映画のエンドロール観る派?観ない派?

複文の文法で、従属節中の「主格」につく「ハ/ガ」の選択理由
中国の大学で作文の指導をしています。
日本文で主格につく助詞が「ハ」か?「ガ」か?――の選択はとても難しい。しかし、複文の従属節中の「ハ・ガ」の選択だけは、比較的容易に論理的説明が可能です。
野田尚史氏の本『「は」と「が」』(くろしお出版)はこれを論理的に説明しています。
その中で、主節に対する従属度の強い、弱い(独立度が低い、高い)によって、従属節には「ガ」しか使えない場合と「ハ」も使える場合に分けられるとあります。しかし、理由節「~から、~ので、~のに」は従属度の強い・弱い両方あります。私が「日本人だから瞬時に判断できる」なんて偉そうなことを言っても、学生に納得できる説明になっていません(教師失格!)。野田氏は、「理由節がつよい従属節になるのは、その節がその文の焦点になっているとき、いいかえると、主文の内容より従属節の内容のほうを相手に伝えたいときである」とお書きになっていますが、私にはこれだけでは釈然としません。学生が作文するときに、より具体的でわかりやすい説明方法がないものでしょうか? 身のまわりに書籍類が乏しい環境におりますので、インターネット情報などを引用してご説明いただければ嬉しゅうございます。

A 回答 (3件)

#1です。


補足要求にお応えいただき感謝いたします。

「従属節」の各名称、また、『「ガ」しか使えない場合と「ハ」も使える場合』の(理由節以外の)基本的法則について教えていただき、大変勉強になりました。
理由節に関しても、非常にわかりやすく例示していただきありがとうございます。

>「強い従属節では『ガ』が使われる」=「従属節が“焦点”となっている」=「従属節の内容を伝えたいのだ」という論理が、納得出来る場合と出来ない場合
:があるという点に関しては全く同感です。
受け取る側が納得しやすい理論に巡り合うことを期待することしか当面の解決策はないのではないだろうか、とさえ思います。
とはいえ、口幅ったいことを申すようですが、理論自体が重要なのではなく、「ガ」なり「ハ」の用法を不自然な印象を与えることなく自然に使いこなせるようになることが目的でもあるのでしょう。
言い訳めいた前振りでお察しのとおり、助言や理論などという大それたことには関与できませんが、私見でも運良くご理解の一助になるやも知れずと考え、あくまで個人的な感覚(感想)としてですが思うところを述べさせていただきます。

まず、「ハ・ガ」に対する基本的な私見からです。
私の場合、一般的に言われていることでしょうが、
「ガ」は特定(あるいは強調)と、単純に捉えています。
ただ、
「特定するにはそれなりの理由があるからこそ特定しようとするのだ」
という概念がセットになります。

「桜が美しい」という場合、「美しい」と感じた、その感覚がまず第一義であって、「桜」はあくまでそのこと(美しいという感覚の対象)の特定、誤解を怖れずに言えば補足です。
これに対して、
「桜について何か述べたい」という意図が先行する場合には、つまり、「桜」というものを主格(=文表現上の眼目)として位置づけたい感覚の場合は、
「桜は美しい」となるのでしょう。

「観光で城跡を訪れた。どこまで行っても当たり一帯が桜で覆われていて圧巻である」
その時の思いは
「桜は(美しい)」ではなく、「(桜が)美しい」のはずです。
この場面で、「桜について述べてみるならば」という『主題提起をするほどの余裕を話者の感覚は持っていない(はずだ)』
とでも言いましょうか。
それに対して、
「花見に出かけて土手沿いをゆっくり歩いている。天気はいいし、最高の花見日和だ。どこまでも続く桜の並木」
こういったシチュエーションでは、
「桜は美しい」と、「桜について語るならば」という余裕が話者の感覚に生まれるでしょう。

このように、
「○○は△△」と「○○が△△」の根本的な違いは、
「△△」という『述部に対する感覚的余裕』の多寡ではないか、と独断的に考えています。

今回のご質問に沿って考えてみます。

1、
《 中国の国土“が”広いので、地方によって料理はだいぶ違います。》

従属節に関しては、
【『述部に対する感覚的余裕』が無いほど「広い」ことを述べたい】
という意図に基づいていることになると思います。
なぜそういった余裕が無いほど「広い」ことを述べたいのか、と言えば、「地方によって料理はだいぶ違」うことの理由を強調したいからでしょう。
その意味で、伝えたいのはむしろ従属節であると捉えることが可能ではないかと思います。
ご指摘のように、「主節の内容をむしろ伝えたい」と取れないこともないでしょうが、これは同じ理由節でも「~ので」の用法が、たとえば「~だから」などに比べて理由を表す要素が若干希薄なためであるような気もします。

《 中国の国土“は”広いので、地方によって料理もだいぶ違います》
についてですが、
「は」による主題提起の構文ですから、「中国の国土に関して述べてみれば」という暗黙の宣言が為されているわけで、
「むしろ従属節の内容を伝えたいのでは?」というご感想には肯けます。
ただ、上の2文において、
「中国の国土“が”広いので」
「中国の国土“は”広いので」
のどちらが削除可能かというと、やはり後者ではないかという気がします。
「地方によって料理もだいぶ違」う理由を述べたいという意図は、明らかに後者に希薄ではないかと思われるからです。
主題提起はあくまで「広い」ことに限定されており、「違います」という主節にまでは及んでいないと捉えて差し支えないと思います。

2、
《 あの人“は”来そうもないので、(我々は)もう帰ろう。》
(質問者注:この文で、従属節の内容に“力点が置かれていない”と言えるのか?)

「あの人」を主題提起するだけの余裕がある→帰ろうという意志決定の理由を特に強調したいわけではない。
のように捉えてみると(ガ使用時に比較すると)“力点が置かれていない”という捉え方も、あながち間違いとは言えないかもしれません。

多少脚色してみます。
「彼“は”来そうもないので、私はもう帰る。」
「彼“が”来そうもないので、私はもう帰る。」
私が帰る理由として「彼の来そうもないこと」を強調したい場合(=彼のせいにしたい場合)は、おそらく後者の発話が為されるような気がします。
この意味で前者の従属節には(比較的に見て)力点が置かれていない、と言えそうです。
彼について(客観的に)述べようとする余裕がある、と感覚的に認定されるためだろうと思われます。

3、
#2さんにお示しいただいた、
《 私は、ゆみさん”が”泣いたので、びっくりしました》
についても考えてみました。
《 私は、ゆみさん”は”泣いたので、びっくりしました》
と言い替えることは(文法的にはなぜなのかわかりませんが)できないように思われますが、
《(怒ると思ったら) ゆみさん”は”泣いたので、私はびっくりしました》
であればあり得るシチュエーヂョンですよね。
この場合も、(怒ると思ったら)などの余裕(ワンクッション)が「泣いた」という状況を認識する前にあったために「弱い従属節」になり、
そういった余裕もなく「泣いた」という状況を認識した、という素直な展開の場合は「強い従属節」になるのでしょう。

基礎的なものが無いので、一貫性もなく思いつくままに書き連ねてしまいました。
ご質問に対するお答になっているかどうか甚だ不安ですが、ほんの一部でも何らかのご参考にしていただけるようでしたら幸いです。
  
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この回答へのお礼

回答者様が「文法理論自体が重要なのではなく、『ガ』なり『ハ』の用法を自然に使いこなせるようになることが目的である」それで「『ハ・ガ』に対する基本は、『ガ』は特定(あるいは強調)と捉えることであり』その基本認識から、「ハ・ガ」文の根本的違いを、『述部に対する感覚的余裕の多寡』であるとするお立ち場」から、「桜“は/が”美しい」および「彼“が/は”来そうもないので、私はもう帰る。」を分かり易く説明してくださいました。ありがとうございます。

私は、「ハ」によって取り立てられた「名詞+ハ」の複文を誤解しているようです。それが、回答者様の説明にある程度納得しながらも、なおも、疑問を下の文に残しているようです。
 
(1)中国の国土“は”広いので、地方によって料理もだいぶ違います。

私はこの文から、三上章氏の「象は鼻が長い」を連想してしまうのです。取り立て助詞「ハ」で「中国の国土」が取り立てられて(つまり焦点となって)、それに続く「広い」とセットになっている。これが話者の伝えたい部分であると誤解しました。それ故、当然の帰結としてその後の主節で、「中国の各地には様々な考え方の人がいるし、方言も多様だし、そして、地方によって料理がだいぶ違うよ」――と言いたいのだと。更に、「料理も」と“も”が使われているので、それは、「国土は広い」と強調したことを受けて“も”と言いたくなる話者の気分がプンプン匂ってきます。だから、「中国の国土“は”広い」は「中国の国土“が”広い」より、もっと強調したい話者の意志が働いているのではないかと曲解してしまいました。
しかし、冷静に考えてみるとき、「象は鼻が長い」の文の別の意義が参考になります。
そこで、回答者様の解説や野田氏の複文の文法を踏まえると、(1)から下の文(2)が浮かび上がってきました。

(2)中国“は”、国土“が”広いので、地方によって料理がだいぶ違います。

この文で、1 取り立て助詞「ハ」で表題化された「中国は」(これが全文のテーマ)、2 強い理由節、3 主節が、理路整然と並んでおり、強い理由節の中で“が”顕在化し、ここが話題の焦点(回答者様が言われるところの“強調”ともなっている)だと理解できます。してみると、私が文(1)で、形の上では“弱いように見える”理由節「中国の国土“は”広いので」に話題の焦点があり、話者が伝えたいところだと感じたのは、実は文(2)を無意識のうちに連想しながら理解しようとしたからなのかもしれません。どうやら、文(1)は“弱い理由節”の例としては適当でなかったとも思うのです。

今回のご助言に基づいて、私は「ハ」と「ガ」の区別をもう少し深める必要があり(それは日本語の感性を鋭くすることでもあります)。また、それが野田氏の本にあるような「複文の文法」にも裏付けられた理解となる努力が必要だと感じました。

ここで、中国の大学での私の「文法教育」をご紹介します。
私は主に会話と作文を週に1,2回程度教えております。文法・語彙など基礎的日本語は中国人教師が毎日のように教えておりますので、複文の文法も学生が知らないはずはないのですが、習ったことと理解していることとは別物です。
私は数年前に2年生に「ハとガの文法」を講義したことがあります。講義の後の学生の反応は「難しい。全然理解できない」でした。それ以来、この種の講義はやめて、「ハとガの区別」が自然にできる学生の成長過程に任せるしかないと考えています。

いま3年生に「作文」を教えております。作文の中で従属節に「主語+ハ」の間違いがよく出てきます。学生に「複文の文法」を強く意識させる必要があると考え、複文の文法を教えております。主節・従属節によって決まる「絶対テンス・相対テンス」からはじまり、従属節中の「ハ・ガの区別」も単純化して教えました。が、実は、私自身が複文の文法とりわけ「強い・弱い理由節」の理解が不十分であり、これでは、学生を指導できないことに気づきました。今回、OKWAVEで皆様のお知恵を拝借したのもそのためです。

現時点で学生に教える複文の文法「ハ・ガ」の区別は、(1) 主節・従属節で共通した主格には「ハ」、(2) 主節・従属節で異なる主語があるときには従属節に「ガ」、(3)連体修飾節と名詞節には「ガ」、(4)並列節と引用節には「ハ」も使える、(5)対比文には主節・従属節に共に「ハ」、以上です。ここで、強い・弱い理由節については、弱い理由節の出てくる頻度が少ないと考えて無視し、強い理由節だけと割り切ることにしました。これで、作文中に複文の「ハ・ガ」の間違いが確実に減ることを期待しております。
懇切丁寧なご助言に感謝いたします。以上

お礼日時:2010/04/20 01:28

回答などおこがましい事は無理ですが、


去年使った「どんなときどうつかう日本語表現文型200」初 中級
に該当する部分があるかと思いますので抜粋させていただきます。
 
まとめ2はとが項目9
複分では主文の主語→は 副分の主語→が
例文
 1わたしは、春さんが来てからいっしょにたべます。
 2あなたがパーティーに出席すれば、パーティーはにぎやかになるでしょう。
 3わたしがいくら頼んでも、リーさんは手伝ってくれませんでした。
 4私は、ゆみさんが泣いたので びっくりしました。

項目10「…と思います。」、「・・・と言いました」などの文では、「…」の中のは、がは、
   もとの文のまま
 例文
 1あの人は、きょうカンさんは来ないと云いました。
 2わたしは、田中さんはもう帰ったと思います。
 3わたしは、妹はアメリカで勉強したほうがいいと考えています。

ポイント「…と思います」、「…といいました」の「…」の部分は、引用であるから
独立した文と考える。だから項目9は使わなくてもいい。
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この回答へのお礼

助言ありがとうございました。
 
項目9(複分では主文の主語→は 副文の主語→が)
1-4の文は、主文と副文で主格が異なる場合で、
私が読んだ複文の文法によると、節の性格が、
1-時間節、2、3-仮定節、4―従属度の高い理由節
だと理解します。ご指摘に異存ございません。

項目10(「…と思います。」、「・・・と言いました」などの文)
1-3の文は、引用される節中では「ハ」と「ガ」が許される
場合と理解します(「ハ」と「ガ」の選択は単文の性格によって
決まる)。ご指摘に異存ございません。
以上、有り難うございました。

お礼日時:2010/04/17 23:11

非常に興味深いご質問です。


ご一緒に考えさせていただきたいのですが、ただ、当方は一素人にすぎず、具体的例文をご提示いただけると大変有難いと思います。
以下の2点についてもう少し補足をお願いできないでしょうか。

1、
『主節に対する従属度の強い、弱い(独立度が低い、高い)によって、従属節には「ガ」しか使えない場合と「ハ」も使える場合に分けられる』
に関する2パターンの例文。(理由節以外)

2、
「理由節がつよい従属節になるのは、その節がその文の焦点になっているとき、いいかえると、主文の内容より従属節の内容のほうを相手に伝えたいときである」
場合とそうでない場合、2パターンの例文。
 

この回答への補足

質問者の訂正
”が”の位置を間違えて、主節の”が”につけてしまいました。
下のように訂正します。
私は、美由紀さん”が”泣いたので、びっくりしました。【強い従属節;ANo2の方からの引用】

補足日時:2010/04/18 12:21
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この回答へのお礼

さっそくのご対応に謝謝。

「一緒に考えましょう。そのために、具体的例文を示しなさい」とのお言葉、有り難うございます。
いつも学生に「例示しながら質問をしなさい」と言っていますので、それをANo1さんに言われてしまいました。ごもっともです。

1、『主節に対する従属度の強い、弱い(独立度が低い、高い)によって、従属節には「ガ」しか使えない場合と「ハ」も使える場合に分けられる』に関する2パターンの例文。(理由節以外)

<質問者>野田氏の従属節の定義にしたがって書きます(以下の接続詞は一例のみを示します)。

(1)継起節(~と)・仮定節(~たら)・様態節(~ように)・時間節(~とき)・連体修飾節・名詞節(以上、強い従属節)は、何れもその中で「ガ」しか使えない。

例 春“が”くると、桜が咲く。【継起節】
例 わたし“が”いくら頼んでも、リーさんは手伝ってくれませんでした。【仮定節;ANo2の方からの引用】
例 あなた“が”勉強すればするほど、両親はますます喜ぶだろう。【様態節】
例 私“が”日本で買った本は高いですよ。【連体修飾節】
例 端午の節句“が”中国で生まれたのは、誰でも知っている。【名詞節】

(2)並列節(~が)・引用節(~と、~って)は、その中で「ガ」と「ハ」が使える。
これらの節は事実上「単文」のようなものなので、「ガ」と「ハ」の選択は単文の性格によって決まる。


例 日本“は”石油への依存度が高いが、高度経済成長政策がそれを加速させた。【並列節】
例 山田さん“は/が”パーティに来ると思う。【引用節】

(3)残るのは「理由節」(上の(1)と(2)にまたがっている)になりますが、これは下で述べます。

2、『理由節がつよい従属節になるのは、その節がその文の焦点になっているとき、いいかえると、主文の内容より従属節の内容のほうを相手に伝えたいときである』場合とそうでない場合、2パターンの例文。

<質問者>以下に理由節を記述します。
 
捜査員“が”「おまえが誘拐犯じゃろ」と聞くと、○○容疑者は「すみません」と素直に認めた。【強い従属節;野田氏の本から引用】
私“は”、ゆみさんが泣いたので、びっくりしました【強い従属節;ANo2の方からの引用】
私“が”大学へ行ったので、故郷の父はさびしがっているようだ。【強い従属節;自作】
私“は/が”彼と駆け落ちしたので、故郷の両親は怒っているでしょうね。【弱い従属節;自作】
中国の国土“は”広いので、地方によって料理もだいぶ違います。【弱い従属節;成書から引用】
(質問者注:この文は、むしろ従属節の内容を伝えたいのでは?)
中国の国土“が”広いので、地方によって料理はだいぶ違います。【強い従属節;自作】
(質問者注:この文は、むしろ主節の内容を伝えたいのでは?)
あの人“は”来そうもないので、(我々は)もう帰ろう。【弱い従属節;成書から引用】
(質問者注:この文で、従属節の内容に“力点が置かれていない”と言えるのか?)

このように、「強い従属節では『ガ』が使われる」=「従属節が“焦点”となっている」=「従属節の内容を伝えたいのだ」という論理が、納得出来る場合と出来ない場合があって、頭の整理ができていません。

以上、よろしくご助言くださいませ。

お礼日時:2010/04/17 23:56

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