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以前、電子レンジの説明で分子の振動による摩擦熱というのは変だろうと思い質問しました。結果『水にマイクロ波を与えると、水分子がそのまま振動するのではなく、水分子が集団で作る分極Pが振動しようとする。しかし分極Pは電場の変化に少し遅れてついてゆく。そして、この分極Pの遅れでエネルギーの散逸が起き、最終的に熱になる。摩擦というのはこのことを素人向けに言っている方便。』という事で理解しました。さらに質問ですが、「エネルギーの散逸」とは何ですか?なぜ熱になるのですか? また、水が熱くなるということは、水分子が激しく振動することだと思います。「分極Pの遅れ」から「水分子の振動」にいたる過程はどんなものなんでしょうか?前回は家電製品で質問しましたが、今回は物理にしました。

A 回答 (5件)

こういうご質問は好きです。

とことんまでイメージできるまで疑問を持つのは理解を深めるためには非常に重要だからです。

厳密性よりはわかりやすさを重視して回答します。

まず、熱とは要するに分子の運動エネルギーである、つまり分子の移動なり回転なりの速度が大きくなることだというのはお分かりと思います。

で、電子レンジの電磁波、特に電界がこの水分子の集団に加わると、水分子は電界により移動します。ただこのときの速度はそんなに速くはありません。電界が変化すると、この移動を繰り返すことが起きます。ただこれは熱として考えられる移動速度と比較すれば随分とゆっくりとしたものです。

ところで、完全に追従するという場合を考えて見ましょう。電界により分子の集団が移動するということは、言い換えると、分子の集団の移動もまた新たな電界を生み出します。電界からエネルギーをもらって分子の集団は移動できる(移動するということは電磁波エネルギーが運動エネルギーに変わったことを意味する)わけですが、分子が得たその運動エネルギーは、また分子の集団の移動により電界をつくることになるので、またエネルギーは電界に変わるので、結局電界->分子集団の運動->電界となり、熱エネルギーに変わる余地はありません。

ただ、ここで問題は分子の集団にとっては、沢山の集団がいるため、互いにぶつからずに移動することは困難です。言い換えると、制約があるので完全に電界に追従できません。これは言い換えると追従できなかった分は衝突する分といえます。

そして、衝突するということは電界の方向以外の運動エネルギーに変わることを意味します。そうなると先の電界->運動エネルギー->電界という戻りにはならず、不規則な方向の運動ですから、そこでそ運動エネルギーのまま残ることになります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
なるほど、水の分子集団が分極を作るために移動するときにぶつかって運動エネルギーとして残る。分かり易いです!
電子レンジの周波数は2.45 GHzとのことですが、これより低いと水分子たちは電界の変化に完全に追従してしまい何事も起こらない。逆に高すぎると動けない。氷をチンしても温まらない?のはそのため。
ほどよいこの周波数では、水分子たちはわずかに遅れてついてゆける。遅れてついてゆく状態というのは、分子たちが押し合いへし合いながら動いているということ。その結果、ぶつかったり押されたりした水分子が振動を始める。この振動は赤外線領域で、熱である。
イメージできました。ありがとうございます。

お礼日時:2008/03/18 16:26

>しかし、直接水分子を揺さぶる赤外線レンジはなぜないのでしょうか?赤外線ストーブに水をあててもそんなに温まらないし、効率が悪いのかな?



赤外線を使う調理器はオーブントースターですね。
赤外線だと透過力がないので表面しか温まらないです。

赤外線を使うならグリルのほうが火力もあるし一回電気にしない分効率もいいのかも。

以上、余談ですが。
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この回答へのお礼

なるほど光に近いほど周波数が高いので透過しないんですね。
と思って、水をコップに入れ熱したヒーターにかざして見ると、ちゃんと赤く見えました。透過しないんでなく、ほとんど水分子を励起させずに透過してしまうのでは?

オーブンは、加熱された庫内の空気や水蒸気と壁からの赤外線で調理するんですよね。
グリルのヒーターの熱っていうのは、赤外線ですか?
本当の赤外線は目に見えない、たとえば石焼きイモの加熱された石から放射されている熱ですよね。

しかし、輻射熱って赤外線だと思いますが、ストーブから3mも離れると熱くない。逆に赤い光は100メートル離れても見えるってどうして?冒頭のコップの水と同じ?

あれっ余談でしたよね。
また別に質問してみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/24 00:26

>水が熱くなるということは、水分子が激しく振動することだと思います



振動という言葉の意味が広くて分かりづらいのです。
H2Oの中のH-Oの距離が変わるのも振動です。HOHの角度が変わるのも振動です。向きがふらふら変わるのも振動です。右に行ったり左に行ったりするのも振動です。
温度が高いといろんな振動が起こるようになります。でもやはり起こりやすいものと起こりにくいものがあります。分子内振動の方が起こりにくいです。
水をかき混ぜたりすると重心の運動や回転が起こります。巨視的な運動が収まった後に分子レベルでの運動が残ります。これが温度上昇に対応します。
外部から光や電波を当てた場合はその振動数に対応する運動のある場合でないとエネルギーが移りません。ミクロにかき混ぜる事になります。分子内振動は赤外線の領域にあります。回転運動は遠赤外の領域にあります。2.45GHzのマイクロ波ということですから回転運動を励起することも無理です。
電波を当てると電場が変化します。電場の力を受けるためには電荷が存在しなければいけません。分子で言うと極性がなければ電場から力を受けることはありません。H2やN2の伸縮振動の振動数は赤外領域にありますが赤外吸収は起こりません。極性がないからです。
中性の分子の並進運動を電磁波で励起することは出来ないはずです。分極があれば向きの変わる運動が可能です。

>水分子がそのまま振動するのではなくて

と書かれているのはこういうことを踏まえているのだろうと思います。
でも何らかの方法で水がゆすられているのです。向きが変わる運動によってです。
液体の水では分子と分子の間に力が働いていますから1つの分子が動けば周りの分子が引きずられます。逆に言うと周りの分子は抵抗として働きます。順にエネルギーが伝わっていきます。分子の衝突も起こります。

1つの分子が向きを変えることで起こる振動は周りの場に相当した固有振動が問題になります。1つの分子が向きを変える、別のところでまた別の分子が向きを変えるという集団での変化を見ると1つの分子では実現できない別の振動数に対応した運動が起こります。これが「集団での分極P」と書かれているものでしょう。

100℃の水蒸気の定圧モル比熱は37J/K,比熱比は1.33です。これは気体分子運動論では自由度7に対応します。重心運動で3、回転運動で2、偏角振動で2だろうと思います。偏角振動の振動数は4.8×10^13Hzですから赤外線です。
液体の水の比熱は気体の水の比熱の約2倍です。周りから受ける力の場の影響で温度を上げるのに余分な熱量が必要だからです。液体の水でも偏角振動は励起されていると思います。

マイクロ波でエネルギーを貰って赤外領域の振動までが励起されていることになります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>振動という言葉の意味が広くて分かりづらいのです。
科学をやっている人にとって、用語が曖昧に使われると気持ちが悪いんでしょうね。なんとなく分かります。ごめんなさい。

>分子内振動の方が起こりにくい
高温になるというのは、分子の運動が激しくなること、で誤ってはいないと思いますが、分子内振動(赤外線領域?)よりも分子があちこち動き回る運動のほうが多いということですね。なるほど。気体では圧力が高くなったりしますから、分かります。

>巨視的な運動が収まった後に分子レベルでの運動が残ります。これが温度上昇に対応します。
この「分子レベルでの運動」というのも上記のことですね。

>1つの分子では実現できない別の振動数に対応した運動が起こります。
水分子の固有振動は赤外領域だけど、水集団の電磁波に対する固有振動はマイクロ波領域だと思えばよいのでしょうか?

しかし、直接水分子を揺さぶる赤外線レンジはなぜないのでしょうか?赤外線ストーブに水をあててもそんなに温まらないし、効率が悪いのかな?

お礼日時:2008/03/21 12:01

えぇと....


「電子レンジの周波数 2.45GHz」ってのは, 特に意味のある数値じゃありません. 実際にはもっと広い範囲の電磁波を連続的に吸収します. 下は 1GHz くらいから, 上は 100GHz を越えるくらいまで.
ただし, 法律などの制限もあって「自由に電磁波を使ってよい」ということではなく, 結果的に 2.45GHz の周波数を使っているということになっています.
効率だけなら, もっと高い周波数を使いたいんだけどねぇ....
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
衛星放送とかレーダーとか、おわん型のアンテナが使われている領域ですね。

外部に漏れない(はず)の電波でも周波数は法律で決められているのですか?

しかし、一桁も周波数があがったら、ものすごそう。
武器になりかねないので、法律規制があるとか(そんなわけないか)

蛇口に取り付ける電子式瞬間湯沸し器(特許取れるかも)みたいなものが出来そうですね。

逆に氷用電子レンジを作るとすると(誰も要らないだろうけど)MHz単位になりますか?

お礼日時:2008/03/18 18:37

簡単に,水の分子配列をご存知として話を進めます.


不明の場合は,添付URLを参照ください.
水の分子配列は,微視的に見ると電気的に中性ではありません.
(巨視的には当然電気的に中性です)
つまり,電場をかけると水の分子は回転して一定方向を向きます.

電磁波は電場の変化が周期的に起こっていることですので
(磁場の変化も同じで起こっていますが)電磁波をかけると
水は,あっちを向いたり,こっちを向いたりするようになります.
電磁波の周期(周波数の逆数)を小さくしていくと
(周波数を高くしていくと)水の分子は回転していきます.
さらに周波数を高くすると,水分子の回転がの周期より
電場の切り替えのほうが早く行われるようになり,電場の変化に
対して水分子の運動が遅れて進行する様になります.
運動が見えるとすると,水分子が首振りのように
振動することになります.
このとき,エネルギーが失われ,熱が発生するというのが,
電子レンジの仕組みだと思います.

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
電磁波により水の分子そのものが振動すれば、すなわち熱の発生ということになってしまいます。電磁波により振動するのは個々の水分子ではなく水分子の集団が作る分極Pで、Pの振動が与えた電磁波より遅れるためエネルギーの散逸が起こり、熱が発生する。結果、個々の水分子の振動(=高温)が激しくなる。ということのようです。http://atom11.phys.ocha.ac.jp/water/microwave.html
質問は、エネルギーが失われるとなぜ熱になるのか?そして、なぜそれが水分子の振動となるのか?ということです。
このあたりはいかがでしょうか?

お礼日時:2008/03/18 10:00

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