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質問が二つあります。
標準活性汚泥法は主に有機物を除去するものですが、生物であるため増殖時には窒素も消費します。

1.その消費する窒素の形態は有機体窒素だと思うのですが、有機体窒素というのは分解しやすいものなのでしょうか?
分解しやすいと、生活排水が処理場に届くまでに、有機体窒素が消費されてしまうことはないのでしょうか?

2.また、もし利用できる窒素が不足した場合、増殖をやめ、炭素を消費して呼吸のみで炭素を除去しているのでしょうか?それとも共食いをして増殖と減少を繰り返しているのでしょうか?

詳しい方、回答お願い致します。

A 回答 (3件)

標準活性汚泥法=生物酸化処理型で活性汚泥を排除する方法ですよね。


例である生活排水の他、食品工場など有機系排水処理に適している処理方法と存じます。
処理の主体は、BOD(生物化学的酸素要求量)成分としての主対象は、窒素としてアンモニア(NH4)です。

そこで、質問の1である分解しやすいか・・・ですが、一般的にしやすいとでも答えたいと思います。
現在の技術で、確立され普及されているからです。

(1)NH4+2O2→NO2+2H2O 亜硝酸と水に分解します。亜硝酸は、水に溶けやすい物質なのでこの段階では、窒素の完全除去とはなりません。
これは、好気性生物条件下での反応ですので、エアーレーションが必要となります。
どうしても、エネルギーが必要ですね。
そのあと、
(2)4NO2+2O2→4NO3 亜硝酸が硝酸に酸化します。
(3)2NO3+6H2→N2↑+6H2O 常態で気化するNと水に分解します。
その際に、水素供与体が必要となりますので、メタノール若しくは、排水に含まれる水素を供与体して付加します。
混合が必要なのですが、酸素(空気)のエアーレーションは、不可です。
こうして脱窒が完了されますが、こうした処理行程を考えると、生活排水が処理場に届くまで窒素が処理されることは困難です。

2の問題の窒素不足ですが、標準活性汚泥法運用方法と密接な関係があります。
生活排水には、有機窒素が多いので通常窒素の過少はありません。処理行程中の窒素滞留の確保が要諦です。
先にも述べましたが、標準活性汚泥法では、汚泥引き抜き量に処理能力は依存されます。標準活性汚泥法だけでは、前述の(1)(2)でしかありませんので、有機窒素は、汚泥中にかなり残留されます。一般的に指標はMLSS(汚泥濃度)ですので、それを適正に保つことで処理能力は、確保されます。MLSSで4,000mg/l以下(経験上)だとその処理は、厳しいと考えます。
これは、排水が継続的に流入されることが前提ですので、それが途絶える事があればMLSSの確保が難しく、共食い減少(解体減少)の発生となりpH低下、SVI(汚泥指標)の低下が発生します。そのとき、発生生物が繊毛虫類から根足虫類(アメーバ、アルセラ)などに変化して行きます。

ちなみに、窒素の完全除去(3)は、標準活性汚泥法だけでは、期待できません。
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活性汚泥の活動は複雑系(カオス)ですし、有機物や栄養源以外にも様々な外的条件の影響を受けますから、一概に言うことはできません。

活性汚泥中の微生物をDNA配列で分類したところ、実に7割近くが未知の生物であった、という報告もあるほど、活性汚泥についてはわからないことの方が多いのです。このため、科学的とは言えませんが理論的裏付けを抜きにして経験則のみでお話しします。

1.下水処理施設の設計上、管路の長短で有機体窒素を加減して見積もることは無いとは言いませんが、同じ管路長でも流量によって処理施設への到達時間が大きく変わる訳ですから、管路長で加減することはありません。ましてこれが不足するような事態は余程大きな滞留池でもない限り、まず経験がないと思います。

2.下水処理や浄化槽ではない、産業排水処理などで窒素が不足する事態はよくありますが、外から窒素源を添加しないと増殖が徐々に鈍くなります。ただ、この状態で共食いも当然あるでしょうし、片やマクロ的にみて内生呼吸だけになると言っても間違いとは言えません。

ご存知かと思いますが、排水中の窒素・炭素共に、活性汚泥による処理の「出口」は、(1)処理水、(2)余剰汚泥、(3)空気中への飛散、の3つしかありません。流入する窒素が不足すると(2)の余剰汚泥が減る訳ですが、余剰汚泥の窒素と炭素の比は特殊な処理をしない限り一定(大雑把に1:20程度と言われます)ですから、流入する窒素が減れば余剰汚泥として除去される炭素量は減ることになります。しかし先に述べたように、一般の下水処理や浄化槽でこれを満たさなくなるほど窒素の流入が不足することはまずありません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
7割が未知の生物というのは非常に面白いですが、改めて微生物処理の難しさを感じました。

お礼日時:2010/01/04 14:23

私の知っている範囲で回答させていただきます。



>1.その消費する窒素の形態は有機体窒素だと思うのですが、有機体窒素というのは分解しやすいものなのでしょうか?
>分解しやすいと、生活排水が処理場に届くまでに、有機体窒素が消費されてしまうことはないのでしょうか?

微生物の窒素源としては、アンモニア性窒素(や硝酸態窒素)があげられます。
有機態窒素(JISでは有機体窒素)とは、有機物中の窒素のことで代表的なものはタンパク質やアミノ酸中の窒素です。タンパク質は微生物によって加水分解を受けてより分子量の小さいアミノ酸に分解され、アミノ酸は微生物によって脱アミノ反応(生成物は炭素が一つ減ったカルボン酸とアンモニア、あるいは炭素数が同じカルボン酸とアンモニア)を受けて低分子化されていきます。その際に生成されるアンモニア性窒素を同化(増殖)の際の窒素源として用い、余った分は液相に放出されます。すなわち、有機態窒素の分解(=アンモニア化)は有機物の分解とともに行われるものなので、処理場に届くまでに消費されてしまうことはまずありません。(管渠内での反応は、下水中と管渠の壁に付着した生物膜中で起こりますが、当然ながら微生物濃度は活性汚泥に比べ格段に小さいため有機物除去速度は遅いです。)


>2.また、もし利用できる窒素が不足した場合、増殖をやめ、炭素を消費して呼吸のみで炭素を除去しているのでしょうか?それとも共食いをして増殖と減少を繰り返しているのでしょうか?

窒素源がないと微生物は増殖できません。また、栄養源(窒素、リン、微量元素)が不足すると処理が悪化するといわれています。これは、推測するに窒素は酵素(タンパク質)の生成、リンはエネルギー伝達物質であるATPの生成に必要であることが関係している可能性があります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
特に窒素の消費の仕方では勉強不足で、ご指摘は大変感謝しております。

お礼日時:2010/01/04 14:20

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