ガラス転移温度以上におけるゴムの伸張はエントロピー弾性であり、伸張することによりエントロピー(乱雑さ)が減少し、それを回復させようとしてゴムが縮む、というのは分かります。ですが、伸張長一定で温度を上昇させる(T>Tg)と張力が上昇するというのが理解できません。
温度が上昇するのだから様々なコンホメーション変化が可能となる、即ちエントロピーは上昇し、張力は低下すると思うんですが…。
どなたかこの考えを正していただけませんか??物理化学からは数年間逃げ続けてきたのであまり記号等を使わない説明をしていただけたらうれしいです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
丈夫な輪ゴムにおもりをぶら下げます。
おもりは伸びの限界近くになるように調整します。この輪ゴムに熱湯をかけます。輪ゴムは急に縮みます。温度が低くなるとまた伸びていきます。火傷に注意しさえすれば誰にでも出来ます。
様々なコンフォーメイションが可能だということに両端が固定されているということを組み合わせてみてください、固定されていない中央部分の動きが大きくなる→両端は引っぱられる ということになりそうですね。
ご回答ありがとうございました。さっそく研究室のゴムチューブで試してみました。
伸張は減少したエントロピーを回復しようとしたエントロピー上昇過程、昇温後の張力増加は単純に昇温によるエントロピー上昇過程という考えに両端が固定してあるという事をプラスすればいいわけですね!?
とてもわかりやすくて助かりました。またよろしくお願いします。
No.5
- 回答日時:
No.4さんの指摘を受けてもう一度考えました。
ごめんなさい。わたしの理解が間違っていました。
一般の物質:伸びた状態のほうがエントロピー大
ゴム:縮んだ状態のほうがエントロピー大
ということですね。わたしの修行が足りませんでした。
質問者さま、お騒がせしました。
No.4さん、ありがとうございました。勉強になりました。
No.4
- 回答日時:
> ゴムは温度を上昇させるとエントロピーが減るんですか!?
いいえ。減りません。たいていの物質と同じように、温度を上昇させるとゴムのエントロピーは増えます。
記号等を使わないと私はうまく説明できませんので、ここで長々と説明はしません。ただ、現象をある程度まで把握したあとは、物理化学と向き合ってみると理解がより深まるんじゃないかなあと私は思います。
参考文献
[1] 横田伊佐秋著「熱力学」 9-2節 ゴム弾性 161~163ページ, 岩波書店.
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocD …
[2] 久保亮五編「大学演習熱学・統計力学」 “ゴムひも”に関する問題と解説(さくいんから辿れます), 裳華房.
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocD …
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocD …
ご回答ありがとうございます。
物理化学は以前アトキンスで勉強していたのですが途中で投げ出してしまいました。いい機会なので少し勉強してみようと思います。
No.3
- 回答日時:
No.2です。
その通り。エントロピーは減ります。
運動場に並んでいる生徒たちの例を書いたように、手をつないでいなければ自由に動きまわりなさいと指示すれば、運動エネルギーの増加となります。全体としては体積が増えます。
ところが、手をつないでいれば自由に動きなさいと指示されてもお互いに引っぱり合って逆に動けず、全体としては縮みます。ミクロブラウン運動の結果として、エントロピーは減少することになります。
卵のパックをガスの火にかざしてみてください。あっという間に縮みます。プラ板が縮むのも同じ現象です。
No.2
- 回答日時:
No1.の方の書かれている通りです。
エントロピー弾性については、わたしも昔いろいろ考えました。
運動場に生徒が整列しています。生徒たちが勝手に動きまわると列が乱れて全体が広がります。
今度は生徒たちは手をつないで並んでいます。手をつないだまま勝手に動きまわろうとすると、列の端のほうの生徒は列のまん中に引っぱられていきます。お互いに動きが制約されて、全体には広がらずに逆にダンゴのように狭い範囲に固まってしまいます。
前者は一般的な物質です。温度の上昇と共にエントロピーが増えて体積も増えます。
後者がゴムのような高分子のエントロピー弾性の正体です。温度の上昇と共に取り得るコンフォメーションが減って(エントロピーは減る)結果として体積が減ります。
こんな実験があります。
輪ゴムを両手の指にひっかけて唇にあててみてください。
今度は指で左右にのばして唇にあててください。さっきよりもあたたかく感じます。
もう一度伸ばさない状態で唇にあててみてください。今度は冷たく感じます。
輪ゴム = のびた輪ゴム + 熱
この熱は無理やり伸ばされてゴムの高分子の取り得るコンフォメーションが減って(エントロピーの減少)出てきたものです。
ご回答ありがとうございました。輪ゴムの実験をやってみたところ確かに確認できました。
ゴムは温度を上昇させるとエントロピーが減るんですか!?非晶領域(アモルファス)のミクロブラウン運動が活発になるためエントロピーは上昇すると考えていたのですが…
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