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設問
質権者は質権を実行してその被担保債権の全部の弁済を受けないときに限って、債務者の他の財産から満足を受けることができる。

この設問は正しいと思うのですが回答は、誤りとなっています。
この設問はどこが誤りなのか教えてください。

A 回答 (3件)

私も、やはり、設問の記述は誤っていると思いますよ。



設問は、動産質権と不動産質権とを区別せず、単に「質権者は…」としていますが、そもそも動産質権については、設問に類似するような抵当権に関する制限(民法394条1項の制限)は働きません。なぜならば、質権についての抵当権に関する規定の準用を定めた民法361条は、その法文から明らかなとおり、不動産質権のみに関する規定ですから、同条によって(不動産質権については)適用があるとされる同法394条1項の規定は、動産質権については、働かないことになります。
この時点で(動産質権と不動産質権とを区別していない点で)、すでに設問の記述は、誤りであることになります。

 なお、念のために検討すれば、この記述は、不動産質権についても誤り(不正確)ということになると思います。
 確かに、不動産質権については、その性質に反しない限り抵当権に関する規定が働くわけですが[民法361条]、抵当不動産以外の財産からの弁済に関する民法394条1項は、抵当不動産の代価に先立って、債務者の他の財産が換価される場合には働かないわけですから[民法394条2項前段]、設問の記述は、抵当権(民法361条による不動産質権)について民法394条2項の適用がある場合を見失っている点で、誤った(不正確な)記述であるということになると思います。
つまり、抵当権者(民法361条による不動産質権者)は、債権者でもあるわけですから、抵当権(質権)を実行しないで、債権者として、債務者の一般財産に対して強制執行をしてもかまわないわけですし[水本浩「注釈民法(1)総則・物権」(有斐閣、1989年)参照]、配当要求をして、他の債権者が実行する強制執行の手続に参加してもかまわないわけです(この場合、別途、債務名義が必要となったり、その受けるべき配当金について、他の債権者から供託を要求されることがあり得ることは、別論とします。)。

 民法361条が動産質権を除外したことについては、相応の立法趣旨があるようですが、関係条文の「組み立て」(適用関係)を、今一度吟味していただければ、さしあたり、設問の記述が誤りであることは、納得がいただけることと思います。
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質権者も債権者ですから、債務者の財産のうち質物以外の物についても一般債権者として


配当に参加できると思いますが。。。
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これは動産質の場合の問題でしょう? でないとおかしい、というか不正確です。



動産質に限らず、担保権を行使しないで債権の強制執行ができることは、担保権の一般原則として当然です(もちろん債務名義は必要)。だから、その点で誤りといえます。これがピンと来ないというのは、出題者の意図に見事に引っかかったということです。

どういうことかというと、普通、担保物権を勉強するときは抵当権のところばかり読みます。そのため、抵当権の例外規定を例外と理解しないまま、担保物権の原則と混同してしまいがちです。それで、この問題は抵当権の特殊性(民法394条)を担保物権の原則と勘違いしていないかを問うているわけです。なお394条の趣旨は、他の一般債権者との公平のために、抵当権者の一般債権者としての権利を制限したものと解されています。

また、不動産質は抵当権の規定を準用(361条)しているので、不動産質であれば正しい記述となります。だからこの問題は、どちらの質権かはっきりしていないという点で変です。それと営業質屋も質物からのみ弁済を受けるとされていますが、これは別問題でしょう。
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