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恋愛について、経験した人の発言には古今東西を通じ多くの共通点があるように思われます。
(特定個人への強い思い入れ、高揚感、精神的不安定さなど)
一方で恋愛なんて全くしたことがないという人もいて、個人間の違いが大きく
文化・社会によって作られる概念に過ぎないという意見も聞かれます。

"恋愛"と"ヒトの脳の生得的な機能"の関係についての科学的な研究はどの程度進んでいるのでしょうか?
恋愛中の人の脳を調べたら、何か共通点を見つけることはできますか?

また、このテーマにつき信頼できる書籍があれば、それも教えていただければ幸いです。
(検索して調べても、「科学っぽい」言葉を面白がって使っているだけの本が多そうなジャンルでしたので…)

A 回答 (5件)

こんにちは。



>恋愛について、経験した人の発言には古今東西を通じ多くの共通点があるように思われます。(特定個人への強い思い入れ、高揚感、精神的不安定さなど)
>一方で恋愛なんて全くしたことがないという人もいて、個人間の違いが大きく文化・社会によって作られる概念に過ぎないという意見も聞かれます。

「生殖行動」といいますのは「種に固有の本能行動」であり、これに従って選択される反応や行動は「全人類に共通」です。これに対しまして、「恋愛感情」といいますのは「学習結果に基づく反応」でありますから、こちらは生得的に定められたものではなく、生後環境や個人体験によって後天的に獲得される「個体に特有の学習行動」ということになります。
ですから、人類に共通するのは本能行動の基準に従って選択される部分であり、ここには先天的な遺伝情報として以下のような反応様式が定められています。
「性的成熟に従って内的欲求が成立する」
「性的に成熟した異性が外的刺激となる」
「生殖ホルモンが分泌され接近行動が選択される」
恋愛は学習行動ですから、個人の好みや価値観によって結果はみなバラバラです。ですが、幾ら個人の自由だからといって対象が同性や未成熟の子供では子孫繁栄の目的を十分に果たすことができません。では、世界中でほとんどのひとが相手に異性を選ぶのは、それは恋愛というものが生殖行動の判定基準に従って学習される行動様式であるからです。

我々動物にとって学習行動といいますのは遺伝情報では予測することのできない「生後環境の変化」に対応するためのものです。ですが、基本的にはそれは「生物学的利益の獲得」という大前提に従うものであるため、結果的にはそのほとんどが生きてゆくための本能行動を支援する方向で形成されます。ですから、恋愛感情といいますのは生得的に定められた本能行動の基準に従って学習される反応でありますから、そこには当然、人類に共通する条件が存在し、結果的には我々の生殖行動をより効率良く実現するために働くことになります。そして、人間の脳といいますのは行動選択に関与する中枢が三系統に機能分離しており、我々が恋愛や結婚に際して行う判断も以下のように役割の異なる場所で分担されています。
「生殖行動:生殖中枢(本能行動)生得的欲求に従って選択される行動」
「情動行動:大脳辺縁系(学習行動)情動反応に従って選択される行動」
「理性行動:大脳皮質(学習行動)原因と結果を自覚した計画行動」
このうち、「恋愛感情」といいますのは大脳辺縁系に獲得された「情動反応の結果」であり、「特定の恋人に対する報酬行動」が学習されたものです。

上記三つの中枢系は並列回路として接続されています。
ですから、通常、生殖行動の場合は、
「刺激入力―生殖中枢―自律神経系―生殖行動」
という経路で行われるわけですが、脳内では学習機能を持つ大脳辺縁系の回路がバイパス接続を作っていますので、ここに特定の異性にする報酬刺激が学習されますと、
「刺激入力―大脳辺縁系―自律神経系―生殖行動」
という学習行動が可能になります。
これが「恋愛感情」であり、我々はこれによって「恋人」という特定の条件に対してより強い情動反応を発生させるようになります。
生殖行動でしたら「性的に成熟した異性」という条件が整いさえすれば実現は可能です。
ですが、
「好みのタイプ」あるいは
「容姿や人柄」
このような恋愛の相手に対する個人的な評価といいますのはみな生後体験を基に大脳辺縁系に学習されるものです。
ならば、
「恋は盲目」
「あばたも笑窪」
このようなものが「大脳辺縁系の情動行動(個人的価値観)」であるのに対しまして、
「結婚するなら高学歴・高収入」
というのは、果たして未来の結果を予測した「大脳皮質の理性行動(文化的価値観)」ということになります。
このように、恋愛といいますのは本能行動を基準とした学習行動であり、その学習結果には「個人的価値観」と「文化的価値観」の双方が共存します。
ですから、人間の恋愛行動には、
「人類の共通性」
「個人の個性」
「社会的な画一性」
このようなものがごちゃ混ぜになっていても全く不思議ではないわけです。
そして、我々人類はこのような脳の高度な機能を使い、自らの複雑な社会環境に適応した生殖行動を実現しています。

>"恋愛"と"ヒトの脳の生得的な機能"の関係についての科学的な研究はどの程度進んでいるのでしょうか?

脳科学では恋愛というものを特別な生理現象としては扱いません。
只今述べました通り、恋愛感情といいますのは入力に対する学習結果であり、現在ではそれが大脳辺縁系の情動反応であることが解剖学的に特定されています。そして、ここで解明されなければならないのは、どのような入力に対してどんな反応が発生するかではなく、その生理学的な構造です。では、恋愛というものの性質や特徴を基にその概念や定義を弁別するのは飽くまで哲学や心理学の役割でありますから、脳科学の分野ではこれに関する科学的な課題というのは特に残されていません。

>恋愛中の人の脳を調べたら、何か共通点を見つけることはできますか?

何も見付からないです。
繰り返すようになりますが、それは学習された反応の結果でありますから、我々の脳内に生理学的な変化というものは何も見付かりません。強いて申し上げますならば、学習記憶回路の接続・強化という可塑的な変化が発生しているのは事実なんですが、残念ながら現時点では脳内のそれを判定するための技術がありません。但し、脳波や磁気計測装置などによる測定はできますから、恋人の声や写真などに特定の反応が発生するならば、それをそのひとの恋愛感情とすることはできると思います。
我々は良く恋するひとの態度を察することがありますが、それは大脳辺縁系に発生する情動反応が自律神経系を介して無意識のうちに身体に表出されてしまうからです。ですが、これは単に神経系の反応結果なのですから、別にそのひとの脳が恋の病に侵されているというわけではありません。では、それが簡単にバレてしまうのは、外に表れ出たそのひとの行動と現在の状況を比較するならば、経験上、誰にでもそれを恋と分類することができるからです。
このように、それが恋であるかどうかといいますのは「入力(状況)」と「出力(行動)」によって評価されるものであり、神経系の生理的変化によって決定されるものではありません。

>また、このテーマにつき信頼できる書籍があれば、それも教えていただければ幸いです。(検索して調べても、「科学っぽい」言葉を面白がって使っているだけの本が多そうなジャンルでしたので…)

ご回答致しました内容は「ポール・D・マクリーン」が論じました「脳の三位一体説」に基づくものです。現在、この仮説は脳科学の主流として広く支持されていますので、学術的内容をご希望でしたら一読をお勧めします。
この三位一体説は「脳の解剖学的事実」に基づいて従来の認識を大幅に変更するものでありますから、未だこれを用いない恋愛論や心理学説があるならば、そのようなものには科学的な根拠はほとんどないと考えて頂いて構わないです。
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この回答へのお礼

たいへん丁寧なご回答ありがとうございます。
「恋愛は普遍的なの? 個人の思い込みなの?」なんて疑問をもっていましたけれど
それぞれの要素があるんですね。

お礼が大変遅くなりまして、失礼いたしました。

お礼日時:2008/06/29 14:39

こんにちは。



ごめんなさい、ド素人です。
「恋愛感情」というもの、結局は「繁殖欲」「生殖本能」の婉曲な言い回し・すり替え・ごまかし に過ぎないんじゃないでしょうか。ヒトの理性がオブラートに包ませる(笑)自分がいわゆる年頃だった時代を振り返っても、中年になった今では「あー、そうだったんだなぁ」と思います。
感じ方や表現方法は様々でも、つまるところ男性ホルモン・女性ホルモン・性腺刺激ホルモンの作用の強弱ではないですかね。そう言ってしまうと身も蓋もないものを、文化や芸術にまで高められるのがヒトのすごいところだと思います。
参考にならなくて、すみません。
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この回答へのお礼

単なる性欲では説明しきれない部分が、あるんじゃないかなーと思ってはいるのですが。
あってほしい、という願望かもしれません。

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/06/21 18:30

この分野の学者ではないので


的確な本は紹介できませんが、
「浮気をする脳」
という本が出ています。
恋愛に関する脳科学、心理学の原著論文を引いて
非常に砕けた表現でうけをねらった解説がついています。
論文のタイトル、著者、雑誌名がきちんと
記載されていますので、この本から
入って、原著論文に当たっていくのがいいのではないか?
と思います。
どの本もおおかれすくなかれ、一般書になると
科学っぽいだけできちんとした科学ではありませんから、
本から入って、論文にじかに当たっていただければと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
読む論文を探す資料として使えばいいんですね。なるほど。
原著論文というのが、どれくらい理解できるものかはサッパリわかりませんが、覗いてみようと思います。

お礼日時:2008/06/21 18:09

聞いたことがないですね。



多分「恋愛状態にある」という定義を科学的にするのが難しいでしょう。

研究テーマにしたいってことですかね? であれば、本来は文献検索するんでしょうけどね。

調べたら何かわかるかもしれないけど、恋愛してても忘れてる時間もあるわけで、かなりカオスな結果が得られそうですけど。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
研究テーマにしたいということではありません。
単なる興味です。

お礼日時:2008/06/18 14:58

生命 - Wikipedia


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E5%91%BD

人間に限らず・・・生命は
・生命の維持
・生命の増殖
が、なされます
そのうちの「生命の増殖」の延長線上に、恋愛感情と言うものがあると考えられてます
要は、人の脳ではなく、生命の本能と言う話ね
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
しかし、生命の本能だからといって「脳ではなく」と言えるのかについては疑問です。

お礼日時:2008/06/18 14:37

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