A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
pn接合ダイオードの「拡散容量」を特に問題にする場合とは、その動作周波数に起因する特性を向上させたい場合が多いと思われます。
(より具体的にはデジタル通信の信号波形のSN比向上などです。)pn接合に順方向に正の電圧を印加した場合を想定してみてください。それまでpn接合は熱平衡状態で接合部付近にはp層側にもn層側にもそれぞれ空乏層(キャリアが存在しない空間)が広がっています。しかし、電圧が順方向に印加された直後にその空乏層には怒涛の如くキャリアすなわち電子または正孔がそれぞれ拡散してきて、あたり一帯はキャリアの流れに埋め尽くされた状態になります。
あらためていくつかの教科書類を捜しましたが「空乏層が順方向電圧によって極めて狭くなる」と解説しているものはあるのですが、「空乏層幅がゼロになる」と踏み込んで記述しているものはありませんでした。そして Vd-V ( Vd=ビルトインポテンシャル、V=印加電圧 )についてVd>Vの場合の計算はさかんに記載されていますが、 Vd<Vの領域の話は避けている・・・という感じです。 事実上、順方向時にはその空間にはキャリアが存在しているので「空乏」でないことは明白なのですが・・・・と、それはいいとして、話をもとにもどしますと・・・pn接合位置からn層側に流れ込んだ正孔と、その逆でpn接合位置からp層側に流れ込んだ電子をいずれも少数キャリアと呼びます。これら少数キャリアは、外部に接続した回路から見ると電荷増をもたらし、かつ「容量成分」(Q=CVの関係)として信号波形に現れる(矩形波がなまったり、尾を引いたりする)存在となる・・・という理解です。
回路シミュレータのSPICEでは、この拡散容量Cdと空乏層による接合容量CjをC=Cd+Cjとして扱っているようです。順方向時にはCj=0とすればよいだけですから簡単ですね。(ただ、この点は実際にそう扱って計算しているかどうかは、その道の専門の方に確認したほうがいいです。)
ところで拡散容量の値(大小)は少数キャリア自身の寿命(ライフタイム)によって左右されます。つまり少数キャリアは多数キャリアといずれどこかで再結合するわけですが、その再結合で消失するまでの時間が長いほうが単位時間当たりより多くの電荷として容量成分を発揮することになるからです。 そしてそのほうが好都合というのが光デバイス系(LED、LDなど)ですが、電子デバイス系はそれでは困るという場合が多いようです。そのため少数キャリアの「寿命」を短くする・・・という意味で「キラーセンター」となる不純物を意識的に導入したりします。これはメーカーによって違うようで、たいていは企業秘密で教えてくれないものだったですが、いまはひょっとしたら簡単に分析されてしまうのではじめから公表しているかもしれません。キラーセンターのセオリー(要件)としては深い準位(ディープレベル)を形成する材料ということになります。例えばシリコンに対しては金(Au)だったりします。浅い準位(シャロウレベル)のものは再び活性化したりして「再結合中心」として働かないのでキラーセンターとしてはNGなのです。 以上、余計なことまで書いてしまいました。ご参考まで
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
pn接合に順バイアスをかけると、
n型領域にある電子がp型領域に拡散し、
p型領域にある正孔(ホール)がn型領域に拡散します。
拡散したキャリア(電子、正孔)は、行き先にある相手と「心中」、つまり、対消滅します。
p型領域に拡散した電子は、正孔と心中、
n型領域に拡散した正孔は、電子と心中
です。
しかしながら、拡散してから対消滅が起こるまでには、少しだけ時間の猶予があります。
ですから、順バイアスし続けている条件の下では、p型領域に拡散した電子、および、n型領域に拡散した正孔は、常に、一定数存在している状態になっています。
これはまさに、充電されたコンデンサと類似の状態です。
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