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リン脂質二十層は疎水性の分子を通すと習ったのですが、 中層部は疎水性なので通すのはわかります。ではなぜ表面の親水性の部分は疎水性分子を通すのでしょうか?

A 回答 (6件)

大学時代に、球形の人工のリン脂質二重層、いわゆるリポソームに関して勉強していた者です。



リン脂質二重層を、細胞膜ではなく、リポソームとしてとらえてお答えさせていただきます。
(学問的には、界面化学、ないしは、物理化学的な考え方です。)

要点をまとめると、「物質はリン脂質二重層の内側と外側で濃度勾配があると濃度が低い側に移動する性質を持っていて、その移動する力がリン脂質二重層のバリアーの力より大きいと、物質はリン脂質二重層を通過するだろう」というお話です。

もう少し噛み砕くと、「疎水性物質がリン脂質二重層を通過しようとする要因は、疎水性物質がリン脂質二重層の親水性部分になじまない/疎水性部分になじむという事とは他にあって、その要因は疎水性物質がリン脂質二重層の親水性部分になじまないという事よりも重大だ」と言ったところでしょうか。

リポソームのやや古い実験で、浸透圧応答というものがあります。
リン脂質二重層の外側と内側で濃度差をつけて(例えば、内側を濃い塩水、外側を純水にして)やります。すると、内外での濃度勾配のために、水分子が脂質膜内を通過して内側に入ります。この現象は、(位相差)光学顕微鏡観察下でリン脂質二重層の大きさの変化(内側の容積が大きくなる)として確認できます。(分光光度計を用いて吸光度(濁度)の変化でもみれます。リポソーム径が大きくなると光散乱が小さくなるので、吸光度が小さくなる・・・はず。少し記憶が不確かですので逆かもです。)

拡散という現象を理解いただければ、この内容を飲み込めるかと思いますが、簡単に説明しておきます。物質は濃度の高いほうから低い方へ移動する性質があります。これが濃度勾配による拡散という現象です。イオン(Na+、Cl-)はリン脂質二重層を移動できませんので、上で説明した実験では、内外の塩の濃度差を少なくしようとして(内側の塩の濃度を薄めようとして)、外側の水分子自体が内側へと移動してくれます。

つまり、この性質による移動エネルギー(というと語弊があるかもしれませんが)が、通過しようとする物質とリン脂質二重層の間の疎水性・親水性による障害よりも大きければ、通過は可能かと思います。

また拡散という現象自体は親水性の物質・疎水性の物質に限らず、同様に起こります。それゆえに、『親水性分子(水)が少し厚めの疎水性である中層部を通過する事が可能なのですから、ga111さんの言うように疎水性分子が中層部より薄い親水性の部分を通過しないわけがない(=通過する)』と思います(ここら辺はロジックが飛躍しすぎな気も致します)。

ちなみに人工のリン脂質二重層ですと、イオンは通過しないのは、
  拡散による移動エネルギー < イオンと疎水性の中層部との障害
という図式になるからでしょうね。

もひとつ、リポソームの膜の物質透過性の増加と膜流動性の増加は必ずしも一致しないのではと学会で指摘された事があります(細胞膜ですとわかりません)。

まぁ、初めに思いついたのは、(1)リン脂質二重層は親水性環境下にあるだろうから、親水性環境下にある疎水性物質が疎水性のリン脂質二重層内に移動するのは、
  疎水性物質が親水性環境下にあることの不具合 > リン脂質二重層のバリアー
となるからで、(2)リン脂質二重層内から外への移動は、疎水性物質がリン脂質二重層内部で一杯になって外に漏れ出るからなんでは?といったメカニズムなんですが。

質問に対する本質的な回答としては、疎水性物質がリン脂質二重層の親水性の部分を通過する際に、二重層を構成している脂質分子がどう挙動しているかということを述べるべきなのですが、そこまでの詳細なメカニズムはわかりかねます。

用語の使い方に統一性がないので理解しにくいかもしれませんが、以上、参考までに。
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膜の内側の表面にも親水性の部分がありますよね。

そっちは疑問に思わないのですか。

親水性と言っても、いろいろある訳です。二者対立の構図に縛られすぎているとは感じませんか。
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大学生でしょうか。

ga111さんの回答が正解と思います。以下は薬学の方からお聞きした話です。

細胞膜のリン脂質は部分的に流動性を持っています。リン脂質を構成する炭化水素の長さと不飽和度(二重結合の数)に影響され、炭化水素が短いほど、また二重結合を持つ炭化水素が多いほど流動性は増します。流動中の細胞膜のリン脂質は親水性の間隔が他よりも広くなり、その部分から疎水性分子がたやすく透化するのだそうです。

コレステロールがこの流動性を低下させます。ですから年を取りましてコレステロールが細胞膜に詰まった私のような老人は疎水性の薬物の透過性が落ちるのだそうです。つまり年を取ると薬も効きが悪くなると言うことと思いますが「ほんまかいな」と思っています。
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勝手な想像ですけど、脂質分子の親水部分はとても短く、バリアーになりにくいが、疎水部分はとても長いので、バリアーになりやすいのでは。



動的な状態では脂質の親水部分がすこしでも動けば、その次の疎水部分が顔を出すということです。
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誤解しないで下さいね。

そんなことも知らないのか、という意味ではありませんよ。むしろ逆です。
素晴らしい疑問なのです。
あなたを教えた専門家も教科書の著者も共に学んだ学生も、疑問に思わず、先を急ぐのです。
だから聞いても答えられないでしょうね。

こういう説明文、そのままではそういう疑問になりますよね。
「細胞膜と物質の出入り」(池田博明さん)
http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/biology/osm …
しかしですね、内容盛り沢山な先のリンクに、ヒントもあると思います。細胞膜についていろいろ漁ってみられたらどうですか。そんなものだとは思ってもいなかったという認識の差が発見できるかもしれません。
もちろんチャンネルではありませんよ。考え方はいろいろあるのですが、一番簡単なのは、通すというのが事実ならそれに合うように考えてみたらどうですか。
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大学の何かの講義で習ったのでしょうか?細胞生物学?生化学?



ご自身では、なぜ通らないと思うのですか。

たとえるなら、遺伝子バカみたくなっていませんかね。具体性のない。
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