No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ラテン語で、天・空を意味する言葉は、caelum と言います。
これを何と発音するのか、時代や方言で違います。
古典ラテン語では、「カイルム」と発音します。しかし、古典ラテン語よりも古いラテン語では、「カエルム」であったようです。そして古中世ラテン語・俗語ラテン語になると、「ケールム」というような発音になり、近中世・近世ラテン語では、更に音が変わって、「チェールム」となります。
このラテン語を、英語では、18、19世紀の頃、「セールム」というように発音していたようですし、ドイツ語では、「ツェールム」であった可能性があります。
カイサルの Caesar を英語では、「セーザル」と読み、更に訛って「シーザー」になりました。イタリア語では、中世、「チェーザル」と読んでいました。(語中のsは、古くから濁る傾向があったのです)。
Ave Maris Stella ですが、古典ラテン語でも中世ラテン語でも、「アウェ・マリス・ステールラー」です。これを、「アヴェ」と発音するのは、近世から現代にかけての歌の場合などの慣用的な発音です(俗語的発音です)。乙女マリアは、Maria Virgo で、「マリア・ウィルゴー」であって、決して「マリア・ヴィルゴー」ではありません。
Ave Verum も現代のグレゴリオ聖歌その他では、「アヴェ・ヴェールム」と歌うようですが、フランス語式かイタリア語式か分かりませんが、本来、「アウェ・ウェールム」です。verum(真理)は、俗語的発音でない限り、「ヴェールム」とは言いません。
(しかし、俗語的発音がたくさんあるのがラテン語で、「アヴェ・マリア」も伝統的なラテン語からすればおかしいのですが、俗語ラテン語で、慣用的に「アヴェ」と発音するのです)。
この回答へのお礼
お礼日時:2002/09/09 09:37
ヨーロッパで長く用いられた言葉なだけに、色々と変化をしたようですね。
やっぱり本来は、「アウェ」なのですね。
ラテン語はまだまだ学び始めたばかりです。
様々に変化するというのも、また面白いとおもいます。
丁寧な回答をありがとうございました。
とても良くわかりました。
No.1
- 回答日時:
実際、アウェ・マリアになるそうです。
http://www.high-edu.tohoku.ac.jp/~mlatin/latina2 …
参考URL:http://www.high-edu.tohoku.ac.jp/~mlatin/latina2 …
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