この人頭いいなと思ったエピソード

鍵盤楽器を勉強中の学生です。
バロック期から古典派までの様々なジャンルの曲、作曲家でいうとバッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ、ハイドン、モーツァルトを参考に聴いていて感じたことなのですが曲で使われている調がかなり限定されていると思いました。
例外もありますが典型例を図で表すと、

Major Cb Gb Db Ab Eb Bb F C G D A E B F# C#
x x x x o o o o o o o o x x x
Minor Ab Eb Bb F C G D A E B F# C# G# D# A#
x x x o o o o o o o o x x x x
参考した曲集:J.S.Bachのインヴェンションとシンフォニア、ヘンデルの鍵盤曲、ヴィヴァルディの協奏曲、ハイドン、モーツァルトのシンフォニー等

という事実を発見しました。興味深く、知りたいのはなぜAb majorはなく平行調のF minorはあって、E majorはあっても平行調のC# minorはないのか?記譜上の限界なのか楽器の性能上の限界なのか?その辺が知りたいです。よろしくお願いします。

P.S.
図の○と×が見づらくて失礼しました。

A 回答 (4件)

#3の方に補足してみます。



最後に長調になって終わることを「ピガルティ終止」と言いますが、これはバロック時代においては、短調の曲はそう終わらなければならないと決まっていました。
この時代は長調は神を、短調は人間を象徴するとされ、最後に神に戻ることが必要だったのです。

それを考えてみると、ヘ短調があって変イ長調がない理由はお分かりかもしれません。
ヘ短調をピガルティ終止させるとヘ長調になり、よく調和する和音になります。ホ長調があって嬰ハ短調がないのも、その理由だと思います。
特にヘ短調は「人間の感情を最も生々しく表現する」調とされ、バッハはここぞというところで使用しています。

それと、質問者様が参考にされたという曲集をみてみましょう。
J.S.Bachのインヴェンションとシンフォニア→バッハは、「平均律クラヴィーア曲集」で全調で作曲していますが、この曲集は半音ずつ上がっていくという基本的なコンセプトは同じで、その中でも比較的よく使われた調が15選ばれているのです。鍵盤楽器で和音を鳴らすには不具合な調が避けられています。
ヴィヴァルディの協奏曲、ハイドン、モーツァルトのシンフォニー→古典派の管弦楽曲は、特に弦楽器をどれだけ解放的に鳴らすかということに重点が置かれていると思います。弦楽器を鳴らしたいときは#系(特にニ長調は弦が一番明るく響く)、とくぐもらせたいときに♭系を使用しました。クラリネットを使用するならイ長調や変ホ長調がよいし、金管楽器を響かせるなら最も管が長く、解放的に響かせることができる調で書きました。
要するに、古典派における管弦楽曲の調設定はそういう発想です。

複雑な調による管弦楽曲は進化した楽器によって、複雑な感情を表現するロマン派の専売特許です(例:マーラー)。

また、モーツァルトの場合、彼の音楽観そのものが、多様な調性を必要としていなかったということもあります(ハイドンにはロ長調や変ニ長調の曲がありますから)。
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この回答へのお礼

「ピカルディー終止」ですか!目からウロコです。確かにその話ですとヘ短調は使えても変イ長調はダメでホ長調はよくても嬰ハ短調は使えない理由がわかります。それを踏まえて考えさせていただきます。

ではみなさんに鍵盤楽器を前提に質問させていただきます。
調律環境はハ音を中心に1/4ミーントーンです。
ロ短調・嬰ヘ短調が容認されていた理由がわかりません。ロ短調は主和音がピカルディー終止するとロ長調の主和音になってしまいとても使えない気がします。嬰ヘ短調も同様の理由で使用不可な気がします。ましてや嬰ヘ短調はヘ鍵を嬰ホに調律しなきゃならへんので調律にも手間取ると思います。
そもそもホ長調は属和音がロ長調の主和音で、変ホ長調は下属和音が変イ長調の主和音ですね。これらの和音の響きは使えないくらい悪いはずですが...?なぜか現実的にはホ長調と変ホ長調はよくあります。それに短調についてはヘ短調は属和音のみが純正ですがピカルディー終止によってヘ長調の主和音が純正で使えるし、短三和音の汚さは容認されるとしたらお隣の変ロ短調もヘ短調と条件は同じなので使えるはずです。なのに変ロ短調で書かれた曲はほとんどない...。考えるほど謎が深まってしまいます。

お礼日時:2007/07/31 13:52

#2です。

シロウトゆえ、難しいところはご勘弁ください。

放送大学の講義は、録画してあるので、また聴きなおしてみました。
バロック時代の(主としてチェンバロの)調律では、変ホと嬰トの間に「矛盾のしわよせ」を入れてしまったようで、この間隔を「ウルフの5度」というそうです。この区間を(ド~ソ)や(ド~ミ)が挟むような調は、響きが極めて悪いので、使われないようです。

「じゃ、短調ではなぜ厳格さが失われてもいいの」という疑問ですが、講義では、チェンバロの調律を詳しく述べていましたが、努力の中心は、5度と長3度の妥協点をさぐることだけでした。「とても短3度まで手が回らない」「もともと長3度に比べれば、短3度は、そんなに良く響く間柄でない」から軽視されているように思われます。

このころの時代の曲にある形ですが、ずっと短調でやってきて、最後の1音だけが長和音で終わることがよくあります。どうしても、響きの良い長和音で終わりたい、という気持が感じられます。今の我々が考えているような「長短対等」ではなかったように思います。

中途半端な知識ですみません。調べているうちに、私もたいへん勉強になりました。

この箇所の再放送は10月17日(水)11:15~正午 です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
変ホと嬰トの間にいわゆるウルフを置く標準的な調律方法では長調は変ロ・ヘ・ハ・ト・ニ・イ、短調はト・ニ・イしかまともに弾けません。ハ以外の音を基準に調律しなおすこともあったのでしょうか。例えば、ホ長調の場合は属和音がロ長調の主和音ですが、ロ・変ホの和音が減4度になってしまい汚い響きが出るさかいに変ホ鍵を嬰ニの音に調律し直すといった具合です。
調律環境はハ音を基準とした1/4ミーントーンです。

黒鍵の音の割り当ては一般的には嬰ハ・変ホ・嬰ヘ・嬰ト・変ロといいますがこれはニ主音のドリア調のみならず5度上のイ主音や4度上のト主音のドリア調も弾ける様に考慮した結果なんやそうです。ドリア調は第一旋法といって最も重要な教会音調であったことが鍵盤の音の割り当てからもわかりますね。

お礼日時:2007/07/31 14:39

変イ長調がない理由:



しろうとですが、放送大学で知りました。
「ハ」から(純正率で)5度ずつ上げて12回で1周すると、「ハ」に戻りますが、最後に音が合いません(平均率なら合いますが)。
6回目に「ハ」の真向かい(嬰ヘ/変ト)あたりで歩み寄ることも考えれれますが、(特に弦楽器で)#系の楽器が多く、曲も多いので、衝突が起こりやすくなります。そこで、チェンバロの調律では、もう少し♭系に寄ったところ(変ニ~変イ)で「しわ寄せ」を行うほうが実用的です。すると、今度は変イ長調で下属和音を出そうとすると困ることになります。そのへんが、変イ長調の曲が作られなかった理由と思われます。

詳しくは、Pythagoras Comma や Pythagorean Tuning で調べてください。放送大学・音楽理論の基礎は、10月から毎水曜日 11:15~正午(全15回)です。
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この回答へのお礼

回答いただきありがとうございます。興味深く拝見させていただきました。しかし、鍵盤独奏曲でも変イ長調がない点が気になります。
ヘ短調も変イ長調も平行調やから構成音が同じやん、なのになんで変イ長調に限って???(パニック)

ご説明のとおり変ニ長調の主和音が問題やったらそれを平行下属調に持つヘ短調もマズいと思うのですが...?
また、ヘ短調の下属和音である変ロ短調の主和音の響きは悪くないのでしょうかね?
度々ツッコミ申し訳ないですm(__)m

お礼日時:2007/07/30 20:34

調律の問題ではないでしょうか。

バロック期の鍵盤楽器の調律は、完全な平均律ではなく、不等分律だったため、Cを中心に調律すると♯や♭が多い調は響きが綺麗でないからでしょう。管弦楽でも通奏低音にチェンバロを使うので、そのようになるんだと思います。

ロマン派以降は完全平均律になりますが、ピアノなどの技巧が複雑化、高度化してくるので、弾きやすい黒鍵を多用するように、♯♭の多い曲が増えてくるのだと思います。

オーケストラの楽器も管楽器は現在のようなキーやバルブもなかったので、あまり複雑な調で作曲することはできません。作曲家が思いのままに自由に好きな調で作曲できるのは現在のような完成された楽器があるからで、バロック、古典期では作曲家は未発達な楽器のために制約受けたのだと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。調律や管楽器の特徴の問題だったのですね。

最初の質問とダブリますがヘ短調は良くてもその平行調の変イ長調がないところが気になります。

もしよろしければご示唆していただけると幸いです。

お礼日時:2007/07/30 11:40

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