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N2O4 = 2NO2 - 57.2kJ

「圧力一定」でこの混合気体を「加熱」すると、
上の正反応は吸熱反応だから、平衡が右に移動してNO2の物質量が増加します。
また、「温度一定」でこの混合気体を「加圧」すると、
総物質量が減少する方向、つまり左に平衡が移動します。

では、「体積一定」でこの混合気体を「加熱」する場合はどう考えたらよいのでしょうか?
「加熱」に関しては平衡は右に移動しますが、
「体積一定」だから「加熱」⇒「加圧」となり、
平衡を左へ移動させる要素も「加熱」の中に含まれていることになります。
「加熱」と「加圧」、どちらの影響が強くなるのでしょうか?

ちなみに私が出くわしたこのタイプの問題の答えでは、
「吸熱反応の向きに平衡移動する」
と、「圧力一定」の時とおそらく同じであろう説明が書かれていました。

A 回答 (2件)

結論としてはわかりません。



「例えば、日本ハムからダルビッシュが抜けてイチローが加入したら
勝率は上がるか下がるかどちらでしょう」
という問題と同じです。
松阪が加入してイチローが加入するのならば答えは簡単です。
しかし、お互いにファクターが違うもので逆向きの要素があるので、
どちら影響が大きいのかを判定しなければ答えはでません。

しかしながら、野球では一般にピッチャーの方が鍾愛に当てる影響は
大きく、勝率は下がると思われます。同じように、化学平衡の問題
では、温度の方が影響が大きいことが多く、NO2は増えると思います。
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ル・シャトリエの法則の一つの現れである、平衡定数の温度依存性と圧依存性を使って直に計算したらどうでしょう?


(∂lnK/∂T)_p=ΔH/RT^2...(1)
ですから圧一定での平衡定数の変化は
dlnK=(ΔH/RT^2)dT...(1)'
です。ΔHはN2O4→2NO2のエンタルピー変化で57.2kJ(吸熱だからプラス)です。ΔH>0ですから(1)'によれば温度をあげればdlnK>0で分解の方に平衡がシフトします。
さてN2O4のモル数をn1、NO2のモル数をn2とし、仮に全体のモル数をn1+n2=1とすれば、それぞれのモル数は初期のモル分率になります。初めの平衡定数Kは
K=n2^2/n1...(2)
となります。これがdTによりK微少量動いて(1)'の新しい平衡定数K'の中味がどうなるか考えます。n1がε mol減ったとします。するとn2は2ε mol増えます。合計のモル数は1+εになり、モル分率は(n1-ε)/(1+ε)および(n2+2ε)/(1+ε)となります。その結果
K'={(n2+2ε)/(1+ε)}^2/{(n1-ε)/(1+ε)}
=(n2+2ε)^2/{(1+ε)(n1-ε)}
=(n2^2/n1){(1+2ε/n2)^2/(1+ε)(1-ε/n1)}...(3)
となります。よって
lnK'=lnK+ln{(1+2ε/n2)^2/(1+ε)(1-ε/n1)}...(4)
です。lnK'=lnK+d(lnK)とすれば
d(lnK)=ln(1+2ε/n2)^2-ln(1+ε)-ln(1-ε/n1)
≒4ε/n2-ε+ε/n1
=ε(4/(1-n1)-1+1/n1)...(5)
です。これが(1)'に対応する組成の変化です。次に平衡定数の圧依存性は
(∂lnK/∂P)_t=-ΔV/RT...(6)
ですから
dlnK=-(ΔV/RT)dP...(6)'
です。ΔVはN2O4→2NO2に伴う体積変化です。初めに合計を1 molとしたのですから初めの全圧をPとしてV=RT/Pです。反応が1 mol分進行すれば体積の増分ΔV=Vとなります。さて微小温度を上げたところで平衡は(1)'に従って移動し、その時のモル数変化εは(5)と(1)'を等値すれば得られます。そのモル数は全体で1 molから1+εに増えたので圧が一定の条件では体積が(1+ε)Vになっています。これをδだけ加圧して体積をVに戻してやります。それが(6)'に入るべき圧変化です。
P(1+ε)V=(1+ε)RT...(7)
から
(P+δ)V=(1+ε)RT...(7)'
にするわけです。(7)はPV=RTですから(7)'から
δ=εRT/V=εP...(8)
がでます。Pは初期の全圧です。これを(6)'に適用すれば
dlnK=-(V/RT)εP=-ε...(9)
です。ε>0がN2O4の分解の進行ですから圧を上げるだけならεの変化と反対方向へ平衡はシフトします。
最初に温度を上げてKはK'になりました。lnKの差としては(1)'あるいは(5)です。その後体積を戻すように圧をδだけ変化させると、その平衡定数の対数は-εだけシフトします。従ってlnK変化の合計Δは
Δ=(ΔH/RT^2)dT-ε...(10)
となります。一方(1)'=(6)より
ε(4/(1-n1)-1+1/n1)=(ΔH/RT^2)dT...(11)
ですから、これからεを解いて(10)に代入します。
Δ=(ΔH/RT^2)[1-1/(4/(1-n1)-1+1/n1)]
=(ΔH/RT^2)(2n1^2+n1+1)/(n1+1)^2
=(ΔH/RT^2){2(n1+1/2)^2+1/2}/(n1+1)^2...(12)
(12)でΔH>0ですからあとは全て正です。従ってδlnK>0であり、定積で温度を上げると平衡はN2O4が分解する方へシフトすると出てきました。計算はお確かめを。
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