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電流の”ベクトルポテンシャル”のようなものを考え、それをH1とします。
ビオサバールの法則から求めた磁場をH2とします。これらは必ずしも一致しませんが、
H1が正しい磁場だと決定するための仕組みってなんかありますか?

詳しくは以下説明。


Jを電流密度とします。定常電流の場合、div(J)=0なので、以下の方程式

rot(H)=J

は、ポアンカレの補助定理に基づき、ベクトルポテンシャルから、磁束密度を導くときと同様に
例えば、

http://www.moge.org/okabe/temp/elemag/node35.html

の式(241)のBにJを代入し、AにHを代入したのと同じ方法でも、解が導出できます。

一方、電流密度が、ある曲線上に集中している場合(線電流)の場合を
除き、ビオサバールの法則は、体積積分となっています。
http://upload.wikimedia.org/math/6/1/8/618f1b3b8 …

以下の2つの方法で導かれた2つのベクトル場を、それぞれ
H1,H2としたときに、少なくとも、

div(H1-H2)=0

ではあるのでしょうが、共にマクスウェルの方程式は満たしているように思います。

こういった場合、H1とH2の違いって、何か意味があるのでしょうか?
それともH2以外のHはありえないということをはっきりさせる別の条件があるのでしょうか?


さらに、H1と積分経路が違うだけかもしれませんが、
岩堀 長慶, 近藤 武  (他)「微分積分学」裳華房 (1993/01)

の312jジの定理8.3.3には、別の形のベクトルポテンシャルが書かれていますが…。

A 回答 (1件)

真空中かもしくは一様等方的な媒質中であり B=μH (μ:定数) が成り立っているという前提で答えます。



>式(241)のBにJを代入し、AにHを代入したのと同じ方法でも、解が導出できます。
この方法で求めたHは divH=0 を満たさない(満たすとは限らない)ので、そのまま Maxwell方程式の解とすることはできません。
ベクトルポテンシャルにはdivを自由に決めていい任意性があり、ある方法で求めたベクトルポテンシャルがdivA=0を満たすとは限らないのです。よってその方法をそのまま持ってくることはできません。

ベクトルポテンシャルはdivA=0を満たすように選ぶことも、勿論できます(クーロンゲージ)。与えられたBに対して rotA=B, divA=0 を満たすようにAを選べるということです。
しかしこれを B→J, A→H と置き換えて磁場を求めるのに適用しても、それはそのまま Maxxell 方程式を解く作業に他なりません。

>それともH2以外のHはありえないということをはっきりさせる別の条件があるのでしょうか?
Maxwell 方程式は微分方程式であり、一般にその解には任意性があります。ですが、境界条件を課せばその解は一意に定まることが知られています(静電場、静磁場の場合)。
普通、全空間を考えている場合、(いくつかの例外的な状況を除いて)無限遠で電場、磁場がゼロになるという境界条件を課します。ビオ・サバールの法則で求められた磁場は(電流の存在する領域が有界であれば)この境界条件を満たします。
よって、ビオ・サバールの法則によって得られた磁場は、Maxwell 方程式の欲しい解そのものであるということです。勿論、その他の方法で得られた磁場も、Maxwell方程式を満たし無限遠でゼロになるならば、正しい解で、ビオ・サバールの法則で得られた解と一致するはずです。
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この回答へのお礼

明快な解答ありがとうございました。
要は透磁率が一様等方的であり、かつ定常電流を考えての話です。

要は、少なくとも

*div(H)=0
*{int}_{R^3}|H|^2dxdydz =0

ぐらい条件があり、div(H)=0については、マックスウェルの方程式の中に
ある条件と思える(透磁率が一様等方のため)。
(私の質問中のdiv(H1-H2)=0はミスです)

後者は、例えば、無限に長い直線電流のような、非現実的な
場合を除き、常識的に考えて納得できます。

ほかに何か細かい条件があるかもしれませんが、だいたい納得しました。

ありがとうございました。

お礼日時:2011/05/17 01:27

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