先日、大学で熱力学の授業を履修しまして疑問に思ったので質問させていただきます。理系学生です。
シャルルの法則について、この法則が確かに成り立っているのか疑問に感じます。
まずシャルルの法則の式には温度Tが登場します。
実際に温度を測定するとき一番簡単なのは水銀温度計などを使うことだと思います。
しかし、温度計自体の仕組みとして、水銀・灯油などが温度によって膨張すること、つまりシャルルの法則を利用しているように思います。
さらに温度計の目盛りのふり方について、0℃と100℃の間を距離的に等分すれば、温度と体積が正比例するのは当たり前のように思います。
逆に例えば0℃と100℃の間の距離を対数的に分割してはいけない理由がわかりません。
このことについては授業でも、話が進めば熱力学的温度をちゃんと定義するから大丈夫だと言われました。
しかし、それについても疑問があります。
熱力学的温度は熱機関の熱効率考え定義されると習い、その理論自体はわかりました。
しかし、例えば熱機関の効率を計算するのには気体の状態方程式を利用しますよね。
ということは熱力学的温度の定義は状態方程式を内包しているように思うのです。
そのようにして熱力学的温度を定義して、それに従って温度計に目盛りをふったとして、その温度計でシャルルの法則を検証すれば、法則が成り立つのは当たり前ではないですか?
シャルルの法則を前提とした温度計を使ったからシャルルの法則が成り立ったのではないでしょうか?
シャルルの法則が成り立つと仮定したから、シャルルの法則は成り立つ、というようにこれはただのトートロジーではないですか?
僕は温度が上昇するほど、理想気体の体積変化量は対数的に減少するといわれればそう思えなくもないと思います。
熱力学の分野で、熱力学的温度を持ち出さずにシャルルの法則を支持する事実や、シャルルの法則とは違った温度とそれ以外の物理量との関係式みたいなものがあるのでしょうか?
詳しい方、教えてください。
No.1
- 回答日時:
シャルルの法則
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3% …
まず、シャルルの法則は「気体」の話。
固体・液体に適応は不可。
ついでながら、高圧だったり低温だったりすると、こっからずれる。
状態方程式、というもの自体も一つじゃない。
「ファンデルワールスの状態方程式」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1% …
水銀の・・・というのは、
定義とか成り立ちを考えると分かるんじゃないかなあ。
「温度」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E5%BA%A6
実例からシャルルの法則は見つけられたもので、
それとボイルの法則から状態方程式や絶対温度が考えられている。
逆ではないよ。
この回答への補足
確かに状態方程式は気体にしか適用できませんね、ちょっと書き方がまずかったです。
温度計の話は、子供でも思いつく0℃と100℃の間を100等分する方法という意味で、例えとして出しました。
もちろん、温度の定義として温度計100等分では厳密さに欠けるのは承知してます。
またファンデルワールスの状態方程式を持ち出さなかったのは、シャルルの法則が厳密に成り立つのは理想気体のみということから、今回の質問全体で暗黙のうちに理想気体を対象として話を進めたからです。
少しごちゃごちゃと書きすぎました。
今回私が聞きたかったのは、熱力学的温度を定義する前の時点のシャルルの法則に温度Tが登場するのはあやしいんじゃないですか?ということです。
熱力学的温度を定義するのにシャルルの法則を使ってよいのか?というふうにも言い換えられます。
No.2
- 回答日時:
温度計の目盛りのふり方について、0℃と100℃の間を距離的に等分すれば、温度と体積が正比例するのは当たり前のように思います。
等分しても温度と体積が正比例することとは関係ありません。
中に入っているのは水銀とかアルコールで理想気体ではありません。
実際、等分した水銀温度計とアルコール温度計では温度が違います。
逆に例えば0℃と100℃の間の距離を対数的に分割してはいけない理由がわかりません。
経験的な温度目盛りのめもりのきざみかたはどうでもかまいません。
(単調増加でないとまずいが)
温度のあついものから冷たいものには熱はかってにうつるが、冷たいものからあついものには移らない
という第2法則をつかって、どっちが温度が高いかをきめていけば、経験的温度目盛りができます
熱力学的温度を定義したら、経験的温度目盛りと熱力学的温度の対応がわかるので、それにしたがて、変換するだけです。
熱機関の効率を計算
カルノーサイクルの効率の計算には
理想気体を仮定して求めている本、特に入門書は多くありますが、
それは、初心者にわかりやすくしているだけで、理想気体の存在は
必要ありません。
シャルルの法則を前提とした温度計を気体温度計といいますが、
気体温度計の存在も、第2法則の証明に必要ありません。
(世の中には理想気体は存在しない、だから第2法則の成立は、近似的はものだ、という議論をする人がいますが)
さらに、第二法則をカルノーサイクルを用いて証明している本もありますが、これも、カルノーサイクルという理想サイクルが存在しなくても、第2法則は成り立ちます。
熱力学的温度の定義は状態方程式を内包しているように思うのです。
ようなことはありません。
気体の状態方程式=シャルルの法則がなりたつ(さらに内部エネルギーもあるが)を満たす気体を理想気体と呼んでいるだけです。
僕は温度が上昇するほど、理想気体の体積変化量は対数的に減少するといわれればそう思えなくもないと思います。
そのような気体は理想気体とはいいません。
○熱力学の分野で、熱力学的温度を持ち出さずにシャルルの法則を支持する事実
シャルルの法則自体は 実験的法則で、まさに支持する事実があるから
法則になったものです。
シャルルの法則を前提とした温度計を使ったからシャルルの法則が成り立ったのではないでしょうか?
この言い方は、あたっているかもしれません。
シャルルの法則が成り立つように気体温度計をつくったのですから。
(ただ、シャルルの法則を前提とした温度計を使ったから、熱力学温度がきまったわけではありません)
シャルルの法則とは違った温度はいっぱいあります。
しかし、近似的に熱力学的温度や気体温度計の温度に一致しないものは
受け入れられないだけです。
そもそも、CもFもはじめは、適当な2つの温度のあいだの膨張率をいってとして等分してつくったものですから。Fは商業的な温度計で、100F は体温、0Fは当時の人間が再現できる最低温度とかで、氷、塩化アンモニウム、水の温度(アイスクリームか)ですから。
そういう経験温度は、実験式で他の物理量と関係づけられているかもしれませんが、理論のなかではでてこなくても当然でしょう。
この回答への補足
丁寧な回答ありがとうございます。
>経験的な温度目盛りのめもりのきざみかたはどうでもかまいません。
>(単調増加でないとまずいが)
では例えばV=log(T+1)となるように経験的温度目盛りを刻むとします。
するともちろん経験的なシャルルの法則はV=k*log(T+1)となると思うのですが、この場合でも現在と同じように熱力学的温度は定義されて、その後に熱力学的温度目盛りでシャルルの法則を記述するとV=k*Tとなるのでしょうか?
(少なくともTについてVが単調増加であれば)経験的温度目盛りのとり方によらず、熱力学的温度はV=k*Tが成り立つように定義できるのですか?
>気体の状態方程式=シャルルの法則がなりたつ(さらに内部エネルギーもあるが)を満たす気体を理想気体と呼んでいるだけです。
たしかにその通りですね。
しかし、現実の気体の振る舞いから分子間力や体積を取り去ったものが理想気体という言い方も出来るのではないですか?(理想気体というアイデアの出所としては)
現実の気体分子の振る舞いを研究することなく、理想気体の振る舞いは記述できないのでは?そう思います。
例えばの話、シャルルの法則に従うのが理想気体だとして、現実の気体は理想気体ではないからシャルルの法則とは全く違う振る舞いをすると言われても納得いかないのですが。
>>僕は温度が上昇するほど、理想気体の体積変化量は対数的に減少するといわれればそう思えなくもないと思います。
>そのような気体は理想気体とはいいません。
たとえ話です
(カラスを見たことがない国の人たちの会話です)
A「今までわが国ではカラスは白いと言われてきましたが、実際の調査でカラスは黒いことがわかりました」
B「そのような黒い鳥はカラスとはいいません」
A「でも日本人がカラスは黒だと言っているんですけど?我々の間違いではないですか?図鑑を書き換えなくてもよいのですか?」
>○熱力学の分野で、熱力学的温度を持ち出さずにシャルルの法則を支持する事実
>シャルルの法則自体は 実験的法則で、まさに支持する事実があるから法則になったものです。
その実験に使った温度計の目盛りはどのようにきざまれていたのでしょうか?
熱力学的温度を定義する以前のどのような温度計でシャルルの法則を検証すれば正しいと言えるのでしょうか?
シャルルの法則が正かどうかわからない状態で熱力学的温度は定義できるのでしょうか?
ここらへんの論理が循環しているように思います。
以上回答を読んでの疑問点です、多いですが補足していただけたら幸いです。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
>多いですが補足していただけたら幸いです。
ちょっと量が多いので少しずつ、
一部だけですが、
この辺の話は、技術史や科学史、とかさらには認識論(哲学)の世界になっていくのかと思いますが.....
シャルル=ゲイリュサックの法則の温度ですが、
熱い、冷たいの概念は昔からあり、それをどう数値化するか
が温度の始まりです。やはり、経験的には氷が凍るときの冷たさ
とか沸騰するときの熱さとかが一定値だとは認識できます。
そして、沸騰した水にいれた鉄の玉と、氷に触れさせた鉄の玉を
一緒にすると、同じような暖かさの中間の温度になるという経験的認識もあったので、現実の温度とずれた定義(logとか)にはならなかったようです。
当時、温度は、熱素の密度と考えられいて、それで、そういった実験事実は説明でき、温度も定義できていました。ボイルの法則のように
圧力と体積の関係は熱と関係ないのですぐ理解でき、さらに、
気体の熱膨張については、アモントンが1702年に出した論文で、つめたい水とふっとする水のあいだで気体の体積変化を議論し、いまでいう温度差と圧力差の比例関係をもとめている。
そのような認識があれば、水銀の膨張とおなじ原理で空気の膨張を利用した温度計(空気温度計)が作られ、その対応関係も研究されました。
いろいろな物質の熱膨張をいろいろな温度計(の熱膨張)ではかり比較するうち、当然、真の物質に左右されない温度計、温度目盛りはなにか、どの物質を使えば、それにもっとも近い温度を測れるのか。
となっていったわけで、(熱素の移動を物質が邪魔しているので、物質によって、ばらつくと思われた)経験的温度が熱力学温度とかけ離れてあるわけではないでしょう。
理論的に、どんな目盛りでもいい。ということと、実際に発見、発明された経験的温度目盛りが熱力学温度目盛りと相当違ったものだというのとは別ものです。
ゲイリュサックの実験でも、0℃と100℃(いまでいう)の間の気体の膨張率をさまざまな気体について測定し、100等分の摂氏では100/26666, レオミュール度では80/21333
V(T)=V(0)(1+αT) α=1/26666 (T:摂氏)
と(当然)経験的温度を用いてあらわしてる。
現実の気体の振る舞いから分子間力や体積を取り去ったものが理想気体
分子運動などが議論されるのはさらに後の話(MAXWELLとか)で理想気体自体は、気体ごとにばらつきがあるが、それでも、(理想的な場合)には
気体に関係なくなりたつ関係がある。という実験事実からもとめた法則であり、それを成り立たせる気体です。
比例関係にない温度の例としては、温度がFと2次関数の関係になるドルトン温度をドルトンが提唱するがあまり相手にされなかったようです。
この回答への補足
再び詳しい補足をありがとうございました。
私も先人たちが積み上げてきたものを全否定したいわけではないので、なかなか興味深く読ませていただきました。
結局、気体の温度と体積などの関係を研究していく上で、温度の定義自体も模索していき、体積と比例関係が成り立つように目盛りをふるのが妥当だろうとされたということなんですかね。
やはりそのような温度計が絶対だとは思いませんが、自分でもそれが妥当であるとは思います。
また比例関係が成り立たない温度を提唱した人物がいたことも知ることができてうれしく思いました。
今回の質問で、純粋に熱力学的な温度の定義の仕方についてと、科学史についてとで、それぞれさらに興味が湧きました。
科学史についてはほとんど無知ですので、勉強してみてまた考えようと思います。
回答と補足ありがとうございました。
自分が専門としている分野ではないですが、知的好奇心が満たされ十分に興味が湧きました。
今回の回答を自分の中で消化し参考にさせていただきます。
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