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マクロ経済学では、価格の硬直性ということが言われますが、
賃金の下方硬直性があるために、物の価格の下落は、賃金
の下落へと行きかねいことから言われるのでしょうか?

A 回答 (2件)

質問は「名目賃金の下方硬直性があるために価格の硬直性が生じるのか?」という意味ですか。



確かに、名目賃金が下方硬直的である場合には生産費用が労働需給を反映して下がるという調整が働かなくなりますから、(名目賃金が完全に伸縮的な場合と比べて)供給量が低水準にとどまり、財の価格が下落しにくくなることはあり得ます。
これは、労働力以外の財の市場の価格が完全に伸縮的である場合にも成り立つ議論です。
しかし、財の価格の硬直性は、財の価格そのものの調整が不完全である状況を指していることが多いと思います。
価格硬直性を名目賃金硬直性で説明するというより、財と労働力のそれぞれの市場の不完全性を考えるのです。

価格の硬直性の要因は、不確実性や価格変更費用の存在や独占など色々考えられます。
詳しくはDavid Romerの教科書の第5章と第6章を読むなどしてください。
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この回答へのお礼

いつも懇切丁寧かつ論理明快な回答を有難うございます。
価格の下方硬直性と言われる背景には、色々あるのですね。
私は、フィリップ曲線でのオリジナル版から物価版へのマー
クアップ原理により説明されるのかと思いましたが、単純す
ぎたようです。

ゲームの理論でも、寡占における下方硬直性ということが言
われましたし、私は視野が狭かったようです。

お礼日時:2011/03/03 04:03

完全競争市場では、超過供給状態になると売り手は価格を下げてすべての商品を売ろうとするだろう、と考えられています。



しかし現実の市場では、たとえばケーキ屋さんの中には、前日の売れ残りを安く売るとお店のブランドイメージが壊れる危険性があることから、安売りをせずにすべて廃棄するという方針の店が少なくありません。また、不良在庫を抱えていても、安売りをしなければ会計上の原価として認識されず、決算が黒字となることから、銀行や株主への対策のために安売りせずに不良在庫を抱える企業もあります。このように、現実の経済では価格は下方に硬直的です。

また、超過需要があっても、同業他社との競争の関係で価格を上げることができない場合もあります。ですからこのような場合には、価格は上方へも硬直的になります。


>物の価格の下落は、賃金の下落へと行きかねいことから

これは何か勘違いしていませんか?
賃金が下方硬直的であるというのは、下方へ下げてはいけないということではありません。企業が自社の労働者の賃金を下げて低コスト化を図りたくても、労働者が反対するため下げることができない、という状況を指しているのです。

企業は賃金を下げたいのです。そうすればコスト削減になり、企業の利益額が増加するからです。しかし、労働者は当然嫌がります。ストライキをするかもしれません。ミクロ経済学では、労働者のストライキは考慮していません。

企業としては、人件費の総額を削減できればよいわけですから、1000人の労働者全員の賃金を一律に1割削減して全従業員を敵に回すよりは、100人をリストラして残りの900人に「会社は君たちの雇用を守るからね。会社は君たちの味方だよ」と言って、900人を味方につける方が楽なので、賃金が下方硬直的になり、かつ非自発的失業者が生じるのです。
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この回答へのお礼

懇切丁寧かつ論理明快な回答を有難うございます。
価格の下方硬直性と言われる背景には、色々あるのですね。
私は、フィリップ曲線でのオリジナル版から物価版へのマー
クアップ原理により説明されるのかと思いましたが、単純す
ぎたようです。

ゲームの理論でも、寡占における下方硬直性ということが言
われましたし、私は視野が狭かったようです。

お礼日時:2011/03/03 03:59

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