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完了の助動詞「り」の連体形の後に「なり」が接続して、

思へるなり

といった表現になっている場合の「なり」は、ラ変型の連体形に接続しています。理論的には、断定でも伝聞推定でも構わないと思いますが、これまで見た用例だと断定ばかりだったような…考え方と用例を挙げていただければ助かります。よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

 ちょっと興味深いものがありましたので、参加させて頂きます。

質問者の方の発見への興味とNO.1の方の洞察の深さに感銘致しました。
 これも私見でしかないので、仮説程度に考えて頂きたいのですが、「たり」と「り」のそれぞれの持つ微妙な意味合いにも関連があるかもしれないと思い書き込みを始めました。
 「たり」は、例えば「読みてあり」「書きてあり」の「てあり」の部分が「たり」となったものであり、「り」は、「読みあり」「書きあり」が「読めり」「書けり」となって、「り」だけが単独で助動詞と考えられるようになったといわれています。従って、厳密には意味の区別はされないものの「り」の方が上の語に密接している分だけ「今現に読んでいる。」「今現に書いている」状態であるのに対し、「たり」は間に接続助詞的な「て」がある分だけ上の語から離れるため「読んだ結果が今に残っている」「書いた結果が今に残っている」状態であるといったことが、松尾聡氏の『国文法入門』という本に書かれていました。
 何か関連があると思いますがどうでしょうか。
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この回答へのお礼

なるほど、言われてみれば、「たり」と「り」は違いがありますね。
こちらこそ興味深い問題を提起していただいて、ありがとうございます。

お礼日時:2009/08/28 15:44

たしかに、言われてみるとそうですね。


興味があったので、伊勢物語、土佐日記、更級日記、和泉式部日記、枕草子、徒然草、平家物語、その他ちょこちょこと用例を調べてみました(大鏡にも手をつけたけど途中で挫折)。

調べた範囲だと、やはり完了「り」+「なり」の場合の「なり」はすべて断定みたいです。

「なり」が伝聞推定の場合は、上にくる完了の助動詞として「り」ではなく「たり」を使って、「たるなり→た(ん)なり」という形になっています。
(ただし、撥音便化しない「たるなり」で「なり」が断定である場合も多い。特に徒然草)

2例、ちょうど同じ動詞「作る」を使った対称的な用例があったので挙げておきます。前者が断定の、後者が伝聞推定(ここでは伝聞)の「なり」です。

・橘相公の賦に作れるなり。(平家物語、巻6)
・…とかや、ふみにも作りたなる。(枕草子、239段)

では、どうして「…るなり」だと断定、「…た(ん)なり」だと伝聞推定になるのか? ということですが、これについては資料や論文が見つけられなかったので、はっきりしたことは言えません。

ヒントになりそうだと感じたことを一つだけ書いておきます。
形容詞に「なり」が付く場合、たとえば「多き+なり」だと「なり」は断定、補助活用を使った「多かる+なり」だと「なり」は伝聞推定になる(後者は「多か(ん)なり」のように撥音便化する場合がほとんど)。
これはいろいろな辞書や文法書にも説明されていることです。
思うに、完了+なりの場合もこれと同じようなものと考えられないでしょうか?
「たり」は「り」の一種の補助活用のようなものであることや、伝聞推定の「なり」の場合はその前が撥音便化するという現象も共通しています。
ただしこれはあくまでも根拠のない私の思いつきなので、ご参考までに。
専門家の方に私もご教示いただきたいところです。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。
「たり」と「り」の役割分担も関係するというわけですね。大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/28 15:39

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