万×3) = 0円
相続税額 = 0円
合計相続税額50万円
>今更ですが、母に一旦全て相続させるということを
考えにいれはじめたのには、金銭的なこととは別の理由があったのです。
相続財産が1億の場合、節税できる額が1.5%ですから、相続税の節税より考えるべきことは沢山あるでしょう。
私の義兄の家族の場合、全財産を長男に相続させたら長男の嫁との折り合いが悪く、長男が母親を放り出してしまって、次男から5男までも同様に母親を放り出しましたから、その母親は賃貸マンションで孤独死という最悪の結果になりました。
これを横目で見ていた我が家は、父、母、私(長男)協議の上、全財産母親相続にしました。兄弟姉妹反対しましたが、「父親の意思」ということでで通しました。
やはり「母親の面倒を見る子が相続上有利な扱いを受ける」としないと、嫁、夫の協力は得られず、結果母親のみ地獄の苦しみを味あうのが現実でしょう。
血のつながった兄弟姉妹は結束できても、嫁・夫という所詮赤の他人の利害がからみますから、相続問題は一筋縄にゆかないでしょう。
私(長男)は母親の面倒を嫁共々最後まで見ましたから、母親と相談の上、全財産の9割を私が相続、残りを兄弟姉妹に分配する公正証書遺言状を作り、母親に公証役場に行ってもらい、登録しました。
兄弟姉妹全員が「遺産は法律通り欲しい。母親の面倒は長男が負うべき」みたいになったらオシマイでしょう。
そうならないように、私は父母と話合い、争族とならない先手を打ちました。
質問者のなんらかの参考になれば幸いです
参考URL:http://www.taxanswer.nta.go.jp/4158.htm
ありがとうございます。
ご回答者さん、大変でしたでしょうね。
ご兄姉のてまえ、その決断を実行されるのは
簡単なことではなかったでしょう。
強い信念と家族全員への思いやりがあってこそ
なせることだと思います。
わたしの場合は、ご回答者さんとは事情が違いますが
でも、やはり同じようなことも考えに含めて検討を
しております。
今回初めてこういったことをいろいろ検討していく中で
いろんなことを考えさせられています。
家族とは、親子とは、兄妹とは、本当の思いやりとは、
優しさとは、エゴとは・・。
出来る限り、家族全員がこれまでと同じように平和に
やっていける最善の方法を選択したいと思います。
アドバイスをありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
↑此処でシュミレーションができます。
参考URL:http://www.jabankosaka.or.jp/pb/pb/sim/output-ea …
No.8
- 回答日時:
再び#6の者です。
#7さんの回答と合わせて、まとめさせて頂きますと、遺産の総額が比較的少ないケースでは、遺産に係る基礎控除額による影響が大きくなり、遺産の総額が大きくなるに連れ、超過累進税率による影響が大きくなる、という感じかと思います。
ご質問者様のように、それぞれの事情により、税負担には関係なく、いったん配偶者に全額相続させるケースも実際にあったりしますので、総合的にお考えになられてご判断されたら良いものと思います。
何度もご回答いただいてありがとうございます。
わかりやすくまとめていただいて感謝しています。
おっしゃるとおり、税負担の問題とは別に、出来る限り
優先させたい事柄がありまして、そのバランスを
どこでとるか、その為の基礎知識を得たくて
質問させていただきました。
ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
>でもそれはいろんな状況により影響されるので…
だから、税制の変更や不動産の価値低下など、および父母より子供が先に死ぬなどのことは考えないという前提での話ですよ。
仮に、父の遺産が 1億円、相続人が母のほか子供3人としましょうか。
【法定どおり相続】
課税対象額 =1 億-(5千万+1千万×4) = 1千万円
相続税額 = 1千万×10% = 100万円
このあと母が死亡したときは、相続税額 ゼロ。
父のときと母のときとを合わせても 100万円の納税ですみます。
【母がすべて相続】
課税対象額 =1 億-(5千万+1千万×4) = 1千万円
相続税額 = 1千万×10% = 100万円
このあと母が死亡したときは、
課税対象額 =1 億-(5千万+1千万×3) = 2千万円
相続税額 = 2千万×15% - 50万 = 250万円
父のときと母のときとを合わせると 350万円となり、法定どおりの場合と比べれば 3.5倍にもなります。
本当に何度もすみません、ありがとうございます。
わかりやすく説明していただいて理解できました。
今更ですが、母に一旦全て相続させるということを
考えにいれはじめたのには、金銭的なこととは別の理由が
あったのです。(すごく長くなるので書きませんが)
しかし、それにはなにか問題があるのだろうか?
税金的には大きく差があるのだろうか?と思ったのです。
親身にご説明いただいて、問題を判断する知識を
与えていただきました。感謝します。
No.5
- 回答日時:
>でも一家全体として考えた場合、父から母に相続した時に既に一人分控除を受けていれば、このご説明は当てはまらない…
【このご説明は当てはまらない】
? ? ? ?
【父から母に相続した時に既に一人分控除を受けて】
この考え方が違っています。
父の遺産がいったん母に全額相続され、さらに母から子へ相続されるときには、母がその財産をどうやって得たかなどは全く関係ありません。
父のときに一人分控除を受けたなど、母から子への相続に何ら影響しません。
度々ありがとうございます。
多分わたしに理解力が不足しているのと、あまりに
知識が欠けているために説明して下さっていることが
理解できないんだと思います。
恐縮です、ごめんなさいm(__)m
私が聞きたかったことは、
父親の死後の段階で、母と子で相続するのと
一旦母が全て相続して、先で母の死後に子供が母から
相続する場合で、支払う税の総額に差があるのか?
どちらが徳なのか?
ということを、私(子供)にとってどっちが徳なのか?
ではなく、○○家全体にとってどっちが徳なのかを
知りたかったのです。
でもそれはいろんな状況により影響されるので
一概にはいえないんだとわかりました。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
#2です。
ページが表示されなかったようで申し訳ございません。
http://www.taxanser.nta.go.jp/4105.htm
(相続税がかかる財産)
http://www4.ocn.ne.jp/~iwst/tax-m.htm
(相続税の速算表)
No.3
- 回答日時:
>全体で見た場合どちらが相続税は特なのでしょうか?
一概にいえません。
単純に全額預貯金として、利息分の増加もない、つまり金額が同一として、税制の金額も変更がないという仮定で考えますと、相続税非課税枠は相続人数が多い方が非課税枠が大きくなるため、普通に二段階で相続した方が節税になるでしょう。
ただ相続するものの中にたとえば建物があればそれは古い方が価値は落ちますので、たとえばビルを所有しているようなケースですと妻が一度相続した方が安くなる可能性はあります。
あとは税制の変更とか土地の価値の変動など、色んな要因があるのでなんともいえません。
そうですよね。
私のした質問の条件からでは、その間に制度や
財産の増減、価値の変動といろいろ予測できない
ことがありますよね。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
相続されたものは何ですか?
現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものに課税されます。
相続する人数が増えた場合、課税額は増します。
http://www.sekine-k.co.jp/seminar/souzoku.html(相続税の速算表)
http://www.taxanser.nta.go.jp/4105.htm(相続税がかかる財産)
不動産取得税と固定資産税を混同する事が多いですが、全く別物です。
「不動産の取得」については、相続や法人の合併とも非課税です。
「不動産の取得」というのは不動産の所有権の取得を意味します。
既存住宅 自己居住用のみ 法人不可
・居住部分の床面積 50~240平方メートル→経過年数により控除額は異なる
・宅地 宅地比準土地→登録価格の1/2
不動産取得税の本則の税率は 100分の4ですが、土地・住宅の取得は、平成18年4月1日~平成21年3月31日の3年間は 3% です。(住宅以外の家屋の取得は平成18年4月1日~平成20年3月31日の2年間は3.5%。)
参考URLで、質問者様の家族状況や所有財産と、将来の贈与案を入力することにより、相続税・贈与税の総額を試算することができます。
また、相続税は還付できるものもあります。
参考URL:http://www.tkcnf.or.jp/zeimu/sozoyo/
ありがとうございます。
意外にといいますか、やはりといいますか
ケースによって様々なんですね。
リンクも参考にさせていただいて、勉強してから
また質問させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
相続税の基礎控除額は、相続人の数によって違ってきます。
父の遺産がそのまま増減なしに母の元に残っていたとしても、相続人は少なくとも1人は減っていますから、基礎控除額も少なくなり、相続税は多く払わなければならなくなるということです。
相続税の基礎控除額は、
5,000万円+1,000万円×相続人数
です。
相続財産がこれより少なければ、ご質問の方法でも別にどうこう言うことはありません。
相続税について詳しくは国税庁の「タックスアンサー」をご覧ください。
http://www.taxanswer.nta.go.jp/index2.htm
すいません、まったくの素人の発想で恐縮なんですが
質問させてください(^^;)
>相続人は少なくとも1人は減っていますから、
>基礎控除額も少なくなり、相続税は多く払わな
>ければならなくなるということです。
このご説明は、私(子供たち)にとっては
控除も少なくなり相続税が高くつくということですよね?
でも一家全体として考えた場合、父から母に相続した時に
既に一人分控除を受けていれば、このご説明は当てはまらない
ですよね?
リンク先も参考にさせて頂きます。
ありがとうございます。
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