平安時代も中期になると律令制もかなり崩壊に近い状況であり、京官よりも見入りの豊かな国司に任命されるのを望む下級貴族も少なくなかったとか。
かつて学生だった頃、日本史の授業で「任国に赴任するのが受領国司。赴任せずに名義だけの者が遥任国司」と習った記憶があります。
たとえば藤原摂関家や天皇にごく近い源氏の上流貴族たちが、京官の兼任として守や介(またはその権官)に任命された場合は遥任が前提とされたことでしょう。
しかしそれ以外の某姓の中下流貴族たちはどうだったのでしょうか?
長官である守が受領として国衙で職務についていれば次官の介は在京していても許されたのか、それとも京で主な役目がなければやはり守のように赴任していたのか(しなければならなかったのか)
また守が遥任で介が受領であれば、後任の守は在京していて後任の介がやはり赴任していたのか?
国司補任を紐解くと何人もの国司が同時に着任していたようですが、結局、誰が受領で誰が遥任だったのか、おおよその想像しかできず実態がつかめません。
国司制度の実態についてご存知の方、上記の疑問についてご回答いただければ幸いです。
よろしくおねがいいたします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
中下流貴族なら任国に赴任することもごく普通でしょう. 武家の台頭というのもその流れの一環だったような気もする.
余談ですが, 「国司」にも四等官制がしかれており, 日本ではその最下位である目にも決裁権限があったので, 理論上は目だけが任国にいても「国司としての仕事」は滞りなく進めることができます. とはいえ, 「平安中期」にはこの「理論上」が既に崩れていて守ないし介が最終的に決裁していたみたいです.
ご回答ありがとうございました!御礼が遅くなり大変申し訳ございません。
実はあのあと
<受領国司と任用国司> 泉谷康夫著 日本歴史 (316)
<「尾張国郡司百姓等解文」に登場する任用国司について> 平野岳美著 愛知県史研究6号
を目にする機会があり、10世紀ごろまでは中下流貴族で任用に任命されたものは、地方に下向し、それぞれの仕事についていたようです。まだ実態については良く理解できていませんので、これからも勉強していきたいと思います。
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