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なぜ、華美とも取れる絢爛豪華な文体に拘ったのでしょうか?
とくに不必要と思われるくらいに状況を描写する。
例えば、「春の雪」にこういう一節があります。

「その声を聞くと同時に意志の体はくずれ始めとけはじめる。肉が腐れて落ち、みるみる骨が露になり、透明な蒋液が流れ出して、その骨さえ柔らかく融け始める…」
確かに、そこが読者をひきつけるわけですが。

A 回答 (3件)

なぜといわれても、それがいわゆる「耽美派」と呼ばれるゆえんなわけで、耽美派の作家は皆、その程度には華美です。

例えば、その引用の一節に限っていえば、もっとあっさりした描写にすると、原文の描写から想像できる映像や世界は想像できないと思います。つまり、三島なら三島の頭の中には、とある世界があって、それを文字で表現したいと思ったわけで、それを表現するには、その文字列しかなかったのだと思います。

ただ、背景として、三島(など多くの耽美派)が完ぺき主義的だったこともあるでしょう。突き詰めるタイプなのだと思います。もともとそういう素質があったのかもしれないし、小説に限らず、影響を受けてきた作品や文化、環境やコンプレックスのせいもあるでしょう。そういうことについては、語り出すとキリがありませんが、いろいろな本が出ていますので、お読みになってみるといいと思いますよ。ちなみに、おぼっちゃま、おじょうさまは、耽美・華美に走りがちです。

この回答への補足

豊饒の海第四巻の「天人午衰」に、主人公の家庭教師が喫茶店で猫の寓話を話すと言うところがあり、猫が自殺した鼠を放っておいて午睡にはいったというところ、これ普通に話していると言う状況ですがすごいですね。眠っている猫の情景描写まで行う

「…眠っている猫の上には、青空が開け、美しい雲が流れた。風が猫の香気を世界に伝え、なまぐさい寝息が音楽のように瀰漫した…」

う~ん、すごい会話ですね!

補足日時:2009/12/22 21:19
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この回答へのお礼

なるほど、表現したいとある世界があり、そのためには、そのような文字列しかない、それが結果的に絢爛業火になっているのかもしれません。

お礼日時:2009/12/22 21:20

「過剰描写表現」


第一に、
普通・充分という認識があってこそ比較して過剰というのです。
その一文について、あなたにかぎらずだれも普通・充分を
想定できないのだから過剰とは言えません。
第二に、
描写表現という日本語はありません。
単に描写か表現です。

「なぜ、華美とも取れる絢爛豪華な」
なぜ~ともとれる、は~を否定的に扱うものです。
華美であることは悪くありません。

また、
「そこが読者をひきつける」
とあなた自身が答を書いています。
「なぜAなのか。確かにB だが。」という構成ならば
Aが悪いものでありBを持ってしてもくつがえらないという意味です。
しかしあなたの作文はその内容を満たしていません。

ようするに、
あなたが日本語をちゃんとマスターしていないがゆえに
悪くないものを悪いかのように思い込んでいるのです。
たぶん三島の小説も理解できてないでしょう。
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三島は逆に擬音使用の極端に少ない作家でもあります。


理由としては、原始的で論理性に欠ける表現方法を嫌っていたためです。
『春の雪』の引用部分はまさしくこの対極で、「意思がゆるゆると消えていく」で通じるところの「ゆるゆる」を微細に論理表現しようとした好例の一節だと思います。
そこが読者をひきつけもすれば、まどろっこしい、華美すぎる、論理性を試みたというが主観の域を出ないなども言われもします。

三島は美を崇拝し、尊敬し、自身の体の肉体美まで究極的に高めた人です。腹筋するだけでもどっさり疲れるのが普通なのに、彼は疲れで引き返さず美のために没頭することができるという一面を持っていたのです。
そんな実生活が作家としての表現にも直結しているために、追求するように美しい(と本人が思う)表現を行ったと思います。

個人的には宮本輝が「いい年こくと三島はおなかいっぱい」という意味の言葉を吐いたのに非常に同意します(笑)
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この回答へのお礼

豊饒の海第四巻の「天人午衰」に、主人公の家庭教師が喫茶店で猫の寓話を話すと言うところがあり、猫が自殺した鼠を放っておいて午睡にはいったというところ、これ普通に話していると言う状況ですがすごいですね。眠っている猫の情景描写まで行う

「…眠っている猫の上には、青空が開け、美しい雲が流れた。風が猫の香気を世界に伝え、なまぐさい寝息が音楽のように瀰漫した…」

う~ん、すごい会話ですね!

擬音使用が少ないとはなるほど!って感じです。安っぽくなるのを避けたのでしょうね。精神の緊張を強く感じそれが読むものへの活力となります。

お礼日時:2009/12/22 21:18

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