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地球内部の熱は核分裂によって発生した熱だと言われていますが、どんな根拠でそのように考えられるのでしょうか。

上部マントルは超塩基性岩でできていると思いますが、超塩基性岩には特に放射性元素が多いわけではないですよね。地殻には花崗岩や砂岩が最も普遍的に分布しますが、超塩基性岩の放射性元素の含有率は花崗岩や砂岩のそれとだいたい同じですよね。だとすると、超塩基性岩ではつまり上部マントルでは核分裂の熱はそれほどたくさんは発生しないのではないかと思います。

下部マントルと地核には、上部マントルや地殻に比べて多くの放射性元素が含まれているのでしょうか。もし含まれているのなら地球内部の熱は核分裂によって発生した熱だというのは分かるのですが、それなら下部マントルと地核に放射性元素がたくさん含まれているとする根拠は何でしょうか。

地球内部の熱を人間が感じることのできる主なものは溶岩の噴出や温泉ですが、溶岩や温泉水には放射性元素やその崩壊生成物が多く含まれているわけではないですよね。ということは、地球内部の熱が核分裂によって発生したものだとする考え方を溶岩や温泉水は否定しているように思えるのですが。

それとも、マントルや地殻の放射性元素の含有率は花崗岩や砂岩のそれとほぼ同じであっても(つまり、放射性元素の含有率は小さくても)、地球内部には核分裂の熱が溜まることに、計算上、なるのでしょうか。素人の感覚的にはとても溜まるとは思えないのですが...。

地球内部の熱は核分裂によって発生した熱だと言われていますが、どんな根拠でそのように考えられるのでしょうか。

A 回答 (5件)

崩壊熱は地殻のみで定量的に妥当と言えるのか。

発熱の「一部」を概算してみました。

計算の前提:
地殻のカリウム40の崩壊熱のみを扱う。
地殻の厚みは 30kmとする。
地殻の比重 3、カリウム割合(クラーク数) 2.6 %
天然カリウム放射能強度 30.4 [Bq/g]
崩壊エネルギ 1.3 [MeV]
花崗岩の熱伝導率 3 [W/m/K]

面積1平方m、長さ30km角柱の発熱量は次のようになります。
直方体質量kg * 含有率 * 毎秒崩壊回数/kg * 崩壊エネルギ :
30e3*(3*1000)*2.6e-2*(30.4*1000)*(1.3e6*1.6e-19) = 0.015 [W]
(計算に不可解な点があればご指摘ください)

地中で生じる熱は地表から宇宙に放射されます。 熱源の一部であるカリウムは、半径方向に 0.015 [W/m^2] の熱流を作り出している事になります。花崗岩の熱伝導率で温度勾配を計算してみると、0.015 / 3 = 0.005 ℃/m となります。 深さ100mあたりだと0.5℃になり、2~3℃と言われる実測の2割を与えています。 崩壊熱説はオーダとして一理あると思います。 希薄でも、巨大な寸法では、体積(発熱)対表面積(放熱)効果、熱抵抗率(1/熱伝導率)×深さの効果は日常感覚を超えたものになるのでしょう。

ところで、実際の熱流量は、平均 0.07 [W/m^2] と推定されているようです。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/hamamoto/index.htm

他の放射能を含む計算がありました。
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/netsuryur …
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。
こういう計算もできるんですね。

有り難うございました。

お礼日時:2011/06/12 20:14

#1の者です。


ちなみに、地球の内部の地核には、ほとんど核分裂物質
は含まれておりませんが、温度は最も高い6千度近くも
あります。
「核分裂の熱が主要」というのは、地表からの放射冷却に
対する補完への寄与においてです。
また、「放射冷却によって1億年で現在の温度になる」と
いう情報も、wikiと並んでネット上に流布していますが、
これもケルビンが百年も前に(古い知識で)算定したもので、
熔岩の温度である千度を起点にしていたり(今でも内部は
6千度だから当初はもっと高温だったのに)、今では初期に
主要な熱源であったと考えられている微惑星の衝突を考慮
していなかったりと、とても参考にできるものではありません。
核分裂はあくまで「熱の発生源として」であり、「内部の熱」
の起源ではありません。
核分裂が「主要な地熱の起源」なら、最初から時間が経つ
ほどに上昇するはずだし、地核の方が高温であったり、
同じ組成である月や火星が、最初は溶けていたのが、
現在は冷却して、固体になってしまっているといった現象を
説明できません。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。
計算上の熱収支はケルビン(?)以降誰もなかなか挑戦しないのですね。
有り難うございました。

お礼日時:2011/06/12 20:22

>地表にある花崗岩でできた大きな山の中心部でさえ熱くないのに



この件もサイトの中で説明しています。
#2に書いたように地殻熱流量というのは実感できる大きさのものではないのです。
平均的な値として6.9×10^-2J/s・m^2という値が載っています。
太陽定数1.4×10^3J/s・m^2と比べてみて下さい。太陽定数は太陽から地球に達するエネルギーを地表1m^2当たり、1秒間に対して求めたものです。2万倍異なります。地殻熱流量の大きさは暖かいと感じることのできるようなものではないことが分かるだろうと思います。
でも100km×100kmの大きさで考えるとマグニチュード8の地震を3年に一度ぐらい引き起こすことができるぐらいのエネルギーになるという説明が書かれています。読まれていないようですね。

このサイトで花崗岩、玄武岩の違いで説明しようとしているのは大陸地殻、海洋地殻での熱流量に関係してです。どちらにしろ地殻は地球の薄い皮の部分です。半径6400kmの地球で考えるとごく一部分です。
もっと発熱量の少ない物質しか内部にはないとしても体積が圧倒的に異なります。地球内部で発生している熱の総量はものすごいものになります。
マントルは固体ですがその内側にある核の部分は液体です。これは高校の教科書にも載っています。
地震波の測定から得られた結果です。液体中では横波が伝わらないという性質を使っての判断です。
温度の推定もこれを基にして行われているはずです。
上部マントルだけが高温であるのではありません。

マントル対流による移動の速さは1年に数cmだそうです。
これも動いていることは実感できない大きさです。
でも100年に数mだとかなりの影響が出てくることになります。
太平洋の海底が全てこれだけ移動するのですからこの移動に要するエネルギーの大きさは凄いものです。イメージの取りやすい火山の噴火のエネルギーに比べても極端に大きなものです。実感できる、イメージしやすい事だけに頼っていると判断が違ってきます。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。
御教示のサイトはもちろん全部読みましたが、なかなか飲み込めません。
計算上熱収支はどうなるのかというのがどこにも示されていません。
有り難うございました。

お礼日時:2011/06/12 20:20

ダーウィンの時代に地球の年齢の推定がいろいろなされました。



高温の火の玉状態から徐々に冷えて今の地球の温度になるまでどれくらい時間がかかるのかという推測もその当時やられています。
内部に熱源を持たない高温物体が徐々に冷えて行くのに要する時間というのは地球を構成する物質の熱伝導度の値、地球から外部空間への放熱の速さなどをを仮定すると出てくるものです。
これは当時の物理のレベルで計算可能なものです。
ほぼ1億年という時間が出てきます。
海の水が今の塩分濃度になるのにどれくらいかかるかで年齢を見積もるのもやられています。これも1億年程度です。ダーウィンはこれで困ってしまったという話です。彼の考えていた進化に必要な時間に比べて短かすぎるのです。45億年経った現在でも地球内部からのかなりの熱の流れが存在しています。この熱源は何なんでしょう。
その熱源は地殻変動やマントル対流のエネルギー源としても必要なものです。

放射性物質の崩壊熱だというのは別にwikiの創作ではありません。地球科学の本には大抵載っていることです。きちんとした本も出ているようですから一度じっくりと読んでみて下さい。

http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/netsuryur …

このサイトには
岩石が溶けるぐらいの温度から現在の地球の状態まで冷却されるのに要する時間を計算したのはケルビンだと書かれています。()私も記憶を頼りに適当に書いていますので時代がうまく合わない部分もあるかもしれません。)

「地殻熱流量」という量が重要な意味を持っていますが普通の人が実感できるような大きさではありません。
地表では太陽からの放射熱に比べて無視できるという程度だそうです。
その辺も実感だけで考えて行くと食い違いを生じる理由になるものかもしれません。

この回答への補足

>ほぼ1億年という時間が出てきます。

計算した人がいるんですね。1億年は、まだ大きい感じがしますが、計算したのであれば間違いはないでしょうね。感覚的にはだいぶ納得しやすいです。

>放射性物質の崩壊熱だというのは別にwikiの創作ではありません

お教えのサイトの表に示される値を用いて計算すると、崩壊熱の発生量はマントルでは花崗岩の約1/34であり、地核では約1/11万未満です。地表にある花崗岩でできた大きな山の中心部でさえ熱くないのに、それの1/34や1/11万の崩壊熱しか発生しないマントルや地殻が崩壊熱によって高音を保っているというのは実に信じがたいです。

補足日時:2011/06/05 14:00
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。

お礼日時:2011/06/12 20:16

また、wikiの誤った記述の犠牲者ですね。


基本的に、地球は、星間物質が集合してできた当初の
温度が最も高く(地表までマグマがあり海がなかった)、
その後、徐々に冷え続けています(地核は成長し続けて
マントル対流は細分化=大陸の分裂している)。
もし地球内部の核分裂が原因なら、「最初に最も高温で
だんだん冷え続ける」ことなどありません。
もちろん、その影響もない訳ではありませんが、主たる
熱源は、拡散していた星間物質が重力収縮する時の、
ポテンシャルエネルギーから運動エネルギー(≒熱エネ
ルギー)への転化によるものです。

この回答への補足

>基本的に、地球は、星間物質が集合してできた当初の
温度が最も高く(地表までマグマがあり海がなかった)、
その後、徐々に冷え続けています

地球の誕生は50億年前だそうですが、50億年も冷え続けても内部が高音の状態を保てるんですか?50億年ですよ。太陽エネルギーをいつも受けているとはいえ、50億年も高温状態を保つことは、計算上は成り立つんですか?

補足日時:2011/06/05 08:08
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。

お礼日時:2011/06/12 20:15

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