イギリスやフランスといった西ヨーロッパの人が書いた本で、ロシアについての記述の部分に時折、「ロシアはアジア」という表現があります。
私から見ると、シベリアや中央アジアはともかくとして、モスクワやサンクトペテルブルクのあたりはヨーロッパであるとしか思えないのです。
西欧社会から見ると、ロシア及ぶロシア人というのは自分とおなじ西欧カテゴリというよりも、アジアのカテゴリに入ると思っているのでしょうか?
人種的、文化的な部分を指してアジアと言っているように思えます。
それと、西ヨーロッパの人がアジアといった場合、「自分たちとは異なる(低い)文化」という意味があるように思えてきますがいかがでしょうか。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
アジア的で、専制的
これが、下か上かの判断は抜きにして、
ヨーロッパ ロシア アジア
この三者のどこに線を付けようか?というのは、カソリック世界では一つの課題。
※ここで、カソリック世界というのは、プロテスタント発生以前からとするので、現在のプロテスタント社会も含みます。
お互いの文化認識という代物は、悪口の言い合いで、自陣営を上等と説明する常套手段が、『おいらの方が古い文化の直系だ』というもの。
プロテスタント社会では、
ギリシャ→ローマ→大西洋岸
と、移転したことになっています。
ロシアに悪口を言うときは
ヨーロッパ 壁 ロシア アジア
で、ロシアとアジアの共通項として専制主義などをあげつらいます。
一方ロシアからの視点では
ヨーロッパ ロシア 壁 アジア
で、壁はキリスト教文化となります。
壁をどこに設定するか、というのは、ケースバイケース、論者によると言うことになります。
歴史的な認識の変化ですと、
16世紀のヨーロッパでの古地図では、ポーランドの向こうは知らない世界、書いてない世界です。
また、イワン雷帝のモスクワ公国叙任は、チンギスハンの子孫です。
ご回答ありがとうございました。
ところで、専制主義、皇帝と農奴という関係はロシアの悪しき風習とみなされていますが、それがアジア的と言われるのも、なんかよくわからないのですが。
フランスでも絶対王政とか、王権神授説とか。名称や内容は多少変わるけれども、絶対的な権力をもつ王や皇帝と、支配される民という関係はヨーロッパアジア問わずに世界中に存在して、多くの国はそういう過程を経て発展してきたのに、ロシアの場合はなぜ「アジア的」ということになるのでしょうか?
イギリスやフランスでは、ロシアだけではなく、中東の国などについても、自分たちの理解や感覚と合致しないことについては「それはアジアだから」でまとめてしまって納得しているのではないか??と私は思ってしまうことがあるんですが、いかがでしょうか。
No.9
- 回答日時:
同感です。
ただ、「低い(劣っている)」と見なしているかどうかは、現代では一概に言えないと思います。
おそらくフランス人あたりの感覚では、
われわれが中央ヨーロッパと呼んでいるところが東ヨーロッパで、
われわれが東ヨーロッパと呼んでいる地域はヨーロッパの外のようです。
モンゴル帝国やオスマン・トルコの攻勢によく耐えて陥落しなかったウィーンあたりがヨーロッパの東の端、という認識ではないでしょうか。
東側(日本)から見るとヨーロッパの顔が見え、
西側(欧米)から眺めるとアジアの顔が見える、
ロシアとはそうしたヤヌスの二面性のような地域に思えます。
ロゼに色づくワインの横にウオトカの何本かが転がっている。
そんな感じでしょうか。
※
直接の回答としては以上で尽きますが、以下、ロシアについてもう少し、粗雑な贅言を弄してみます。
ロシア人自身は、自分たちをヨーロッパの一員と認められたくって、
これはピョートル大帝の欧化政策などに端的にあらわれており、
当時最先端だったフランス文化の導入に腐心した結果、
令嬢たちが恋人に意中の思いを打ち明けるのに、よくわからないロシア語では表現できずフランス語で書いた、
なんてことがプーシキンの『エヴゲーニイ・オネーギン』なんかに出てきます。
けれどもその前に、キプチャク汗国などに二百年にわたって支配され異種混血するという、いわゆる「タタールの軛(くびき)」によって、いやおうなくアジア的でもあったのです。
西側でも高く評価される芸術や文化の多く、それはたとえば、
プーシキン、ゴーゴリ、ドストエフスキー、ナボコフ、ストラヴィンスキー、ブロツキーなどですが、
実は人工ヨーロッパ都市ペテルブルグの空気を濃厚に吸った人たちでもありました。
いわば西側にとって比較的理解しやすい芸術というところでしょうけれども、
ロシアの全貌がこれだけでうかがわれるものでもないようです。
スクリャービンやディアギレフやショスタコーヴィチやロストロポーヴィチだけではない。
ペテルブルグに対するモスクワという都市が、ちょうど日本でいえば京都に当たるという指摘は意味深長です。
ひとつ、ロシアの小説を読んでいて強く思うことは、
これほど人なつこい人々はいないってことです。愛すべき人たち。抱きしめたくなるくらいに。
善良で素朴で、自分の弱点をさらけ出している。
熊のように振りまわす腕のすぐそばで、「うっかりさ」が天真爛漫に大あくびしていたりする。
それでいて狡猾で、陰湿で、不誠実で、信用ならない人たちはいない。
極端から極端に走り、中庸がない。不条理である。不可知である。
日ソ不可侵条約の一方的破棄による侵攻やシベリア抑留は、われわれにとっていまだトラウマでしょう。
ロシア正教は古くからの土俗信仰がベースになった独特なものだそうです。
(無神論が建前であったソ連時代にも宗教は存続してました。佐藤優『自壊する帝国』)
彼らを評した、私の好きな言葉に、こんなのがあります。
ロシア人は、大地の広さと宇宙の広がりを意識的に混同しているのではないか。
だって、これほど何もない土地に生きる彼らにとって、語り合う相手は、人間か星たちしかないではないか。
(佐藤優との対談『ロシア 闇と魂の国家』中の亀山郁夫の序文「魂のロシア」から。文春新書)
自分自身を笑い飛ばすことができる民族はユダヤ人のほかにはロシア人しかいない、
と喝破したのは、もっともロシアを知る一人であった米原万里さんだったと思います。
甘いも酸いも噛み分け併呑した老獪な国。
ヨーロッパとアジアの両面の顔をもったロシア、
その闇と魂の奥深くから、いったい次に何が飛び出してくるのか誰にもわからない。
日本人にも欧米人にも、旧ソ連傘下だった人々にも、当のロシア人にも皆目見当がつかない。
そういう底知れなさがあるのではないでしょうか。
以上、どうも歴史カテの回答として、あまりふさわしくありませんでしたね。資するところあれば幸いです。
No.8
- 回答日時:
ルネッサンス!
すばらしきヨーロッパ文明。
なんて、ほざいています(アジア人としての日本人である私の発言)
さも、地底に埋まっていた文明を発掘したような言い様をします。
日本版WIKIPEDIAも「教会やイスラム世界、東ローマ帝国の保存していた古典文化の影響」なんて書き方をしています(まぁこれが教科書的記述)。
実際は、イスラム圏が発展させた文明を、レコンキスタでイベリアを征服したら図書館があって「おおおおお、これが噂に聞いた、ギリシャ文明か、アリストテレスって偉大だな」なんて気づき、アラビア語とラテン語のできるユダヤ人に翻訳してもらったというのが、ルネッサンスの始まり。というか、東ローマが崩壊して文化人が逃げてきたときにその文化人の言っていることが理解できたのは、この翻訳を勉強していたから。
→ この内容は、「中世の覚醒―アリストテレス再発見から知の革命へ」より、ざっくりまとめた内容。
ギボンのローマ帝国衰亡史は読んでいないが、アシモフの銀河帝国興亡史は、ギボンのその著を踏襲しているらしい。そこでは基本的には海賊というか商業民族万歳となっています。海賊商業民ってつまり、アングロサクソンですね。映画のスターウォーズはさらにこれを通俗化しているので、海賊万歳になっています。ハンソロ船長はまさに海賊。
ロシア人というか、ロシアの支配層の意識は、アジア隠しです。
キエフなりノブゴロドがスウェーデン人によって作られたことを国の誕生としていますが、モンゴル人によっていったんチャラにされて、モスクワ公国が強国になったのは、モンゴルに間接統治されていた北方の地域の納税代理人としてです。この辺をタタールの軛とかいって、一生懸命に隠しています。
また、上記でロシア人ではなく、ロシアの支配層としたのは、ロマノフ王朝後期の支配層は、単にエカチェリーナなど血統がドイツ系になっていただけでなく、軍人や官僚層を中心にバルト・ドイツ人がかなりの割合を占めていた。
No.6
- 回答日時:
ロシア地域はヨーロッパ人から見たら、一段下の文化圏(つまりアジア)
と見られるのは間違いないと思います。そして過去においてはロシア人
自身が同様の認識を持っていたようです。
そもそもロシア地域は住みにくい土地とされます。
東部シベリアはいわずと知れた凍土であり、西部地域は湿地や沼地ばかりが
広がる大都市には向かない地方でした。
結果として、ロシアは豊かな土地を目指し、対外的な武力干渉による
領土拡張を行う必要があったのです。
質問者さんが『ロシアにおいてヨーロッパ的』であると感じられている
街そのものがその事実の証明となります。帝政ロシア時代、拡張政策で知られる
ピョートル大帝は、ヨーロッパに対抗するためにヨーロッパ式軍隊教練を
導入しようとしました。そして1703年に『ロシアのヨーロッパ化』を目指し
建設した町こそがサンクトペテルブルグなのです。
つまり、300年前も近代化とはヨーロッパ化を示していました。
このあたりの事情は、文明開化の名の下にヨーロッパを模倣した我々日本人には
理解できる概念かと思います。
こうした事情から、あまり豊かではない地域・文化的に劣る地域として
ヨーロッパではないという指摘がされているのではないでしょうか?
もちろん、ロシアにしてもアジアにしても独自の文化を形成していたのですが
いかんせん、軍事力で劣っていたことは否めませんしね。
ご回答ありがとうございます。
>>ヨーロッパ化
サンクトペテルブルク建設は確かにそうですね。
エカテリーナ二世がフランス文化に傾倒してフランスの思想家の理論を絶賛したのも、「ヨーロッパに認められたい」という現れなんでしょうね。
自分の祖国ドイツの文化ではなくフランスを礼賛したのも、ドイツは当時まだまだ「ヨーロッパの田舎」と言われていたからでしょうか?
また、革命前のロシアの貴族はフランス語を公用語として使用していたというのも、「ヨーロッパ」へのあこがれなんでしょうね。
自国で上流階級が「自分の国より上」の国の言葉を使わなくてはならないなんて植民地みたいですが、それほどまでに「ヨーロッパ化」への憧れが強かったのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
「兵庫県は本州ですか?」という質問に似ていますね。
本州な部分もあるし、本州でない部分(淡路とか)もある。
「ロシアはアジアですか?」→アジアな部分もあるし、アジアでない部分もある。
切り口が違うので1対1で紐付くものではありません。
ちなみに、
ウィキでアジアを見てみますと、、、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8% …
アジアの定義自体が完全には明確でないようです。
兵庫県の本州部分をくり抜くのは海岸線に沿えば良いだけなので簡単ですが、
ロシアからアジアの部分をくり抜くのは諸説ありで困難なようです。
しかし、これは余談レベルの話であり、
「ロシアはアジアな部分もあるし、アジアでない部分もある。」という事に変わりありません。
あるところでは、ロシアはアジアとして、
また、あるところでは、ヨーロッパとして分類されていたとしても、
その実例を挙げて「だからロシアはアジア(またはヨーロッパ)である。」と決まるものでもありません。
近畿地方の三重県がしばしば中部地方として扱われるように、こういった分類は目的によって、異なる場合がしばしばある訳ですから。
No.3
- 回答日時:
アジア
もともとはギリシャ人が日の出る方向、東方を指した言葉。
ギリシャ<=>ペルシャ
という対比において、民主主義のヨーロッパと専制主義のペルシャ、というのがステレオタイプとしての認識になります。
ローマ帝国の時代に、ローマ人たちは、自分らは民主主義で、東方は専制主義と認識しております。なので、建前上ローマ皇帝は、ローマ市民の第一人者と名乗っています。
近代においても、潜在的にあるいは顕在的に、上記の認識があり、東に行くとポーランドまでは市民の自由があるが、ロシアは専制主義という理解をしております。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
この質問でのロシアとは、ソ連時代の中央アジアを含む広範囲はものではなくて、あくまで帝政時代以前からのロシアの範囲とお考えください。
地理的にアジアを含むかという質問ではなくて、西ヨーロッパ諸国から見て、古くから、ロシアという存在はヨーロッパ人と同じ考えを持つものではなく、ヨーロッパ的というよりもアジア的なものであるとみなしているのか、ということです。
人種的にもスラブ人ですし、それは西ヨーロッパ人からみたら「アジア的」なものとなるのか。
また、歴史的にもここに書いていただいたように専制主義、ツアーリズム、強大な皇帝権力と農奴という関係、そういったものを西ヨーロッパの人たちは「野蛮なアジア的なるもの」と考えているのではないかと、いう風に読み取れてしまうのです。
いかがでしょうか。
No.2
- 回答日時:
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