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ワーグナーの音楽には熱心な信奉者が多いと聞きました。
彼の魅力を感じる部分はどこでしょうか?
また、ワーグナーを聴くには、どの曲から始めた方が良いでしょうか?
また、ワーグナーの信奉者で有名な方には誰がいますか?

ぜひお教え下さいませ。

A 回答 (8件)

こんにちは。



ワーグナーの音楽は「毒」「麻薬」などと例えられることもありますね。
果たして他の作曲家たちとそんなにも違うものなのかどうか,私にもなんとも言えないものはありますが,ワーグナーの特徴と私が個人的に感じている部分を,細かくは私も説明する能力がありませんが,私の適当な理解を適当に説明してみます(笑)

技法的な部分でいうと,調性の極限までの拡大。
「調性」とは,古典派~ロマン派のクラシック音楽の最も基本的な「お約束」のひとつで,あまりにめちゃくちゃに大雑把に(ぉぃ)言うと,「ソシレ」の和音が「ドミソ」の和音に進むことによって解決・安定をもたらす,ということです。ハイドン,モーツアルト,ベートーヴェンといった作曲家は,これでもかというくらいにこのお約束を使いますが,ワーグナーは実はあまり使いません。(主に後期作品での話ですが)
それは,調性を使っていない,ということでは決してなくて,そのルールを熟知し巧妙かつ徹底的に使った上で,一番肝心かなめの「ソシレ」⇒「ドミソ」の部分(だけ)を絶妙にじらしたりはぐらかしたりします。
それにより,独特の「終わりそうで終わらない」という不安感や陶酔感を作り上げます。この手法は「無限転調」「無限旋律」などと言われ,「トリスタンとイゾルデ」がその代表的な例とされています。
楽劇全部だとかなり重く&長くなるので,まずはさわりだけ,という場合は,「前奏曲」「愛の死」などから入るのがよいかもしれません。(「愛の死」はオリジナルでは歌が入りますが,管弦楽曲集のCDなどでは「前奏曲と愛の死」という形でほぼ一曲のオーケストラ作品として扱われることも多いです)

歌劇・楽劇の内容で言えば,独特な人間観。
ワーグナーの歌劇・楽劇の登場人物は,常識的な倫理観から見ると,「ええっ!?」というような行動を取ることがしばしばあります。
もちろんイタリアオペラでも不倫や三角関係は定番中の定番なのですが,あくまでも道を踏み外しているという背徳感(?)がドラマのベースになっています。一方,ワーグナーの場合,特に「タンホイザー」や「ニーベルングの指輪」では,より確信犯的に行動しているというか,我々の知らない倫理体系があるというか,そうした特異なドラマ展開の中から,ある特定の価値観(≒キリスト教??)によらずに根源的な人間のあり方,愛と性のあり方,生と死のあり方,などを抉り出そうとしているようにも私は感じます。

なお,「リエンツィ」「さまよえるオランダ人」「ローエングリン」などの初期作品では,上記のような特徴はそれほどは感じられず,より一般的なロマン派風の響きがしますが(ベルリオーズ,ウェーバー,リストなどの影響があるとされています),もちろんこれはこれで,重厚・華麗・ダイナミックな管弦楽の響きやロマンティックな旋律などは十分に魅力的と思います。
ワーグナー独自の魅力(魔力?)は,「タンホイザー」あたりからちらほら出はじめ,「トリスタンとイゾルデ」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「ニーベルングの指輪」「パルジファル」などに強くあらわれているように個人的には思います。(「マイスタージンガー」は,後期作品としてはまとも(?)な方ですが)


作品としては,上に挙がっているのが代表的なもの,というか,これでほぼ全部と思います。初期の普通に理解しやすいものからはじめるか,いきなり後期の魔境(笑)に突入するか,どちらでもよいと思います。


信奉者,と聞いて私がまず思い出すのが,作曲家のアントン・ブルックナーです。交響曲をワーグナーに献呈したり(交響曲第3番),ワーグナーの訃報を聞いて,自分の交響曲の中に葬送の音楽を入れたりしています(交響曲第7番第2楽章の終わりの部分)。
実はフランスの作曲家には意外と多くて,一時期のドビュッシーの他には,フランク,オネゲル,ショーソンなどもそうだったのではないかと思います。(どのくらい熱烈だったかは分かりませんが・・・)
作曲家以外はよくわかりません。小泉純一郎??(笑)


長文失礼いたしました。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!

凄く分かりやすいお答えで感動いたしました!

小泉さんがお好きだとは・・・リーダーが好む音楽家なんですかね^^

お礼日時:2009/04/29 18:25

ワグナーの音楽の魅力は、やはりスケールが大きくかつ躍動的な旋律の流れ、強烈なオーケストレーションなどでしょうか。


どの曲から始めるというよりも、できるだけ沢山いろんな曲を聴いて自分の好きなものを発見すればいいのではないでしょうか。
有名なワグネリアンとして私が知っているのは三島由紀夫ですね。彼が主演した映画のBGMにワグナーを使っていたと記憶しています。
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この回答へのお礼

ストイックな三島由紀夫さんが愛していたというのは、さもありなんという感じですね。

ありがとうございました。

お礼日時:2009/05/01 00:34

英国の調査では自動車運転中のBGMの折には避けるべきとされ、この切口からは(No.6さんの指摘通り)正しく「毒」「麻薬」になってしまう危険がある、そうです。



http://gomacat.blog18.fc2.com/blog-entry-1180.html
特に"ワルキューレの騎行"が上掲URLに載っている如くBGMワースト1だとか・・・

因みに私はニュルンベルクのマイスタージンガーを最もワーグナーの曲の中では好みます。ご参考に・・・・ 
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この回答へのお礼

ありがとうございます!

私は以前、クルマの運転中にYMOを聴いていてスピードで捕まったことがあります。(確か曲は東風。。)
ワーグナーとYMOの関係性は果たしてあるのだろうか?
・・と考えてしまいます^^

お礼日時:2009/04/29 18:29

ある時期ワーグナーに強く傾倒していた事で有名な作曲家と言えば、ドビュッシーでしょう。

ある意味、どんな有名人にリスペクトされる事よりも、ドビュッシーに認められていた事は名誉な事なのではないでしょうか。

「牧神」と並んで西洋音楽の新時代を切り開いたと言われる作品の1つ「ペレアスとメリザンド」は、ワグネリズムへのアンチテーゼ(あるいは脱却)が発端となって作られた作品であり、それはドビュッシーのワーグナーへの強い傾倒も意味しますね。(勿論これはこの2作品の対極性を示すほんの一部でしかありませんが、)同作品の冒頭に現れる全音音階と、「トリスタンとイゾルデ」の冒頭での「(今で言う)トリスタン和音」との関係も対比的ですね。
ところが、ドビュッシーはワーグナーの音楽を追求すればする程、ワーグナーにも限界を見出し始めます。そしてドビュッシーの最初で最後のオペラ「ペレアス」の完成により、彼のワーグナーへのこだわりは消化されたようにも思えます。この時期から、それまでのドイツ主義的な古い西洋音楽の形態をがらりと塗り替える独自路線を確立していきました。それが今俗に言われる「近代フランス印象主義」ですね。ドビュッシーを今のドビュッシーたらしめたのも、ワーグナー様様って事になるのかもしれません。

(ちなみに全然関係無いですが、John Williamsはやはり近代音楽の作風ですね。勿論曲によりロマン派以前の作風のものもありますが、全体を通せばワーグナーというよりもドビュッシーやラヴェル、あるいはガーシュウィン等の同時代の作曲家の影響が色濃いように思えます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
実に深い文章で感動しました。

>どんな有名人にリスペクトされる事よりも、ドビュッシーに認められていた事は名誉な事なのではないでしょうか。

それではひとしきりワーグナーを堪能した後は、ドビュッシーの門を叩いてみます!

お礼日時:2009/04/29 13:25

はじめは、フルトベングラー・ベルリンによるタンホイザー序曲やさまよえるオランダ人序曲なんか聴いていたのですが、クナッパーツブッシュ・バイロイトによる神聖祝祭劇パルシファルを聴いて一気にワーグナーにのめり込みましたね。


その後、ベーム・バイロイトの指輪四部作を聴き、一生のうちに一度はバイロイト祝祭音楽会に行きたいと思うようになったのですが、もう10年先まで予約で埋まってるって聞きあきれました。誰が演奏するかもわからないのにね。
バッハ、モーツアルト、ベートーベン、ブラームス、マーラー、ブルックナー、ベルディ、プッチーニ、みんな好きですが、ワーグナーはちょっと別格です。
楽劇という独自の世界を作り上げたスーパースターですね。

>どの曲からはじめるか?
私は気楽に序曲から聴き始めましたが、楽劇全体を聴くとなると、タンホイザーかな。私は、たまたまパルシファルでしたが、これはちょっと特殊でしょう。
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この回答へのお礼

>ワーグナーはちょっと別格です。

その意味を私なりに掴もうと思います。
これから聴いてみます。

お礼日時:2009/04/29 13:21

よくぞ聞いてくれました。



ワーグナーの曲の魅力は、考え抜かれた構成にあると私は思っています。
この辺は人によりそれがマイナスだという人もいます。つまりそういう練り練った音楽は心に響かないものだ、天から降りてきたようなモーツァルトのような曲こそ音楽だ、という人達が居るのも事実です。
 しかし、作曲家を目指していた私にとって、その巧みさはまさしく天からの贈り物ではないかと思うほどでした。
 当時は通常は主旋律があって、それをオブリガード等でオーケストラが支えます。ところがワーグナーは、オブガードが巧みに重なり合って主旋律が構成される(私には聞こえるのです)。こんなのどうやって作るの? と思いましたね。
 若い頃思わずフルスコアを買ってしまいました。
それと音の為に当時無い楽器まで作らせた(ワーグナーチューバ)というところからもその音楽が過去の枠にはまらず、さらに完璧さを求めた証でもあるといえるでしょう。
 つまり、分かる人にはその緻密な凄さが分かり、分からない人も普通にすぐれた楽曲として楽しめるところがかれの音楽の凄さ、魅力であったと思います。

 また、シンプルさを基準に非難される事もありますが(確かに構成は複雑)実際には彼の作るメロディーは実にシンプルです。

 例えば、指輪のラスト数小節を聞いて下さい。あれほシンプルなメロディーなのにあの(十四時間だったっけ?)大作の〆を見事につとめあげています。

あと「トリスタンとイゾルデ」。あんな出だし書ける人いないでしょう。だってともすれば不協和音なんですよ。ああ、聞きたくなってきた。
 すいませんこの辺にしておきます。

 ところで
> また、ワーグナーを聴くには、どの曲から始めた方が良いでしょうか?

 ですが、もし可能ならビデオでワーグナーというのがありますから、それを借りて見るのがお薦めです。

 あと、指揮はショルティが最高です。ニューワーグナーデラックスというのがありますからそれがいいかもしれません。


> また、ワーグナーの信奉者で有名な方には誰がいますか?

まだ出ていない答えでは寺山修司です。

参考URL:http://www.kapelle.jp/classic/cd_memo/2000_413_w …
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

では早速これからCDを購入致します。

一番の信奉者はsenyou2000さまですね!^^

お礼日時:2009/04/29 10:47

>ワーグナーの信奉者で有名な方には誰がいますか?



・メルヒェン王で有名なルードビッヒII世(ワーグナーのパトロンでリンダーホーフ城の庭にはGrottoという洞穴状の歌劇場まで造りました。http://www.schloesser.bayern.de/englisch/palace/ …

・ワーグナーの信奉者で有名なのはヒトラーです。
ですから、イスラエルでは公式には演奏されないとか。

>彼の魅力を感じる部分はどこでしょうか?

音色がはっきりしていて、ベートーベンのような攻撃的な音楽だからだと思います。特にドイツ人はこういう音色が好きです。
現在のスターウォーズなど映画音楽の作曲家John Williamsの作風はワーグナーに似ています。

>ワーグナーを聴くには、どの曲から始めた方が良いでしょうか?

ワルキューレの騎行
タンホイザー
ニュールンベルクのマイスタージンガー
ニーベルンゲンの指輪

>ワーグナーの音楽には熱心な信奉者が多いと聞きました。

バイロイトのワーグナー音楽祭(主催者はワーグナーの孫)はコネが無いと入場券が手に入らないような仕組みですから、人気が出るのでしょうね。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
大変分かりやすく、勉強になりました。

お礼日時:2009/04/28 09:44

ワーグナーの信奉者で有名な人なら知っています。


哲学者のニーチェとナチスドイツのヒトラーが
ワーグナーに心酔していたらしいです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました!
ヒトラーですか、聞いたことがあります。

お礼日時:2009/04/28 09:18

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