アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

単刀直入ですが、磁化曲線はなぜ磁界の強さと磁束密度で表されるのでしょうか。
コイルに磁束を生じさせるためには、起磁力が必要である。電流があるところには磁界があり、磁束が考えられる。このため起磁力を電流で表すことができることから、電流の大きさを→起磁力の大きさに置き換えることはわかりますが、さらに磁界の強さにまで置き換えるのなぜでしょうか。
(いろいろな図書を見ますと、磁界の強さは、単位強さの正磁極をおき、これに作用する磁力の大きさと説明したり、単位長さあたりの起磁力と説明したり・・・どのように結びつくのでしょうか。)
 また、縦軸はなぜ磁束ではなく磁束密度にするのでしょうか。
質問ばかりですみませんが、コイルでは磁界の強さと磁束密度は比例するが、鉄心を入れると磁気飽和が起こるのでしょうか。

A 回答 (3件)

>鉄心を磁化しようとする力は、起磁力が同じでも、磁気回路の長さによって異なる。


>そこで単位長さあたりの起磁力を考え、これを磁化力という・・・つまり磁界の強さ(H)になると説明があります。

抵抗だけの電気回路の関係式に対応させて磁気回路の関係式を式的に整理した結果、起磁力Vm, 磁気抵抗Rm, 磁束Φmをそれぞれ順に、起電力V, 抵抗R, 電流に対応させたわけです。

(一様な磁性体の閉じた環状磁性体で成立する関係式)
起磁力Vm=N×I (N:コイル巻数,I:コイルに流れる電流)
    =H×l (H:磁界の強さ, l:磁気回路の長さ)
この式で磁気回路の長さl=1とした時、起磁力Vm=H(磁界の強さ)となりますが、これを磁化力と名づけたのでしょう(一般的呼称としては使われていません)。起磁力があって、その式からH(磁界の強さ)を磁化力名づけたのであって、磁化力があって、起磁力が定義されたわけではありません。

磁気抵抗Rm=l/(μS) 
(l:閉じた磁気回路の長さ, S:磁気回路の断面積, μ:透磁率)

と定義すると
Vm=Rm・Φm
という関係式が成立するということです。
電気回路の関係式
V=R・I
に対応するというわけです。あくまでも式的な仮想の概念です(こじつけと考えても良いかも知れません)。

>鉄心を入れない場合は、磁化曲線は単純に比例するのでしょうか。
鉄心を入れない場合は
B=μo・H
μoは真空の透磁率で、空気の透磁率と殆ど同じなので、空気の透磁率の代わりにμoを使います。
真空や空気中ではμoは単なる定数で、磁気飽和やヒステリシス特性はありません。BとHは単純な比例関係にあります。

参考URLに詳細な説明があります。 

参考URL:http://ufcpp.net/study/em/circuit.html#ID0EHCAC
    • good
    • 0
この回答へのお礼

たびたびのご説明ありがとうございます。
電磁気は難しいですね。
簡単に理解するコトは難しいですが、あまり専門的な知識を必要とせず
わかりやすく説明している参考図書(電気工学全般に)などはないものでしょうか。
高校レベルで・・・

お礼日時:2007/05/09 22:42

>磁化曲線はなぜ磁界の強さと磁束密度で表されるのでしょうか。


材料の磁化物性を、材料の形状に依存することなく、永久磁石の良し悪し、トランス鉄心材料の良し悪し、磁気テープの記憶特性の良し悪しの評価や材料間の比較がしやすいからです。

>磁界の強さにまで置き換えるのなぜでしょうか。
本当はアンペールの周回積分の法則やビオサバールの法則を使って簡単に磁界から電流が計算できれば言い訳です。その積分が簡単にできないため磁束密度や磁束を介在(橋渡し)させて簡単にコイルを電気回路素子として簡単に使えるようにしたわけです。
また、磁束と磁界の関係B=μH
の比例係数の透磁率μが磁性体の磁化のされやすさを表し、鉄心の性能(少ないい巻き数で変換効率の良いトランスが作れる)評価の尺度として都合が良いからでしょう。磁気飽和も直接表現でき、電流と磁界は密接な関係にあるのにかかわらず、特殊なケース(円形コイルや直線電流など)を除き、直接関係式で結べない磁気飽和現象の存在のために、磁束密度を介在させているわけでしょう。

>縦軸はなぜ磁束ではなく磁束密度にするのでしょうか。
B-H曲線は材料の磁化物性を表す曲線です。材料の形状がかかわる磁束で磁化特性を材料間で比較できません。そのため磁束密度を使用します。磁束密度に断面積を掛ければ磁束は出てきます。

>鉄心を入れると磁気飽和が起こるのでしょうか。
鉄心は強磁性体で、磁化の向きが揃った(磁気モーメントが同じ方向を向いた)磁区がランダムに並んだ内部構造をとっています。外部から加えた磁界の強度を大きくしていくとこの磁区の磁化の向き(磁気モーメント)がだんだん外部磁界との相互作用で回転して揃って、ついにはすべての磁区の磁化の向きが同じ方向を向いて揃ってしまいます。これ以上外部磁界を強くしても、すべての磁区が同じ方句に向いた以上には磁化はできず飽和します。つまり鉄心の中を通る磁束が飽和して一次側のコイルの電流を増やしても磁束は増えなくなります(磁気飽和)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%81%E5%8C%96# …

参考URL:http://www.magnet.okayama-u.ac.jp/magword/domain/

この回答への補足

ありがとうございます。
すみませんが、ある本の説明で
鉄心を磁化しようとする力は、起磁力が同じでも、磁気回路の長さによって異なる。そこで単位長さあたりの起磁力を考え、これを磁化力という・・・つまり磁界の強さ(H)になると説明があります。
これはどういうことでしょうか?

補足日時:2007/05/08 12:28
    • good
    • 0

おそらくあなたの疑問は、B=μHという単純な式を何故わざわざ重視してグラフに描く必要があるのか、ということでしょう。

そのつもりで答えます。
実は、質問の中で既に答が出ています。最後の文の「鉄心を入れると磁気飽和が起こる」が関係します。
透磁率(B=μHのμ)は、非直線性、飽和、周波数依存、ヒステリシスなど、複雑な特性を持っており、しかも物質毎に異なるので、式(B=μH)の特性を実測してグラフに描くと、決して単純な直線ではありません。つまり、磁化曲線はある物質の透磁率の特性を表すに相応しい曲線だと考えると、その重要性が分かるのではないかと思います。

この回答への補足

変な説明で申し訳ございません。
磁化曲線をなぜ、電流と磁束(起磁力と磁束)という単純な表し方をしないのかなと。
また、鉄心を入れない場合は、磁化曲線は単純に比例するのでしょうか。

補足日時:2007/05/08 10:58
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!