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発熱反応で、低温だとΔG>0であるために進行しない反応が、高温になると、ΔG<0になって反応が進行するとは、自由エネルギーの観点からどのように説明できますか?
ΔG=ΔH-TΔS

すると高温の場合ΔG<0で自発的に反応は進む。
したがって、ΔH-TΔS<0 だから、ΔH<TΔSになる。
低温の場合ΔG>0で反応は自発的に起こらないはず。
ΔH-TΔS>0 だから、ΔH>TΔSになる。
それで、発熱反応だからΔH<0だとか。

ここら辺まで考えたんですけど、こんがらがってよく分かりません。
だれか、教えてください。お願いします。

A 回答 (2件)

僕も同じような疑問を過去に抱きました。

No.1さんがおっしゃっているように、一言で言ってしまえばΔSの符号の問題になると思います。

話を本質的なところから始めてみましょう。熱力学の第二法則「自発的変化ではエントロピーは増大する」はご存知だと思います。ここで注意しなければならないことは、ここで言うエントロピーとは系と外界のエントロピーの総和です。つまり、第二法則を数式を用いて表すと、
ΔS(total)=ΔS(system)+ΔS(surroundings)>0
微小変化を仮定すれば、
dS(total)=dS(system)+dS(surroundings)>0
となります。上式を少し変形して
dS(system)>-dS(surroundings)
今、一定温度Tにおいて熱qが外界から系に移されたとします。そのときの外界のエントロピー変化は
dS(surroundings)=-q/T
となります。ここで、負の符号がついているのは、変化を系の視点から考えたためです。
上の二つの式から
dS(system)>q/T
となります。定圧状態では、熱変化はエンタルピー変化に等しいので、
q=dH
したがって、
dS(system)>dH/T
dH-TdS(system)<0
Δを用いてあらわせば、
ΔH-TΔS<0となります。(ΔG<0という条件と等価)

さて、話を最初に戻しましょう。発熱反応を考えているのでΔH<0です。この反応において、ΔS>0ならば温度によらず常にΔG<0となります。一方、ΔS<0ならば温度上昇とともにΔGも増加し、ある温度でΔG>0となり、熱力学的に反応は起こりません。

吸熱反応ではどうでしょうか?吸熱反応ではΔH>0なので、反応が自発的に起こるには(ΔG<0)、常にΔS>0ということになります。

ここまでで、ΔS、つまりエントロピー変化が重要だということをお分かりいただけたと思います。もう少し具体的にこのエントロピーを考えてみます。

定性的にエントロピーとは状態の秩序さを表すパラメーターです。非常に秩序的な状態はエントロピーは小さく、乱雑な状態ではエントロピーは高くなります。ΔG<0の条件は、言い換えればエントロピー増大の法則に他なりません。つまり、自発的な変化では状態は常に乱雑な方向に進むということです。

例えば、物質の凝固、融解を考えてみましょう。凝固現象では、液体から固体の変化ですから、秩序さは増します。つまり、ΔS<0です。したがって、凝固反応ではΔH<0でなければならないことがお分かりでしょうか?もし、ΔH>0だとしたら、ΔGは負になりえません。実際、凝固は発熱反応です。

融解ではどうでしょう?固体から液体への変化ですから、ΔS>0です。この場合、温度によってはΔH<0も可能ですが、実際にはΔH>0の吸熱反応です。これは、融解において固体中の原子間結合を切るためにエネルギーが必要だからです。

話がまとまらなくてすみません。参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

こんなに丁寧にありがとうございます!
自由エネルギー自体もよくわかりました。あと私自身も勘違いしてる部分もありました。とても参考になりました!

お礼日時:2004/10/19 19:15

ΔSの符号を考えてますか?

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この回答へのお礼

NO.2さんの回答含めとても参考になりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2004/10/19 19:07

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