アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

 担保権は被担保債権到来後にしか実行できませんが、担保権実行手続上はこれは確認されないと理解しています。被担保債権に付された期限は登記事項ではないですし、民事執行法194条は同30条を準用していないからです。そうすれば、たとえば「抵当権は被担保債権の弁済期到来前でも、実行に移せてしまう(競売手続を開始できてしまう)」ということになります。
 事実、ある法律事務所のホームページでも「弁済期到来は担保権者が証明しなくてもよい」と記載されていました。

 これを前提として、もし弁済期到来前に担保権実行手続が開始された場合、執行異議・執行抗告の中で「弁済期未到来」を主張せざるを得ないということでしょうか、またそれは可能なのでしょうか。
 民執182条は「執行抗告または執行異議の申立てにおいては…担保権の不存在または消滅を理由とすることができる」と、担保権不存在または消滅のみ主張できるような規定ぶりです。となると、弁済期未到来は主張できないとも考えられるのです。
 執行を取消そうにも、「弁済の猶予をした裁判上の和解の調書その他の公文書の謄本」が必要です(民執183条1項3号)。弁済期前の実行に備えてこれを用意している人は少ないでしょうし、実行後に取ろうにも「弁済期未到来の確認の訴え」なるものがあるのでしょうか?

 なぜ民執194条が同30条を準用しなかったのか、担保権設定者に酷ではないか、すごく気になります。
 学生で実務を知らないということもあるので、理論上のみならず実務上どうなっているのかも教えていただきたいです。

A 回答 (3件)

>民執182条は「執行抗告または執行異議の申立てにおいては…担保権の不存在または消滅を理由とすることができる」と、担保権不存在または消滅のみ主張できるような規定ぶりです。

となると、弁済期未到来は主張できないとも考えられるのです。

→競売開始決定に対する執行異議における実体上の異議事由としては、担保権の不存在又は消滅のみならず、法182条に準ずるものとして、被担保債権の弁済期の未到来等を主張することが可能です(民事執行の実務・不動産執行編(上)第2版Q20参照)。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

「準ずるもの」として主張できるのですね。
文献でそうはっきり書かれていると分かり、一気にすっきりしました!!これで設定者もそこまで酷とはいえなさそうですね。

ありがとうございました。

お礼日時:2010/04/12 09:23

実務では「執行抗告」ではなくて(未到来の救済に執行抗告の規定がないから)「執行異議」で救済しています。


契約書によって一目瞭然です。
この点、民事執行法は、未到来の競売を想定していなかったためだと思います。
なお、民執194条が同30条を準用しなかった理由は、登記簿謄本が債務名義のようなもので、それには債務名義のように期限は記載されていないので、期限の到来か又は期限の利益を失ったことだけ主張すればいいと考えたことでしよう。
立法者の考えです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

お礼が遅くなってすみません!
たしかに執行抗告の規定はないですね。
疑問がかなり解消されました。机上の勉強で流れがイメージできると定着しやすいので、質問してよかったです。
再度ご回答くださって、ありがとうございました。

お礼日時:2010/04/20 09:23

>なぜ民執194条が同30条を準用しなかったのか



これは、期限の利益を失うからです。
抵当権実行が他の抵当権者からあれば登記簿上の利害関係人に通知します。
そして、期限の未到来の者にも配当しています。
民事執行法は消去主義の採用ですから、例え、期限が未到来だとしても
抵当権は抹消するので配当しています。
法律を体系的に分析してみてください。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

他の担保権者から担保権実行がなされれば、他の担保権者の債権が未到来でもよいことは分かります。それでも、担保権実行を申立てする者の被担保債権は弁済期が到来していなければなりませんよね?30条は手続を申立てた者の債権について規定したものなので、やはり準用してもよかったのではと思うのですが、どこか民事執行法の理解に欠如があるのでしょうか。
民事執行法は完全な自習ですので、理解しきれていないのかもしれません。
よろしければまたご回答よろしくお願いします。

お礼日時:2010/04/11 16:32

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!