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人類はいつごろから井戸を利用しているんでしょう?

一万年くらい前の人は、井戸を掘っていたのかどうかで、悩んでいます。

お助けください。

A 回答 (3件)

 


  井戸というものは、一種の技術である訳で、何時頃から人類を井戸を製作する技術を持っていたかという話になります。考古学的な遺跡が残っていて、何時頃の時代からあったという話もあるでしょうが、井戸のような技術になると、遺跡があるので、この時代辺りからと必ずしも云えない点があります。遺跡として残っていない井戸があるはずだからです。
  
  人類が言語を使い始めたのは何時頃かと言う問題に幾らか似ているところがあります。文字言語がない時代について、どうやって、言語の存在を確認するかは、間接的な証拠からの推論といことになります。化石古人類の系統についても、骨格の構造的近似などから色々な説があるのと、似たような話になります。
  
  前置きはとまれ、「井戸」と「泉」は英語などだと同じ言葉が使われていることがあります。硬い岩盤を何十メートルも掘削して造った井戸などは、それ故遺跡としてなお残っているのでしょうが、こういう井戸には、非常に高度な「技術」が必要になります。石をどう掘削して穴を掘るのかという問題以外にも、色々な技術的問題があります。
  
  井戸と泉の関連を述べたのは、実は、この二つは、自然の原理からすれば、同じものだと云えるからです。その原理というのは、深さや、水の種類は色々であっても、両方とも、地下水脈が「地表」に姿を現し、水を地面のなかから供給している(自然的根拠を持つ)施設だと云えるからです。
  
  泉の水、大規模だと、湧き出し水が造っている小さな池ほどの「水飲み場」というのは、人類が現れる1億年以上前から、中生代の動物なども利用していたと思えます。泉というのは、地球物理的な自然なもので、古くから存在したからで、それを利用する生物も多数いたのです。無論、人類の祖先も大いに利用したことでしょう。
  
  「井戸」と「泉」の違いと言うのは、自然的に水が湧き出しているのが「泉」で、人間あるいは高等霊長類などが、「技術」で、その水の出方や、水の貯蔵性、水の浄化方法などを工夫して、少しでも手を入れると、これが「井戸」になります。井戸は深い井戸もあるのですが、浅い井戸もあるのです。非常に浅くて、自然に地表に湧き出していたのが自然の泉なのです。
  
  井戸の起源というのは、泉の水の貯蔵性を増やすとか、湧出量をもっと上げようとか、浄化性を高めようと、技術的に泉に手を加えた時がその開始時点だということになります。湧き出しては、また土に吸い込まれていては利便性が悪い訳で、そこで、泉の場所の土を掘り、深さ0.5メートルでも1メートルでも、土を掘って、浅い小さな池を造ると、砂質の土壌のなかから水が湧き出、この小さな池に溜まります。堀た池が崩れないように、周りに適当な大きさの石を並べて、泉を囲み、泥で濁った水を汲み上げ除いて行くと、やがて、底の砂が綺麗なものになり、非常に透明で美しい水の小さな泉になります。これは、泉でしょうが、実はすでに井戸なのです。
  
  もっと深く掘って、水を確保するとか、ある季節になると水が出なくなるので、深く掘ってみると出てくるとかいうようにして井戸の掘削が始まるのでしょう。また、自然のわき水などない場所でも、地下水脈についての経験的知識があれば、どの辺りを掘ると、水が湧いてくるかということが、見当を付けることができます。これは水脈発見の技術とも言え、ダウジングというのは、無意識の総合的な判断能力で、水脈が地下にありそうな場所を見いだす技術だとも云えます。つまり、根の深い植物が、辺りに群落を造っているとか、近くに山が見え、そこの位置は盆地の底のような地形で、地下に水脈がありそうだということは、或る程度判断できるのです。
  
  湧き水や自然の泉のなかった場所を掘って、泉が出現するなら、この泉は、人間の技術で造った「井戸」だということになるでしょう。崩れないように石などで回りを囲んで補強しても、ごく原始的な井戸だと、砂に埋もれたり、枯れたりして忘れられると、何か分からなくなるということになります。しかし、「井戸」の掘削や、水浄化や貯蔵や、井戸の保持の技術などは、この段階で基本的なものは揃っていることになります。もっと高度な技術が必要な井戸は、もっと後になるとしても、最初期には、こういうものが井戸であったのです。
  
  では、こういう井戸の技術は何時頃からあったのか、岩盤を何十メートルも掘削するような井戸があった時代より、もっとずっと古いと考えるのが自然です。自然の泉に少し手を入れると、それが井戸になるのだからです。
  
  一つの考えとして、農耕技術が開発され、定住居住地が発生し出す頃に、この技術の確立の時期を考えることができます。獲物を追っての生活だと、水源は無論重要ですが、泉があればよいということになります。しかし、農業技術と定住が成立し、集落が成立するためには、水源を自然の泉に頼っていただけでは、無理なはずなのです。人口増加の必要に応じて、水源の確保が重要になり、家畜のための水も重要ですし、農業を営むための水源も必要です。
  
  水に恵まれた場所で、農業生産集落が成立したのだとしても、オアシスの農業や牧畜とは少し違う訳で、近くに川があるとしても、水の利用施設というものが必要になります。或る程度の定住人口のある集落では、管理された水源が必要になるのだと云えます。管理された水源というのは、川や自然の泉というより、広義の井戸の施設ということになります。泉から水路を造って水を引いてくる技術があるなら、泉自体にも改良の手を入れるだろうということになるからです。
  
  そうすると、井戸は、人類が農業技術を実用化し始めた時期、定住集落を造り始めた時期には、すでに存在した技術だということになります。また、それ以前の狩猟採集生活でも、泉に手を加えた井戸や、元々何もない処に地下水源を想定し、掘って造った泉=井戸があってもおかしくないことになります。組織的農業ではなく、菜園的な農業なら、もっと古くからあったと云えるからです。また、石を扱い、それで建造物を造る技術だと、イギリスのストーンヘンジや、北欧の巨石建築物に見られるように、数万年過去に遡ります。
  
  とまれ、農業技術の組織的利用が始まり、定住集落が生まれた頃には、井戸の作製技術はあったと考えるのが自然です。農業の組織的定住集落は、古いもので、紀元前6千年から7千年とされます。紀元前8千年にも遡る可能性があります。つまり、大体1万年ぐらい前には、井戸の技術はあったということが出てきます。定住集落遺跡に、灌漑水路の類があったのであれば、井戸があったことは間違いないでしょう。泉に何らかの加工を行ったのが井戸の出発のはずだからです。
  
  少なくとも、1万年前には、井戸の技術はあり、それ以前の氷河期でも、氷河に被われていなかった地域では、原始的な井戸の技術があった可能性があります。
  
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この回答へのお礼

懇切丁寧な回答、おそれいります。
参考になりました。

お礼日時:2002/04/20 12:24

手許の百科事典によると、現存する最古の井戸は、4000年前のエジプトのヨセフの井戸で、50メートルと40メートルの2段に掘られ、合計90メートルの深さがある、のだそうです。

「現存する」って今でも使われているってことなんでしょうかね? 中国でも数千年前から井戸はあったらしい。また日本では、弥生時代の井戸の遺構が見つかっているそうです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2002/04/20 12:23

ここは参考になるかと思います!↓



参考URL:http://www.fujiclean.co.jp/story/vol09/part102.h …
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2002/04/20 12:22

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