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三権分立を意識するならば、国会議員が不逮捕特権を有することの意味は立法権の尊重にあるといえます。

では内閣の構成員には不逮捕特権は認められるべきかを考えると、内閣は行政権のトップであり警察(or検察)と同一の組織体に位置するといえるため、三権分立の要請として不逮捕特権は認められる根拠を欠くことになります。

しかし現に憲法には「国務大臣はその在任中内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」とある訳です(憲法76条)



このことを企業体に位置付けて考えると、同じ組織、特に上層部に対しては、下部組織は何も口出しできないようなものです。(もちろん企業のトップと国の行政権のトップとは性質は全く違うとは思いますが)



三権分立から導かれない権利であることからすると、それなりの根拠が必要であるように思えます。

どなたか内閣の構成員がなぜ訴追されない権利を有しているのか、ご意見お待ちしておりますm(_ _)m

A 回答 (3件)

逆でしょう。



内閣は行政権のトップであり警察(or検察)と同一の組織体に位置するからこその、不逮捕特権でしょう。

現行の内閣を命令をきくべき警察が逮捕できるとしたら、これはクーデターを起こすことが簡単にできるということです。
たとえば警察官僚の都合の悪い改革を内閣がしようとしたときにでっち上げた罪で逮捕すれば阻止できるということです。

内閣と同一の組織体であり、内閣の命令と法によって執行されるべき機関が内閣の否定をすることができてはならないのです。

企業体であっても同じで労働法やその他法令に違反した命令ならともかくとして、一般的な命令に従う義務があるのが従業員の宿命です。
彼らは確かに「ストライキ権」などの労働争議権は有していますが、それは個人に付与されているものではなくあくまでも労働組合という労働団体(つまり企業体とは別の組織)に認められているものです。

日本には戦前ですが、2.26事件とか5.15事件などの内閣を否定したクーデター事件があります。この際に「統帥権干犯」という言葉がでてきており、これは「総帥権は天皇にあるため、軍部が内閣を否定し独自の行動を起こしても良い」という意味に使われ、その後の日中事変から太平洋戦争までの一連の軍部の暴走を許す端緒となったものです。

現行憲法でも明治憲法でも軍は内閣の指揮下にあるのですが、明治憲法では上記の規定が明文化されていなかったため、本来なら内閣の指揮(文民統制)を受けるべき軍が暴走したものなのです。

警察も軍ほどではありませんが「暴力装置」の一つです。ですので内閣の指揮下のあるべきものがそれを覆すことが無いように、明文化した規定が必要になるのです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございますm(_ _)m

おっしゃる通りだと思います。

国民の代表により制定された法に基づいて、奉仕者として国民に尽くすべく公務に携わるにあたっては、組織として上意下達なしには、行政は一体を欠いた機能不全体に化してしまうことになります。
そのため現在では、例えば、公務員の争議権は否定される(判例.全農林刑職法事件参照)などに表れているように、公務員は権利を制限された労働者として位置付けられ、行政権が滞らないような仕組みになっています。

下部の公務員が上に逆らうことによって生じることを防止することの現実的な必要性は、回答者様の言うように強く求められていると思います。

しかし、そういった公務に支障をきたすことの防止というような実際の必要性や、現実の必要性とはまた別に、
国家のあり方として根本原理としての『形式的な要請』というようなものがあるのではないか?と私は思うのです。
これは例えば、憲法や国際法、はたまた、国家体としてのあるべき姿、理念、原理のようなことです。
実際上の必要性と形式上の必要性、この二つの面が共に充たされて初めて不逮捕特権は認められるのではないでしょうか?




言葉足らずな点があるかもしれませんが、この点につきまして、よろしければご回答下さるとありがたいですm(_ _)m

お礼日時:2011/03/30 18:23

行政を司る内閣の主要構成員である国務大臣がが逮捕されたら、国政は立ち行かなくなるではありませんか。

その事を考えれば、不逮捕特権は当たり前の話です。

それ以前に、彼らも国会議員です。国会議員には不逮捕特権が付き物。要するに、国政に関わるものは得するのですよね…
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行政の安定性を確保するためでしょう。



国務大臣が行政機関としての職務を行わなければならない時に、訴追を受けることによってそれが滞ってしまっては、主権者たる国民の不利益になるからだと思われます。
国会議員と違い訴追そのものを妨げているのも、迅速な職務遂行を要求されることが多い行政機関に合わせたものと考えれば、つじつまが合います。
職務を妨げないため、という目的に沿うよう、この特典は在任中に限られ、また75条但書に「訴追の権利は害されない」と明記されています。
つまり退任後は自由に訴追することが可能であり、また総理大臣が同意を拒否している間は公訴時効も停止するものと解されていますので、就任し続けることによって訴追できなくなるということもありません。

国会議員の不逮捕特権も、もちろん三権分立が背景にないとは言えませんが、それが会期中に限られていること、免除されているのは逮捕であって訴追そのものは妨げられていないことから見て、本来的には、議会の進行を阻害しないという目的をもって認められた特権だと言えます。
もし立法機関の行政機関に対する独立という意味で50条(不逮捕特権)の規定が設けられたのだとしたら、上記のように強く限定的であるのは、少々おかしな話になってしまわないでしょうか。

つまり、国会議員の不逮捕特権にしろ国務大臣の不訴追権にしろ、権力の分立を目的としたものではなく、国政の停滞をなるべく避けるための規定であると考えた方が妥当ではないかと思われます(このような規定は、例えば予算案の30日ルール(60条)や総辞職した内閣の職務(71条)など、ほかにも見られます)。

なお、75条で免除されているのは訴追であり、少なくとも法文上において逮捕は禁止されていません。
とはいえ、本条の趣旨から言って逮捕も当然認められないと考えるべきでしょう。
ただし、過去に首相の同意を得ない逮捕が認められた事例はあります(昭和電工事件)。
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