
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんわ
結論から言うと、全階級順当な結果となった、と考えています。
谷本と上野は、最終的に上野選手の「試合運び」に残念なところがありました。
いわゆる、柔道選手としてからの「格」から言うと、谷本に軍配が上がります。そうした中、上野選手は、まず勝つことが最重要課題であり、プラスアルファとして、「勝ち方」が問われる試合でした。
結果として勝利を収めましたが、組み手を封じてやや浅めで技に入る、という「谷本封じ」の試合運びをして勝った、といえます。いわゆる「よく研究してきた」という形です。上野選手の課題が「谷本に勝つこと」であれば、これでよいのですが、谷本に勝つ=世界で上位に入る、とはなりません。上野選手が五輪に出た場合、多くの選手が彼女の「格上」となるわけで、この場合、研究して、封じて、勝つことに加えて、「自分の柔道で勝つ」ことが大事になります。
終盤、一度、上野選手が谷本選手の両袖を持って、動きを封じ、体勢も十分、かたや谷本は、どこも持てず、やや崩れ気味の体勢になったことが場面がありました。両袖というのは、組み手として十分とはいえないですが、あの場面は明らかに「上野十分の体勢」という場面でした。
ここで、上野選手は、全く動くことが出来なかったのです。
非常に短い時間ですが、この場面は、「今後」を考える時に、「負けない柔道、相手に勝たせない柔道をすることは出来ても、自分が勝つ柔道はできない」という上野選手の(一般柔道人よりはるかな高次元での)弱さを露呈した場面といえます。
仮にここで、返されてもいいから、釣り込み腰や巴投げ、少なくとも足技を放つなどして、次へ次へとせめていくことが出来れば、かつ、その上で試合が上野選手の勝ちであったら、「上野は、過去の上野自身を越えた。封じられて動けない谷本より上野がよいのでは」という評価になったと思います。
柔道は、一瞬が勝敗を分かつ競技なので、特に、格上の選手と戦う際に、一瞬の「十分な組み手」「有利な組み手」になったときに、動きが止まる選手(ここには、迷いや不安、同時に、「あ、有利な組み手をとれてしまった。どうしよう」という動揺があります)は、(はるかな高次元で)弱い選手ということになってしまいます。
こうしたポイントは、それこそ、中学や高校の団体戦の選手選出(レギュラーと補欠の差)でも、問われてくる、非常に重要な問題です。
ここを、今回(も)上野選手は越えられなかった。非常に残念ですが、「勝ち方」が課題であった上野選手は、課題を越えられなかった。
逆に言えば、仮に、上野選手が、谷本選手を封じつつ、なおかつ、自身の組み手となった時果敢に攻めることが出来ていたならば、内容によっては、負けても代表だったかもしれません。
他方で、谷本選手は、研究をしてきて、「勝たせない柔道」を仕掛けた上野選手に勝つことが出来なかったわけですから、当然、五輪では、外国人選手が、みな谷本をターゲットにしてくる中、それを跳ね除けて勝つことができるか、という大きな課題が残っています。
本来、谷本選手も、今回の五輪での上位を目指すならば、研究と対策を練ってきた上野選手を、「そんなのかんけーねー」とばかりにねじ伏せる強さが必用だったといえます。その点には、不安が残りますが、最終的な分かれ目は、「負けないように、勝たせないように戦ったが、自身の柔道で勝つ、という点に弱さがある上野選手」と「研究され対策される中で容易に勝てる試合が少なくなってきているが、何があっても自身の柔道で勝つことを志向する谷本選手」という、両者のスタイルの違いにあったのではないか、と考えられます。
単純な勝ち負けを越えた、しかしながら、勝負事の本質なポイントが、選考の結果になったと考えられます。金メダルやメディア露出やネームバリューといった、谷本選手の過去の実績は、研究が進んでいる中では、そんなに加点はされないところだと思います。欧米がプロ化を画策する中、日本はかたくなにアマチュアを志向していますから、「客寄せパンダ」は必要としていない、というところです。出して惨敗したら、一気に「柔道つまんないじゃーん」と、にわかファンすらはなれていきますから(笑)。
後は、野村ですねー。残念です。正直、ある種の「喪失感」に襲われています(笑)。
ですが、やはり、「限界」だったのではないかな、と思われます。過去の3連覇の偉業も、難なくであったわけではなく、「勝っちゃった」一回目、「ほんとに強いじゃん」の二回目の金の後、抜け殻になって、一度、(半)引退してましたから。その後、唐突に「もう一回でたいなー」と復帰したわけですが、その時点(5、6年前ですかね)でも、「さすがに無理だろ」感はありました。が、復帰後、ガンガン勝ち続け、一気に、候補の筆頭、そのまま出場して、前人未到の三連覇ですから、とんでもない選手です。ずっと第一線でやってたわけではなく、何回か「あー、なんか気乗りしないなー」的に(笑)退いてた時期があるわけですから。
今回は、長くモチベーションを持続させて来ましたが、去年の故障が痛かったと思います。本来、年末の嘉納杯(東京国際)に出場して、優勝、少なくとも上位に入るかして、その後体重別、というプランだったようですが、一番大事な時期に、故障とリハビリで退いていたというのは、実戦の中で感覚を研ぎ澄ませて行き、マックスを五輪に持ってきて勝って来た野村としては、「復調」「調整」すらできないところだったのではないでしょうか。彼の魅力と強さは、「セオリー無視、とんでもないところで投げてしまう、類稀な柔道センス」にある、と考えていますが(いわゆる天才肌、の由縁ですね)、そうした彼の最大の武器である「柔道勘」というヤツが、完全に狂ってしまったと見ました。
嘉納杯を見に行った時、スーツ姿の野村を見たのですが、歯軋りしていそうな、厳しい顔でした。有名柔道家のオーラというより、こぼれ落ちていく何かに悔しくて仕方ない勝負師の歯噛み、という感じでした。「サインくださーい」とは、とてもいえなかったです(苦笑)。
方や、代表になった平岡は、ここ2年くらいでまさに昇り竜の勢いで勝ち続けて、勝ち方も実にすばらしく、文句なしの代表選出だと思います。
野村と(レベルは金と馬糞くらいの差があっても)同世代の柔道人として、是非とも「年齢から来る体力の衰えをものともしない、凡人のあこがれてやまない天才の柔道」をもう一度大きな舞台で見たかったところですが、仮に、直接対決で平岡を制したとしても、今の調子では、五輪で上位は困難な気がします。
古賀や吉田も、長く戦いましたが、彼らも志半ばで一線から去ってますから、必ずこういう悲しい時期は来るものですな、と感慨にふけりつつ。
ただ、それこそ客寄せパンダ的に「4連覇なるか!」「長くやり続けた野村に最後の花道を!」的な庶民感覚で代表に選出して惨敗した場合、次世代の選手の貴重な機会を奪うわけですから、「勝つ選手」「勝てる選手」「勝ち続けうる選手」を選出するのも、非情と思えても、当然のことといえます。
平岡も、気風のいい、いーい柔道しますよ~。こないだの嘉納杯で惚れました。勿論、五輪という舞台でそれを出す(野村並の)タフな心臓を持っているか、という課題はありますが。
後は、負けて代表と言えば、谷だけでなく、女子の中澤など、決勝にもいけなかったのに、代表です。それもまた、決勝にあがった選手に(はるかな高みで)世界で戦うスケールの大きさがなかったからともいえます。表面的には「過去の実績」のみのようですが、やはり、代表になった選手には、代表になるだけの「他とは違う何か」がある、と言えると思います。それは、今回、全階級に言えるところだと思えます。
後は、男女の最重量が残っていますが、問題は男子ですね。今回欠場の石井、さっくり負けた高井、さらに、今回、井上の腕を折ってでも勝とうとした(しかも、2度折りに行きました)立山といった若手、そして、今回、やっとがむしゃらさを取り戻した井上と、静かなるエース棟田、最重量級は、本当に楽しみです。
アホのようで恐縮ですが「みんながんばれ」試合になったら「どっちも勝て」と応援したくなります。
勝ち負けや、過去の実績にとらわれず、「こいつは、目の前の相手に勝とうとしているのか、それとも、自分の柔道で勝とうとしているのか」という、勝敗を越えた、一流選手の醸し出す独特の色彩、それらに着目すると、月末の全日本も、今回以上に白熱した観戦を楽しめると思います。
大変長くなって恐縮ですが、市井の柔道人の与太話でした。
何かの足しになれば幸いです。
それでは
ご意見有難うございました。
回答者様のコメントを拝見して、『なるほど、そうかなぁ』という気がしました。
柔道選手としての格という側面からみれば、順当だったのかも知れません。
体重別選手権でも、反則、指導レベルで勝敗が決まってしまい、真の実力発揮できていない選手、試合もありました。
これまでの実積で、谷、野村、井上、谷本などを選ぶ(選ばれない人もいた)べきと意見が多かったでしょうね。
選手選考は本当に難しいですね。
No.5
- 回答日時:
結局、選考大会とかいいながら、最初から結果が決まっていたようなもんです。
上野選手は2回も谷本を破っているのに選出されなかった。「選考はもめた」だの
「上野は欧州大会でもかけ逃げ、かけ倒れ、かけつぶれが多く、一本を取る柔道が出来ていない」だの
「金メダルを狙うには一本を取る技が必要との判断」だのと
なんだかんだと理由を述べていますけど
結局、谷本を選びたかったんじゃないですか?
谷本の背後には古賀が居る
いくら強くてもコネには勝てません
No.4
- 回答日時:
日本柔道に金を取らせ、取ってもらわなくては柔道連盟は困るわけですから、安定した勝ちを取れる人間を選んだのではないかと思います。
私的には谷ではなく山岸に行ってもらいたかったのですが、安定した勝ちができるかを考えた場合には微妙なところです。
要するに柔道連盟はオリンピックのプレッシャーにも負けずに金がとれる選手かどうかというとこを考えて選んだのではないかと思います。
ただ期待していなかった選手が金を取ることも多々あり、オリンピックに何度も出ている選手は研究され尽くしているので、オリンピックの出場常連選手を選んだ場合、今度の北京では日本柔道惨敗になる可能性が高いかもしれません。
回答有難うございました。
かっての野村選手、瀧本選手、中村謙三選手など、ノーマークで金を取った選手もいますね。
私は谷選手は好きでないので、回答者様と同意見です。既に2度目も頂点を極め、何で現役を続けているんだろう?と。
引退して、主婦業専念、後進に道を譲ってもいいのになぁと感じます。ここ一番の実力があるんでしょうね。
選考会で谷選手に誰が勝っても、結果は覆ることはなかったでしょう。それだけ世界で勝てる確立のある選手がいないということではないでしょうか?
上野妹-谷本の試合でも、上野が圧倒的な内容の試合で勝ていても、同じだったのかも知れません。
少し前の試合で、大外刈りで一本勝ちしていましたが。
No.2
- 回答日時:
柔道はいつも名前だけで選んでいるように思えますね。
この辺りは我々素人にはよくわからないですね。谷選手も前回に引き続き決勝で敗れたのに代表になって世界選手権で優勝し実績を残したので、まぁ仕方ないかなとは思います。でも野村の場合はアテネ後は目立った実績を残していないので、その後実績を残した平岡と決勝で一騎打ちかと思いきや、その前に惨敗です。初戦も格下相手に延長戦に持ち込まれるなど精彩もなく、斉藤監督が五輪で金メダルを取った選手とは思えないと酷評したぐらいなので、私は平岡で納得です。素人考えですが、仮に決勝で対戦しても負けたのではないかと思うぐらいです。
いずれにしろ選考方法が不透明な部分があるので、フィギュアスケートのようにポイント制などで素人でもわかり易くしてほしいです。
ただ、これで五輪の出場がみんな決まったわけではありません。男子は5階級、女子は1階級でまだ五輪の出場枠を取っていないので、今月のアジア選手権で上位に入らないと出場できないんですね。昨年の世界選手権で外国選手の「変則柔道」に対応できずに惨敗してみんな出場枠を確保できなかったので、その対策が出来ているのかも心配です。
No.1
- 回答日時:
回答でもないのですが・・・
非常に多くの人が疑問に思っているでしょうね。
でも、この問題は決して我々部外者ではわからない。
ブラックボックスです。
決定者側は、どんな理屈でもつけられるでしょう?
でも、結局行かせたいと思っている人を行かせたいんですよ。
谷でもそうですよね。
どうしてもどうしても谷を行かせたい。その思いがアリアリです。
金メダルの実績重視ならば、3連覇している野村が、「昨日負けたから」と外されることに
理由がつかない。
もともと過去から、誰よりも実績が勝っている野村の扱いは
低かったでしょう。
金か、権力が動いていると思われても仕方ないと思います。
とにかく不明瞭すぎますが、一発勝負でない限り、どうだって理由付けはできます。
マラソンみたいです
回答有難うございました。
谷本選手の柔道は好きです。上野妹選手は勝つには勝ちましたが、チマチマした勝ち方で、内容が今一つに思えました。
谷選手に勝った山岸選手も気の毒でしたが、やはり世論は谷選手に注目が集まり、どうしても彼女を代表にしないと、全柔連にクレームが殺到したと思います。
選ばれなかった野村選手も五輪4連覇を目指し、現役を続行していましたが、選んで欲しかった選手の一人です。負けたけど『野村を、北京、行かしたれや』『ずっと頑張って来たやないか』と全柔連の人に言いたいです。
五輪3連覇した時も、谷選手ばかりメディアは取り上げ、その偉業を評価されていないように思い、腹が立ちました。
選手としては既にピークを過ぎている野村選手ですが、選ばれた平岡選手はまだ若いし、次もあり、ここは野村選手に最後の花道を飾らせたかったと情に弱い多くの日本人は思っていたのではないでしょうか?
マラソンの高橋選手のように明らかな惨敗なら諦めも付きますが、4連覇を目指した野村選手、姉妹出場を目指した上野妹選手は可愛そうでなりません。
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