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こんにちは。 
地球温暖化やエネルギー資源枯渇への対策として風力や太陽光などを利用した自然エネルギーが脚光を浴びていますが、日本の電力会社さんは電力品質の問題を引き合いに出して導入制限をしているようです。
 これに対し、風力発電の場合、システムメーカー各社は系統の乱れを最小限におさえるよう、バッテリーやらフライホイールやら使う方法を提案していますが、当然ながら付帯設備で導入価格は上がります。
 以前、大型風車の仕事をされている方から「日本もループ状系統だったら、支配する数式が複雑になるけど、自然エネルギー発電による系統の乱れの問題なんかずっと楽になるんですけどね」とボヤキを聞いたことがあります。
 電力系統の構造として体の毛細血管のようにどんどん先が細くなるタイプ(放射状系統)と先を元に戻すタイプ(ループ系統)というのがあって、どんどん自然エネルギーの導入が進むヨーロッパはループタイプで日本のそれは放射状タイプだと聞いたことがあります。
 そこでかなり前から疑問だったので達人のみなさんに教えていただきたいのですが、機器それぞれで細かい対策を議論する前に、基本となる系統のループ化という議論が何故されないのでしょうか?これってアンタッチャブルで電線を全部作り替えるくらいとても大それた話なのでしょうか?ネットで少し調べると停電の被害の出方とか長短所があるようですが、大所高所の観点で環境問題を考えるなら議論されても良いのでは、とも思います。よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

風力発電を連系する問題点はいろいろあります


先の内容もその通りと思いますが、別の視点で回答します。

出力変動が多い風力が増えると言うことは
どこかでその変動を平らにする必要がありますね。
風車側での対策が第一で,
それがバッテリやフライホイールです。
また,系統そのものが大きければ
多少の変動は吸収できます(石油火力で)

でも,日本の電力系統は大きくありません。
電力会社間の接続が貧弱なために,日本全体を
1つの大きな系統として扱えないからです。

日本の電力系統は、いくつかの小さな湖を
細いホース1本で繋いでいるようなもの。
ホースが細すぎて、1つの湖の水位変動を
全ての湖で広く薄く吸収できないうえ、
このホースには既得権が複雑に絡み合って
市場に完全開放されているとは言い難く,
たとえクリーンなエネルギーだとしても
その電気を無条件で通すことはできません。

質問者様のおっしゃる系統のループ化とは
電力会社間の連系送電線を強化することです。
いくつかの湖を大きな運河で繋ぐか、
何本ものホースで何重にもつなぐことです。

国や業界でも議論は当然されています。
風力連系の観点だけではなく、
電気事業の競争を促進させるためにも非常に重要です。

でも、費用を負担する人がいないのです。
税金で無理矢理作るのもおかしな話ですし
電力会社が自ら作るとは思えませんが、
どう思われますか。
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この回答へのお礼

説明ありがとうございました。
湖を使った説明はとても分かりやすいです。
個々が放射状のネットワークの要所要所をインターネットの網の目のようにつなぐと、蜘蛛の巣のようになり、これをループ状と称する。電線や設備の根本的な作り直しとかそんな対立する概念ではないということですね。電力の相互融通なら多くの人が声高に叫んでおり、ようやく理解できた次第です。
 先にエンジニアのボヤキのエピソードを紹介した大型風車では、昼の炊事時などで電力が必要な時間帯は電圧が下がり傾向になり、風車の出力変動の影響が相対的に大きくなるので風車を止めたり出力を絞るよう、電力会社さんに指導されていました。都合、電気がより必要なときに発電機を止めるという変なことになっていました(・_・?)
 また、おっしゃるように相互のつなぎ込みは電力会社さん負担させるような話ではなく、文明の背骨であるエネルギーの融通性を高める政策として国がコストを負担して進めるべきことなのでしょうね。

お礼日時:2009/03/11 23:52

実は以前、デンマークに住んでいたことがあります。

デンマークは国内最高標高地点でも海抜百数十メートルと非常になだらかな地形で、風力発電に適しています。風力発電施設の多くは電力会社の所有ではなく、地域の共同出資のような形で運営されているものが多かったと思います。私も、当時所属していたコミュニティが所有する大型風車の中を見学したことがあります。
デンマークは人口当たりの風力発電施設数ではおそらく世界一で、理論上ピーク電力の6割程度を賄う発電容量があります。ただ、ごく短期間の記録ならともかく年平均のシェアとしてはせいぜい20%程度だと思います。主な理由は、風力発電の不安定性です。系統運用の違いは特に問題ではないと思います。
例えば系統内で全ての風力施設がピーク状態で発電できる状態になると、全てを並列(系統に接続すること)してしまうと系統が持たないので、一部を解列するか、出力を調整して低く抑えます。それでも調整しきれない部分は既存の火力発電所等で調整します。一方、風の力がある値以下になると風力施設は出力が実質マイナスになることもある(施設の維持にある程度の電力を消費する)ため、電力需要のほとんどを賄えるだけの代替施設(多くは火力)を常に稼働状態で維持しておく必要があります。実際に、デンマークでは風力発電の導入後も既存の火力施設は全て維持されています。
想像ですが、日本の事業者が風力発電の導入に消極的なのは系統がループ状か放射状かということが問題なのではなく、出力変動を吸収する他の発電施設(系統ではなく)への負担が大き過ぎて現状では風力発電のメリットを上回ってしまうためだと思います。環境の整ったデンマークですら、現状ではまだ化石燃料の消費削減やCO2削減といった具体的な効果については不明確です。
今後の技術開発が望まれるところですが、いずれにせよ系統運用が大きな問題になることは考え難いと思います。
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この回答へのお礼

おお!具体的な経験で非常に参考になりました。ウェブアドレスは失念してしまったのですが、あちらでは国全体で瞬時の電力構成比をアニメーションで見ることが出来たような。。私も夏の間ある期間滞在したことがありますが、地元の友人が言うには、デンマークも昔は日本と同じように地域ごとに特定の電力会社さんがいらっしゃって、今のようなインフラ環境をつくるために政治的なちからわざを使ってようやく今のようになったと言っていました。あちらの夏はどんよりと曇って風が吹く日が多く、夏なのにセーター着て風邪ばっかり退いていました(^_^)。そんなつたない体験から、今回話題にさせていただいたインフラ以外の観点で、あちらでは風力たくさんだからこちらでも、という短絡的な言い方はつつしまなくてはいけないという気持ちは持っています。ともあれ、重ねてありがとうございました。

お礼日時:2009/03/11 08:36

質問者さんも理解されている通り、系統運用の方式にはそれぞれ長所、短所があり、ループが良くて放射状はダメ、というものではありません。

また、日本に於いても基幹網はループ状系統で運用されています。ループ状系統であればある限度を越えない限り乱れにはそれほど気をつかう必要がないのは事実ですが、そもそも日本でも欧米でも自然エネルギーの発電容量は微々たるものですのでどちらの系統でも対応は可能です。欧州でループ状(メッシュ)系統を採用しているのは自然エネルギーに対応するためではもちろんなく、国際的な電力融通の必要性や発電施設の立地や送電密度等の条件から決められています。
また、自然エネルギーによる発電は大切な技術であり、今から積極的に開発を進めるべきものではありますが、これが地球温暖化や化石燃料の枯渇といった問題に対し何らかの効果を示せるまでには少なくともあと50年はかかります。全てのエネルギー需要を自然エネルギーで賄うことが将来実現するとしても、100年以上先の話になります。電力会社も国も、そして我々国民も、未来のことを考えるのはもちろん大切ですが、同時に今後50年、100年のエネルギーをどうすべきかを真剣に考える必要があります。その中で、系統運用の問題についてもオープンに議論すればよいと思いますが、個人的には現状の系統運用を変更するより、送電電圧を上げて送電ロスを減らす等の方が現実的だと思います。
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この回答へのお礼

説明ありがとうございました。
自然エネルギーの即効性について疑問のご指摘はもっともかと思います。
また、この資源の可能性についての議論はふさわしいカテゴリー種に委ねるとして、技術面の話で伺いたいのです。これらが系統に連系されることが多い資源に恵まれた地域は基幹外の地域かと思います。ここの系統構造がヨーロッパと大きく違うと言うことでしょうか?確か2年前の1月ころ、デンマークの西部(デンマークの電力ネットワークは西部がヨーロッパと、東部がスカンジナビア半島と手をつないでいるそうです)では風力だけで何と44%、東部では23%のシェアを記録したという報告を受けました。日本ではこの100分の1かそこらの介入がなぜそんなに問題になってしまうのでしょうか?ご回答でご指摘の送電電圧がそんなに違うのでしょうか?

お礼日時:2009/03/09 22:58

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