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焼肉は韓国の伝統料理として有名ですが、ふと考えると日本が併合する前の彼の地の畜産の歴史はどういうものだったのでしょう。
高麗以降侵入してきたモンゴルの馬の育成施設が済州島にあったらしいことは聞いたことがありますが、文化としての焼肉料理の伝統を底辺で支えた牧畜なり農業の実態はどういうものだったのでしょうか。
できれば事実のレベルの知識がおうかがいできれば幸いです。

A 回答 (3件)

NO1の方も指摘されていますが、「焼き肉」をどう定義するかで変わってきますね。



「焼き肉」を単に「肉を焼いて食べる」という食べ方を指すなら、歴史は古く紀元前から各地に存在します。
ご質問が朝鮮半島とのことなので、以下は「肉食文化」という観点からアジアを中心に述べてみます。

諸説様々ありますが、おおよそ紀元前後頃のモンゴル系遊牧民族の間だですでに肉を焼いて食べるという文化があったようです。
因みに、西洋でもやはり肉食は遊牧民族の風習であり、ローマ人たちは蛮族の行為として忌み嫌っていました。
つまり、焼き肉は農耕民族よりも遊牧民族の方に多いようです。

さて、朝鮮半島での肉食ですが、紀元2世紀頃には中国の東北部の「高句麗」では肉を焼いて食べる調理方法があったようです。
その代表的な料理が「貊炙(メッチョ)」というモノです。
しかし、4世紀頃に仏教が伝搬すると、その「動物殺生禁止令」が発令されたために衰退していったようです。
そして、13世紀に蒙古(元朝・モンゴル)によって遊牧民族の文化・風習がもたらされると、肉食文化も復活し、さらに「牧畜」方法も伝わったとされています。
これ以降、いくつかの「肉を調理して食べる」料理が各種史料に見られるようです。
そして、「雪夜覓(ソリヤミョッ)」という牛肉を薄切りにして串に通し、塩などで味付けして炭火で焼くとういう料理があり、これが現在の「プルコギ」の原点だとされています。
李氏朝鮮時代になると、持てなし料理として「ノビアニクイ」と言う宮廷料理人が味付けした肉を炭火の上に鉄板や網などの上に載せ焼いた料理が出されたようです。
因みに、これらの料理は全て「肉」を使い、内臓や頭などの他の部位はスープ料理など別の料理として利用されていました。
つまり、日本の焼肉店の定番メニューであるホルモンやレバーは焼き肉としては使われませんでした。
この風習は、今でも生き残っているようで、日本の焼き肉と大きな違いと言えます。

一方、日本への伝搬ですが、結構遅く明治時代までは肉を焼いて食べるという発想はありませんでした。
明治維新の文明開化期となると、「牛肉食わねば開化不進奴(ひらけぬやつ)」といわれるほどブームとなり、牛鍋屋(現在のすき焼き)が横浜などの港町を中心に広がっていきました。
戦後になると、食料の配給制度のもとに「肉」が手に入りにくくなりましたが、牛の「心臓」などは闇市で売られていたようです。
そして、それらを用いて肉代わりにして客に出すという商売がはじまりました。
所謂「ホルモン焼店」の登場というわけです。
その後、在日朝鮮人を中心に所謂「焼き肉店」というスタイルが確立していき、現在に至ります。
面白いのは、今の所謂「焼き肉屋」というスタイルの商売が、本場韓国よりも日本で先に広まったというところでしょうか。
日本では1946年開業「食道園」という店が鶏肉や冷麺に加え焼き肉弁当を売り始めたのが始まりだとされています。
その後、在日朝鮮人を中心に個人経営の焼肉店が多くでき、高度経済成長を遂げ、外食産業が経済の中心になって行くに従って、焼肉チェーン店が各地に出来たようです。
一方、韓国では1970年代に日本からの逆輸入という形で広まったようです。

日本と韓国の焼き肉(プルコギ)では食べ方に大きな違いがあります。
プルコギはタレに漬けた肉を焼くというモノであり、日本の焼き肉は焼いた肉をタレに漬けて食べるという食べ方です。
今でも、日本風の焼き肉店はあまり韓国にはあまり無いそうです。
逆に日本ではプルコギを全面に押し出す店は少なそうですね。
まとめると、「肉食文化」という意味では朝鮮半島が先ですが、所謂「焼肉店」というのは(在日朝鮮人が中心となって)日本が発祥のようです。
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この回答へのお礼

遊牧民族を先祖に持つ彼らの風習の中に伝統的に焼肉文化があるものと思っていましたら、古い焼肉文化の実際は、仏教の普及とともに廃れ、その後日本との関わりの中でさまざまな文化が生まれ広まったその過程で根付いたということのようですね。

朝鮮半島の政治や文化の歴史は北方遊牧民からの人口圧や中国の歴代王朝の政治的混乱や影響力が及ぼしたものと考えればんとなくわかるような気もします。オンドルは大事に守ってきたのにかつて燃料として使っていたはずの家畜の糞はない、放牧に適さない地形のために放牧をやめて山林にそのエネルギーを求め、結果として半島では治水治山に失敗し稲作農業も発達しなかった、とかの話はどうも真実のようですね。だからといって遅れていたとまでは思いませんが

ありがとうございました

お礼日時:2009/11/17 20:29

そもそも焼肉を「伝統料理」というのに違和感を覚えますが・・・(笑)



まず焼肉について。
明治20年に飯塚栄太郎という人の編集で、「料理独案内」という書籍が出されており、その中で朝鮮料理も紹介されていますが、この中には、「肉蒸(チム)」「乾肉」「牛膺肉(ハムみたいなもの)」「膾(ホイ)」「チャンチョク」などの肉料理はあるものの、焼肉に類する記述はありません。
その他併合前後の庶民生活を書いたものにも、やはりチムや乾し肉に関する記述はあるのもの、焼肉についての記述は見られません。

年代を経て、1938年(昭和13年)4月23日の東亜日報によると、山火事予防のため、平壌名物の焼肉を松林の中で禁止という記事が見られます。
No1、2の方と同様、「焼肉」って何よ?という話になるかと。

次に畜産。
併合前後の史料等を見ても、非常に劣悪な農業に比して、畜産はかなり優秀である旨の記載が散見できます。
特に牛については、体格強大性質順良として、食用としても使役用としても佳良で、売買も盛んであったとされ、朝鮮の主産業とすべく改良していくべきとの意見などの記述が見られます。
肉については朝鮮人が脂身を嫌うせいもあってか、赤身肉が云々など、その頃から日本人は脂重視かよ!等と笑ってしまう記述もあったり。

半島では、一般人に関する史料は非常に少なく、詳細な状況を調べるのは非常に難しいと思いますが、以上御参考迄。
なお、上記の畜産について書かれている史料につきましては、国立国会図書館のデジタルアーカイブで「朝鮮 畜産」などで検索する事で見る事ができます。
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この回答へのお礼

日本と近接しているにもかかわらず朝鮮半島の中世の資料はなかなか見つかりません。わずかに朝鮮王朝実録に断片的に現れた事実くらいしか参考にはなりません。それにしても秀吉が文禄慶長の役の間に中国に侵略を土下座して詫びたなどというような話もあり一次資料として適切かどうかは私には判断できません。おっしゃるとおり国会図書館のアーカイブで調べてみることにします。示唆に富んだご回答感謝します。

お礼日時:2009/11/17 20:34

まず焼き肉の定義ですが、薄切りの肉を網に乗せ直火で炙リ焼きしたものと定義します。

単に肉を焼いたものなら世界中にありますので。

実は焼肉は朝鮮の文化ではなく日本がルーツです。発生・発展の歴史は以下のとおりです。

1:焼き鳥→牛の内臓の串焼き(ホルモン)が誕生。
  牛の内臓を食べる習慣のない在日朝鮮人から買っていました。
2:日本人が無煙ロースターを発明。
  串焼き→テーブルでの網焼き。
  煙がなくなり店内が快適になる。→これにより普及。 
  自分で焼くスタイルが定着する。
3:在日朝鮮人が店を出す。
4:いつのまにか焼肉は朝鮮起源という噂が広がる。

これらの過程で在日朝鮮人が関わっているかもしれませんが、焼肉自体が朝鮮起源ではありません。

一方朝鮮では
A:儒教の教えでは肉の直火焼き野蛮→鍋料理が主体です。
B:儒教的に客に肉を焼かせる(労働をさせる)ことは無礼。
C:内臓は奴隷の食べるものでした。
D:文献から朝鮮では人肉、豚、犬しか基本的に食べなかった。
ということから牛肉食や「焼肉」という調理法は発生しにくいと思われます。


朝鮮の牧畜・農業ですが
併合以前の朝鮮の農業は日本の平安時代並だったそうです。
牛と言う家畜は食肉用とするには効率が悪く、高級食材となったのは世界的にも最近です。(豚はトイレで飼えます)
それ以前は耕作や搾乳の為の家畜でした。
現在でも朝鮮で牛の生産をしているのはチェジュ島ぐらいです。

昔の朝鮮の農業は悪政の為、農民に耕筰意欲がなく原始的な焼畑レベルでした。春窮という言葉があるほどです。
山はオンドル用に木が切られ、はげ山だらけで放牧どころではありませんでした。
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この回答へのお礼

韓国の学者の方の研究ではかつてすばらしい文化の存在があり、文禄慶長の役の直前には毎年500万トンもの米の収穫量が半島全土であったとの発表を新聞記事で読んだことがあります。むろん対馬藩などは朝鮮からの食料の輸入を生命線にしていましたからいくらかは米の生産もあったのでしょうが地形や治水治山の状況から500万トンという数字はどう考えてもピンときません。何かと起源を唱えるかの国の食料生産の歴史に関してなにか資料がないかと思いまして質問させていただいた次第です。

ありがとうございました。

お礼日時:2009/11/17 20:17

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