1.「彼が好きだ」は、「彼女は彼を好きだ」とも「彼が彼女を好きだ」とも取れます。しかし、これと同じように、主語にも目的語にもなれる動詞はあまり見当たりません。「Aが何々だ」のとき、「好き」のほかにこのように主語にも目的語にもなれるものはあるのでしょうか。また、なぜ、「食べる」のような主語も目的語も取る動詞は同様の使い方が出来ないのでしょうか?また、同様なことが、「彼は好きだ」にも起こります。こちらについても同様な動詞はあるのでしょうか。
2.「は」にしても「が」にしても、主語と目的語の両方を示すことが出来ます。しかし、例えば、修飾節や従属節で主語の位置に現れるのは「が」だけです。なぜ、「は」は使えないのでしょうか?「僕が東京へついたとき、雨が降っていた。」は、「僕は東京へついたとき」とは言えない。「彼が持っている本はおもしろい。」は「彼は持っている」とは言えない。
3.「彼は、ぶどうは好きだ」とか、「彼は、リンゴは食べた」は多少不自然でも言えると思います。しかし、「彼が、ぶどうが好きだ」は、どう見てもおかしく感じます。同様に「彼が、リンゴが食べた」も全く自然ではありません。この「は」と「が」の差はどこから来ているのでしょうか。
No.1
- 回答日時:
「は」と「が」の基本的な機能の違いは、「は」はそのあとに未知の情報が述べられ、「が」はその前に未知の情報が述べられるということです。
ですから、「は」はその前に来ていることの説明を、それ以降で行っていて、逆に「が」はその前に来ているもので、それ以降で述べられていることを説明していることになります。
1.の例については、単に省略形態として成り立つかどうかでしょう。「好き」「嫌い」などの、直接的な感情表現は、日本語の特性上、省略形態が成り立ちやすいと思われます。
2.と3.については、最初の説明の通りで、たとえば「彼が持っている本はおもしろい」で言うと、「おもしろい」は「本」についての説明で、「彼」は「持っている」についての説明であるわけです。
「彼はおもしろい本を持っている」とすると、彼がどういう状態であるかを説明し、「彼がおもしろい本を持っている」とすると、おもしろい本を誰が持っているのかを説明しているという文義になります。
以上、ご参考までに。
No.2
- 回答日時:
○主語にも目的語にもなれる動詞はあまり見当たりません○
主語になれるのも目的語になれるのも名詞だけです。
名詞はすべて両方になれます。
○「Aが何々だ」のとき、「好き」のほかにこのように主語にも目的語にもなれるものはあるのでしょうか。○
その文章で「好き」は主語でも目的語でもありません。
また、名詞でも動詞でもなく、「好きだ」という形容動詞の語幹です。
○なぜ、「食べる」のような主語も目的語も取る動詞は○
動詞は主語にも目的語にもなりません。
前出の「好きだ」も目的語を伴うという点で
他動詞「食べる」と同じではあるが
品詞が異なるため助詞が異なります。
○同様の使い方が~同様なことが、「彼は好きだ」にも起こります。こちらについても同様な動詞はあるのでしょうか○
「同様」が何を指しているのか不明です。そこまでの説が
全部間違っているからです。
○修飾節や従属節で主語の位置に現れるのは「が」だけです。
「僕が東京へついたとき、雨が降っていた。」は、「僕は東京へついたとき」とは言えない。「彼が持っている本はおもしろい。」は「彼は持っている」とは言えない○
組み合わせに必然性がありません。
「僕は眠るときに、枕を必要としない」
「彼は持っている本だが私はもっていない」
○「彼は、ぶどうは好きだ」とか、「彼は、リンゴは食べた」は多少不自然でも言えると思います。○
少しも不自然ではありません。人物と果物それぞれについて
「他はともかく」という意味です。
○「彼が、ぶどうが好きだ」は、どう見てもおかしく感じます○
おかしくありません。正しい日本語です。
「彼が」「彼は」の違いは、
前者はぶどうが好きなのは誰かという認識に応じ、
後者は彼は何が好きなのかという認識に応じています。
「ぶどうが」は30年ぐらい前までは「ぶどうを」としか
言わなかったかもしれませんが現代ではすっかり定着しています。
アナウンサーも使っています。
○同様に「彼が、リンゴが食べた」も全く自然ではありません○
同様ではありません。これだけが間違っています。
「好きだ」のリンゴは目的語であり、
「食べた」の「が」は主格を示すからです。
○この「は」と「が」の差はどこから来ているのでしょうか。○
すでに述べたとおり文章の構造の違いです。
この回答への補足
自分の質問の書き方があいまいでした。
1.「彼が好きだ」は、「彼女は彼を好きだ」とも「彼が彼女を好きだ」とも取れます。しかし、「好きだ」と同じように、「~が」を主語にも目的語にも取れる動詞はあまり見当たりません。「Aが何々だ」のとき、「好き」のほかにこのように、「~が」が主語にも目的語にもなれるものはあるのでしょうか。また、なぜ、「食べる」のような主語も目的語も取る動詞は同様の使い方が出来ないのでしょうか?また、同様なことが、「彼は好きだ」にも起こります。「彼は、リンゴが好きだ」とも、「彼女は彼は好きだ」とも解釈できます。こちらについても同様な動詞はあるのでしょうか。
また、「知っている」とか「希望だ」、「見た」は、「~が」と「~は」の使い方が異なります。つまり、
(1)「彼は知っている」は、「僕は彼のことを知っている」の意味にも、「彼は僕のことを知っている」の意味にもなります。しかし、「彼が知っている」は、「彼はそのことを知っている」のように、主語にしかなりません。
(2)「彼は希望だ」は、「我々は、彼のことを希望の対象としている」の意味にしかなりませんが、「彼が希望だ」は「彼が何かを希望している」、「誰かが彼のことを希望している」の両方の意味になります。
(3)「彼は見た」は、「誰かが彼の事を見た」にも「彼が何かを見た」の意味にもなります。しかし、「彼が見た」は「彼が何かを見た」の意味にしかなりません。
このような「か」と「が」の違いは、何に由来するのでしょうか。
ということです。ちょっと、質問が増えてしまい申し訳ありません。
補足のタイプがあります。最後の部分の
>このような「か」と「が」の違いは、何に由来するのでしょうか。
は、次の文が正しいです。
このような「は」と「が」の違いは、何に由来するのでしょうか。
よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
● が
「が」は格助詞で、単純に主語を示します。
ただし次のような例外があります。
・水「が」飲みたい!
この場合の「が」を対象語などと呼ぶこともあるようです。
● は
「は」は係助詞で、主語を示すこともありますが、それ以外にも色んな働きがあります。ですから「が」の代用で使う場合でも、単純に主語を示すだけではなく、何しら別の意味を付加します。
・私「は」愛煙家です。私「は」捨てない!
他との区別を表しています。特に後半の「は」は強調の意を含みます。
・顔「は」四角でも味「は」まろやか~♪
二つのことを対比しています。
・苦労「は」しても 笑い話に時が変えるよ
これは強調です。
・降って「は」降って「は」 ずんずんつもる
動作の反復を表します。
No.4
- 回答日時:
>1「彼が好きだ」について
これに関しては「は」と「が」ではなく「好き」という動詞に関しての質問で宜しいでしょうか?
そうだと仮定して回答します。違っていたら済みません。
例文A:意味が「彼女は彼を好きだ」の場合
これは「(彼女は)彼が好きだ」と主語である「彼女」が省略された形の文章で
・主語:彼女、述語:好き
「彼は好きだ」の意味が「彼女は彼を好きだ」という意味の場合も同じ
ただし「(彼女は他の人は嫌いだが)彼は好きだ」というような使い方
例文B:意味が「彼が彼女を好きだ」の場合
この場合は「彼が(彼女を)好きだ」で上の文章とは全く違い
・主語:彼、述語:好き
「彼は好きだ」の意味が「彼が彼女を好きだ」の場合も同じ(「彼は(彼女が)好きだ」)
つまり「好き」という動詞はどちらも「述語」にあたるものです。
「主語」でも「目的語」でもないです。
No.4さんが書いていらっしゃるとおり、主語や目的語になれるのは「名詞」のみです。
どうして「好き」を主語や目的語と思われたのか分かりませんが、とにかく前提から間違っていますのでこの質問に関しては意味がないかと思います。
>2及び3「は」と「が」について
これに関しては下記サイトを良く読まれた方がよいかと。
「ウィキペディア・助詞」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A9%E8%A9%9E
「は」と「が」は同じ助詞ですが、その中でさらに細かく分類されています。
丁寧に細かく書いてありますので、良く読めば違いは分かると思います。
この回答への補足
自分の質問の書き方があいまいでした。
1.「彼が好きだ」は、「彼女は彼を好きだ」とも「彼が彼女を好きだ」とも取れます。しかし、「好きだ」と同じように、「~が」を主語にも目的語にも取れる動詞はあまり見当たりません。「Aが何々だ」のとき、「好き」のほかにこのように、「~が」が主語にも目的語にもなれるものはあるのでしょうか。また、なぜ、「食べる」のような主語も目的語も取る動詞は同様の使い方が出来ないのでしょうか?また、同様なことが、「彼は好きだ」にも起こります。「彼は、リンゴが好きだ」とも、「彼女は彼は好きだ」とも解釈できます。こちらについても同様な動詞はあるのでしょうか。
また、「知っている」とか「希望だ」、「見た」は、「~が」と「~は」の使い方が異なります。つまり、
(1)「彼は知っている」は、「僕は彼のことを知っている」の意味にも、「彼は僕のことを知っている」の意味にもなります。しかし、「彼が知っている」は、「彼はそのことを知っている」のように、主語にしかなりません。
(2)「彼は希望だ」は、「我々は、彼のことを希望の対象としている」の意味にしかなりませんが、「彼が希望だ」は「彼が何かを希望している」、「誰かが彼のことを希望している」の両方の意味になります。
(3)「彼は見た」は、「誰かが彼の事を見た」にも「彼が何かを見た」の意味にもなります。しかし、「彼が見た」は「彼が何かを見た」の意味にしかなりません。
このような「か」と「が」の違いは、何に由来するのでしょうか。
ということです。ちょっと、質問が増えてしまい申し訳ありません。
補足のタイプがあります。最後の部分の
>このような「か」と「が」の違いは、何に由来するのでしょうか。
は、次の文が正しいです。
このような「は」と「が」の違いは、何に由来するのでしょうか。
よろしくお願いします。
No.5
- 回答日時:
1.「好きだ」は動詞ではありません。
形容動詞(ナ型形容詞)です。類例であれば,「花子が嫌いだ」
(イ型)形容詞の例
「俺が金が欲しい」「象が鼻が長い」
「肉が食べたい」(「タイ」は形容詞型活用をする助動詞)
可能表現では,対応する他動詞の目的語が「ガ」格で現れます。
「英語が読める」「字が書きやすい」「餃子が買いにくい」
この場合,「ガ」は「ヲ」で置き換え可能です。
2.「ハ」も「ガ」も主語は表しません。主語は文法機能です。
「ハ」は主題という談話情報の表示です。
「ガ」は主格という格の表示であると同時に,焦点という談話情報の表示でもあります。
それぞれ働きのレベルが全く異なります。
3.「彼が、ぶどうが好きだ」は不自然ではありません。
「太郎君はブドウが好きだったね」
「違うよ,ブドウが好きなのは妹の花子だよ,花子がブドウが好きなんだよ」
従属節中の「ハ」と「ガ」については,さまざまな研究がありますが,これを含めて,質問者様に参考になるであろう本をご紹介しておきます。
野田尚史(1996)『「はとが」 新日本語文法選書1』くろしお出版
この本を先に読んでおけば,全く違った質問になっていたことでしょう。
この回答への補足
こんにちは、お久しぶりです。以前、「QNo.3097302 時制の表現とその意味について(名詞編)」で回答をしていただいた時以来ですね。
自分は、日本語文法も言うか、文法に弱いのですが、幾つか、書いていただいたことで分からない部分があります。
1.「好きだ」は動詞ではありません。形容動詞(ナ型形容詞)です。
つまり、英語では動詞と分類されるのに、日本語では形容動詞になるということですよね。言語により違いがあるのはあたりまえですが、日本語に動詞と形容動詞があるという意味は、どんなことがあるのでしょうか。逆から言うと、英語は動詞一本なのはなぜかということでもあります。
2.「ハ」も「ガ」も主語は表しません。主語は文法機能です。
この文章の「文法機能」の意味がぴんと来ません。
>「ハ」は主題という談話情報の表示です。
>「ガ」は主格という格の表示であると同時に,焦点という談話情報の表示でもあります。
>それぞれ働きのレベルが全く異なります。
の部分は分かります。「文法機能」として、意味構成をする上で、「主語」という考え方は必要だが、日本語という表示機構の上では出てこない、つまり、一種の深層構造だということでしょうか?
3.「違うよ,ブドウが好きなのは妹の花子だよ,花子がブドウが好きなんだよ」
確かにこの文を読むと、自然に感じられます。しかし、「彼が、ぶどうが好きだ」だけを読むと、どうも不自然さがあります。不自然さは感じられませんか?
*ご回答ありがとうございます。ご紹介いただいた本は早速読んで見たいと思います。
申し訳ありませんが、都合により、締め切らせていただきます。紹介していただいた本はまだ読んでいませんが、できるだけ読みたいと思います。
ありがとうございました。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
#7です。
1.
>日本語に動詞と形容動詞があるのはなぜか。
>英語は動詞一本なのはなぜか。
述語になれるのは英語も動詞一本ではありません。
I believe [John is honest].
I believe [John honest]. (述語=形容詞)
また形容詞も目的語をとることができます。通常は of を介しますが,目的語を直接とることもあります。
I am [fond of her]. (fond の目的語= her)
He buried it [nearest the fence]. (near の目的語= the fence)
つまり,英語でも日本語でも,述語になれるのは動詞と形容詞です。
ナ型形容詞を形容動詞と呼ぶのは国語学の伝統に過ぎません。
2.
>「主語」は一種の深層構造か?
break には他動詞用法と自動詞用法がありますね。
I broke the vase. / The vase broke.
他動詞の目的語が自動詞の主語に相当します。動作主が消えると,代わりに目的語が主語に「昇格」します。受動態でも同じことが起こります。
動作主主語がなくなると,「深層」の目的語が「表層」の主語となります。
可能表現や形容詞述語は動作ではなく状態を表すため,主語動作主が削除されます。代わりに深層の目的語が主語に昇格します。
本を読む → 本が読める
これは英語の中動態(middle, activo-pasive)に似ています。
I read this book. → This book reads easily.
3.
>「彼が、ぶどうが好きだ」だけを読むと、不自然さがある。
この場合の「ガ」が対比の焦点だからでしょう。
何と対比するか分からない状況では,不自然なのは当然です。
4.
>「ハ」は主題という談話情報の表示
「ハ」は主語でも目的語でも何でも主題にしてしまいます。
私が リンゴを 食べる
私は リンゴを 食べる (主語の主題化)
リンゴは 私が 食べる (目的語の主題化;主題化に伴い,文頭へ移動)
私が 彼を 知っている
私は 彼を 知っている (主語の主題化)
彼は 私が 知っている (目的語の主題化;主題化に伴い,文頭へ移動)
「ハ」が主語とは限らないので,「彼は知っている」の「彼」は主語にも目的語にも解釈できるのです。だからこそ,おっしゃるとおり,
>「彼は見た」は、「誰かが彼の事を見た」にも「彼が何かを見た」の意味にもなります。
他の方へのご質問で恐縮ですが。
>「彼は希望だ」は、「我々は、彼のことを希望の対象としている」の意味にしかならない
「(今後は HD DVD の生産はやめたいと)社長はご希望だ」
であれば,「社長がが何かを希望している」ことを表せます。
「○○は希望です」でググると,
「確かにクエストの充実化は希望ですね。」
「PC版は希望です。」
「価格は希望ですので、ご相談可能です。」
などなど,多様な解釈が可能です。
「ダ」をコピュラ(英語の be 動詞)と解釈するか,代動詞ととるか,はたまた,強調構文とするか,この点はかの有名なこちらをお読みください。
奥津 敬一郎(1978)『「ボクハ ウナギダ」の文法』くろしお出版
この回答への補足
ありがとうございます。いろいろ考えてしまい、つい、お礼を述べるのが遅くなりました。もう少し時間を頂いて、ご返事と言うか、御礼を書きたいと思います。重ねてありがとうございます。
補足日時:2008/02/25 23:40No.8
- 回答日時:
補足有り難うございます。
やっぱり違ってましたか、済みません。
ええと、もう少し何か参考になる本なりなんなり無いかと検索をしてみました。
1件、この質問の回答になりそうなサイトを発見しましたので参考にどうぞ。
「庭三郎の現代日本語文法概説」
http://www.geocities.jp/niwasaburoo/
「目次へ」のページに移動し、少し下の方へ画面をスクロールすると「2.名詞文」という項目があります。
その中に「2.2.1 ハとガの違い」とあります。
少し読んでみましたが、ご質問の回答になりそうです。
例文なども挙げて詳しく説明されているようです。
結局参考サイトをお勧めするだけになってしまいましたが(^^;
上記サイトがかなり細かく説明が書いてありましたし、私の言葉で説明するよりも読んで頂いた方が良いかと思いまして。
(元々は書籍として販売されたもののようで、Amazonでも「現代日本語文法概説」で検索するとヒットします)
ありがとうございます。御礼が遅くなってしまいすいませんでした。
ご紹介いただいたリンク先を読もうとしていますが、なかなかまとまった時間がまだ取れません。なるべく速く読ませていただきます。重ねてありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
私の回答に対する、
〔書き直された質問〕への回答です。
「自分の質問の書き方があいまいでした。
1.「彼が好きだ」は、「彼女は彼を好きだ」とも「彼が彼女を好きだ」とも取れます。しかし、「好きだ」と同じように、「~が」を主語にも目的語にも取れる動詞はあまり見当たりません。~」
前回の「これ」が「好きだ」になっただけで実質は同じであり、
前回述べたように主語や目的語になるのは名詞だけです。
また、「好きだ」は動詞ではなく形容動詞です。
これは義務教育で教わる事であり、単純明快です。
質問が成り立たないことの説明がすっかり終わっています。
前回あいまいで今回明確という状況ではなく、
無意味な反復になっています。
私の回答を終わらせていただきます。
No.10
- 回答日時:
本当にお伝えしたい事は末尾の方にあるのですが直接の用件を先に片付けてしまいます。
曲がりなりにも返事を捻り出せるのは2と3だけです。
2 について
一例として、大野 晋著「日本語練習帳」P.47~P.88にかけて「ハとガ」について述べられています。
P.75に「ガ」の働きの一番目として「名詞と名詞をくっつける」という話が出てきます。これと関連付けて私の解釈を述べます。
「僕が東京へついたとき、雨が降っていた。」は、「僕」という体言と「(東京へついた)とき」という二つの体言を接着させているので、こういうときに「が」が働く訳で大野説で説明が付くと思います。
「は」には「名詞と名詞をくっつける」作用はないので、「僕は(東京へついた)とき、雨が降っていた。」とはいえないのだと思います。
「彼が持っている本はおもしろい。」は「彼」と「(持っている)本」との二つの体言を接着させています。こちらも大野説に符合します。
3について
3の二つの例文は異質だと判断します。
3-1、「彼が、ぶどうが好きだ」について
「彼が、ぶどうが好きだ」は、紛らわしいだけで文法上は成立すると考えます。判り易い例文に換えさせて下さいませ。
今、梅干しの大嫌いな外国人が九人、大好きな外国人が一人、合わせて十人いることを私が事前に承知しているとします。
私の発言の「梅干しの好きな方は何方ですか」に対して、誰かが指差して「彼が、梅干しが好きです」と、発言したとします。
よい日本文であるなしはともかく、文法には適っていませんか。状況によっては「彼が、ぶどうが好きだ」も成立すると思います。
3-2、「彼が、リンゴが食べた」について
P.56に「ハ」の働きの二番目として「対比のハ」の話が出てきます。
著者は「山田さんは碁は打つが将棋は指さない」を用いて「は」には二つのことを対比させる作用のあることを述べています。
「彼は、リンゴは食べた」は林檎の他に食べない物の存在があることを言外に述べています。つまり「りんご」と「他の何か」との対比です。「が」には対比の作用がないので「彼が、リンゴが食べた」とは言えないのだと思います。
以上、妥当性には一切責任をもてません。拾い読みだけで記しました。なお、著者は「ハ」の働きとして4つ、「ガ」の働きとして2つ挙げていました。
さて、ここからが本当にお伝えしたいことです。余計な口出しですがtaked4700さんには何度かお世話になっていて気心が通じていそうなので記してしまいます。
この、ご質問に的確に応じられる実力者が間違いなく居られると確信します。しかし、記述が長大になり過ぎて、このシステムを用いて正確に答えるのは不可能なのだと推測します。次の様にしたら如何でしょうか。
・今回の質問は適当なところで締め切る(締め切らなくて辛抱強く待ってもいいかもしれませんが)。
・「が」と「は」について記された論文なり啓蒙書なり教養書の紹介を依頼する形で、改めて投稿する。「が」と「は」に焦点を合わせた論文を最近見ている筈ですが、中身は読まずに素通りしてしまいました。
・質問文の1と、「が」と「は」の問題は分離できませんか。間口が広すぎみたいな気がします。質問する立場では密着していて不可分の関係でもありましょうが。
旧知の間柄みたいな気がしています。気心が通じていると勝手に解釈し、思う侭を記しました。差し出し口めいた点があればお詫びします。
ありがとうございます。擬態語擬声語の質問で回答をしていただいた方ですよね。あの時も、丁寧に回答していただきありがたく思っています。
1.「ガ」の働きの一番目として「名詞と名詞をくっつける」と言うのは、おもしろいですね。直接結びつけるのではなくて、用言を通してもう一つの名詞にくっつけるということで、一種の節を作る働きがあるのだと感じました。
2.「は」と対比については仰るとおりだと思いました。
3.今、なかなかまとまった時間が取れないので、今回の質問については、後日、また、別にもっと整理した形で質問をさせていただこうと思います。
御礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。重ねてありがとうございました。
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