No.1ベストアンサー
- 回答日時:
「宗教的実在の段階において初めて単独者として真の自己を回復するとした」
と言う事を説明したいと思います。
「真の自己」の反対語は「仮の自分、或いはみせかけの自己、或いはかりそめの自己、或いは自分じゃない自己」と言うことになるかも知れません。或いは自分と思っているのは「自分と勘違いしているかも知れない」と言う意味合いかもしれません。
是は脳の機能の関係からです。子供時代には『疑いはありません』自分が何者かは分っていたからです。そうして親とかおじいさんとかの関係もおぼろげながら分かっていました。心の奥底からの疑いはなかったという意味です。
心底、分ったつもりでした。処が思春期頃から『人生とは何だろうか?或いは自分は何処から来て、何処へ行くのだろうか』といった疑問が湧いてきます。
自分で謎をかけて、自分の罠にはまってしまう場合の事です。この事を『失楽園』と言うものと思います。この事が二元論の始まりとなって『謎の悪循環』に落ちてゆく事になります。出口がなさそうな『問い』に悩まされると言う意味になります。
意識が抱え込む疑問や、悩みとは、本当は『分っている自分自身が』問いかける問いかけと言えます。何故ならば、他人では答えられないからです。他人の答えを聞いたところで、何にもならないからです。
自分自身で問いかけて、自分自身で答えを出します。その事を『宗教的実在の段階において初めて単独者として真の自己を回復する』と言います。
その訳を言います。人間の自我意識は左脳に存在する意識の事です。言葉を持っている意識の事です。処が右脳にも意識が在ります。右脳の意識は『無意識の意識として、或いは命を働かせている意識として、或いは目の前の事実を事実として見ている者として、或いは仏性として、或いは神として、すなわち現実を全て肯定している者』と言えます。
全てが見えている者として、自我意識には明確には、その存在を実感できなくとも確かに存在しています。自我意識には『言葉ではない情報で』伝えて来ています。
例えば高い所に上がった時に自我意識に伝えています。或いはスピードを出し過ぎた時にもです、或いは恋人に会う時などにもです。その恋人を本当に好きなのか?或いは体裁だけなのかも自我意識に教えています。この人と結婚をしても良いのか?と言う時にもです。
自我意識の機能は『分別』で出来ていますので、論理で割り切れない事は、計算でき難くなっています。従って明日の事が分からないのに論理では答えは出ないようになっています。それは機能的に『入れていないソフト』に関連する問いを出す事に相当します。
明日の事が分からないのに結婚をして幸せになれる、と思わせるものが『自我意識に』言葉によらないもので、教えているからです。
脳はコンピュータと同じ機能があります。計算する能力です。この計算式は論理的に割り切れる事が条件となっています。つまり自我意識の機能とは割り切れる問題のみのソフトが入っている事になります。そうして割り切れる問題には有限と言う名が付いています。従って自我意識には矛盾する問題や、永遠に関する問題は機能的には『ソフト』が入っていない、という事になります。
此処からが人間としての苦しみが付きまとうと言う事です。人生には矛盾が付きまとっているからです。自我意識には有限と言うソフトしかないと言いました。つまり『永遠』を理解するソフトが自我意識にはないという意味になります。
有限の命、永遠が欲しいと言う願望。この二つの意識の落差が人間の苦しみとなっています。この事を『心の矛盾』とも言います。右脳は『永遠や、宗教』で出来ているからです。有限の命も自分の事実ですが、永遠や、宗教も自分の右脳の中に『無意識の意識として、或いは仏性として』内在しているからです。
この二つの意識の落差を人間は、原罪として、或いは業として、或いは苦しみとして受け取ってきたわけです。この苦しみからの解放を『宗教文化の発展として』人間は後押しをしてきたわけです。
そうして苦しみからの解放を伝えて来ています。キリスト教においては『神に会って和解する』という事になります。禅宗であれば『禅問答を解いて』生死の問題を解決すると言う事になります。
この禅問答こそが右脳の意識に出会うためのテキストという事になります。左脳の自我意識の働きではこの問題は解けないように出来ているからです。脳の機能の問題です。言葉の無い思考方法、言葉の無い考え方の中に、解くカギが在ります。分別脳の働きが及ばない思考方法で無いと、思考できないからです。
言葉を持たない意識が出した問題が『禅問答』と言う事になります。右脳の働きが分る事を『自分自身が分かった』と言います。つまり悟りが開いたと言う事になります。
No.2
- 回答日時:
「人間の実在を美的実在・論理的実在・宗教的実在の三つの段階に展開させ、人間は、宗教的実在の段階において初めて単独者として真の自己を回復するとした」
文章の意味は、
「美的実在」は、目などの五感・肉体による捉え方。
「論理的実在」は、思考・脳による捉え方。
「宗教的実在」は、「美的実在」や「論理的実在」を外した霊的捉え方。
この3つがあるが、本当の自己は霊的捉え方「宗教的実在」を通してのみ正しい自己(真の自己)が現れるということですね。別の質問にヘーゲルの精神学がありましたが、ヘーゲル流に言えば「絶対精神」を通して自己を観れば正しい自己(真の自己)が現れるということでしょうね。哲学者によって表現が異なるのでややこしいですね。
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