プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

金管楽器は自然倍音を使う部分があるため,純正律で音程が調整されているものと思われますが,木管楽器もやはり純正律で音程が調整されているのでしょうか.また,構造的には管楽器に似ているパイプオルガンの音程も純正律で調整されているのでしょうか.

A 回答 (2件)

管楽器や、弦楽器、人の声などは、耳が良くて、演奏技術があれば、微妙な音程を調整できますので、優れた演奏団体は、たいがいの場合、純正律のサウンドを出しています。


楽器が純正律に調整されているというより、奏者が純正な音程を作り出していると言えます。
ご承知のように金管楽器は、昔はバルブが無く、ただの筒を巻いただけだったので、倍音だけで音階を鳴らしていました。もちろんその管楽器の低い音域では基音と完全五度だけしか出せませんが、うんと高いところだと、倍音の刻みが細かくなるので、自由に音階が吹けたのです。木管楽器は、最初から指穴がありましたが、微妙な音程調整は、息の圧や、歌口に対する息の方向で奏者がやっています。このように音程と音色を奏者が作る楽器を「作音楽器」とも呼んでいます。ギターなどのように、音色は奏者が作るが、音程は楽器任せというのは「半作音楽器」と呼ばれます。
パイプオルガンは、発音原理はリコーダーやオーボエなどと同じですが、一つの音に一本以上のパイプが割り当てられており、少なくとも鍵の数だけのパイプが立っています。
一つの鍵盤に対して複数のパイプを持っていて、切り替えで音色が変えられるのが普通ですので、パイプの数は鍵の数の2倍も3倍にもなります。
調律は、色々な種類があり、ルネッサンス期は純正律の楽器もありましたが、純正律では特定の調の曲しか演奏できません。純正律というのは自然倍音にピッタリの音を出すということですから、転調したときには、転調先のKeyによっては著しく和音が濁ります。
中世・ルネッサンス期は、ハモリはオクターブか完全五度で転調は無しだったので、これでも良かったのですが、バロック期に入ると、ハモリも複雑になり、しきりに転調しますので、転調してもそう不快でない調律方が色々考案されました。
「ミーントーン」、「ピタゴラス」、「ヴェルクマイスター第三調律」、「キルンベルガー」、「ヤング第二調律」などが有名どころです。ピアノやハープシコードと違って、あとから調律というのが出来ませんので、オルガン制作家はそうとうに頭を悩ませていたのです。また基本ピッチについても、A=413~460Hzくらいまで色々ありました。
ヨーロッパ各地の古いオルガンは、ピッチや調律法の流行により、パイプを切られたり、継ぎ足されたりされて、出来たときのままという楽器は少ないです。最近作られている楽器でも平均律というのは少なくて、「ヴェルクマイスター第三調律法」などで調律される場合が多いです。バロック後期に確立した「平均律」は平均に濁りがあり、あらゆる転調に耐えられるものの、「調による個性」がありません。バロック時代のオルガン調律は、調ごとに濁り度の違いがあったのです。バッハ以前の時代には、転調を繰り返した末、原調に戻ってくると、奏者には戻ってきたという実感が相当あったと思われます。また聴き手も同様に、調によって濁ったり純んだりする響を万華鏡のように楽しんでいたはずです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

大変お礼が遅くなって済みませんでした.
詳細なご回答有り難うございました.状況がよくわかりました.

お礼日時:2009/04/26 00:45

この部分だけコメントしますね。



>金管楽器は自然倍音を使う部分があるため,純正律で音程が調整されているものと思われますが,木管楽器もやはり純正律で音程が調整されているのでしょうか

少しニュアンスが違うと思います。
「管楽器は純正律で音程を取ることが出来る」というニュアンスの方が正確です。
管楽器は設計上の「つじつま」を合わせるために、音によっては演奏者が物理的に管の長さを変化させないと正確な音程が取れない構造なんです。

例えばバルブのある金管楽器の場合、特定の管の組み合わせの時に音程が上ってしまうので、楽器を操作して管の長さを補正します。

http://www2.yamaha.co.jp/u/naruhodo/05trumpet/tr …
このリンク先のページの真ん中くらいに「トランペットの各名称」という図がありますが、この図にあるトリガーと呼ばれる「輪っか」に指を入れ、特定の音の時に操作して管の長さを伸ばします。



ご参考まで。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

返事が大変遅くなり,済みませんでした.
ご説明有り難うございました.

お礼日時:2009/04/26 00:47

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!